- Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093798433
作品紹介・あらすじ
激情の幕末史全真相
血で血を洗うことになる幕末混乱の始まりは、幕府老中の判断ミスに端を発した――。
アメリカから要求された日米友好通商条約の調印に断固反対した御三家水戸藩主・徳川斉昭。老中堀田正睦は自ら斉昭を説得する労を厭い、朝廷の勅許を得ることによって斉昭を納得させようと画策した。この安易な判断が幕府崩壊のきっかけとなる。
幕府が容易に出るものと考えていた勅許は孝明天皇の反対で出ることはなく、幕府はやむを得ず勅許を得ないままアメリカと条約を交わすことになる。
幕府の対応に噴出する不満は、一橋派と南紀派で激しく争った将軍継嗣問題の対立を引きずったまま過熱化する。
対立の火種に着火させたのは、孝明天皇が水戸藩に発した「戊午の密勅」。密勅の黒幕は「水戸の斉昭」と誤解した大老井伊直弼の怒りは「安政の大獄」という大粛清に発展。多数の有為な人材が死に追い込まれる。
粛清の報復が行なわれたのは桜田門外。一発の銃弾が大老の命を奪う。相次ぐ流血で幕府の権威は失墜。時代の潮目は「反幕」に傾いていく――。
激しい権力闘争の前にもはや、「開国」が正しい政策か否か顧みられることがなくなった亡国寸前の時代を抉る。
感想・レビュー・書評
-
孝明天皇が、開国反対であった理由は、外人はケガレという思想に裏打ちされた、宗教的イデオロギーからきていると
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2019年3月7日、津BF
-
井沢節全開ですが、これはという新しい知見はなかったかな?
-
確かに尊王攘夷は謎じゃ
-
20151129
-
どっぷり歴史にハマるのはよいですね。
幕末でも、ろくでもない人間、賢い人間といたのが良くわかる。 -
筆者自身があとがきで書いている通り当時の常識を元に歴史の前後関係を考察し幕末から維新に至る変遷が語られる書籍は珍しいのではないか。特に興味深いのが幕末の誰しもが何らかの信念を持って国や組織の為に善かれと思い行動した事が裏目に出、結果維新が実現されたという逆説となっている点だ。例えば井伊直弼の信念と独善的権力志向が歴史的転換点となった桜田門外の変を招いている。詰まる所全員尊皇攘夷派であるのだがそのエッセンスに至るまでの国民的コンセンサスが明治維新であると言えよう。
また西郷隆盛の自害未遂や自らクーデターを自白する吉田松陰など、是非は置いといて、現代にはない日本国への強い憂いと焦燥感、そして使命感を豪傑たちに感じる。
もちろん「逆説の日本史」の十八番である大胆な仮説も忘れていない。島津斉彬暗殺説は非常に腑に落ちる説でもある。
第1章 幕末激動の十五年 一八五八年編
第2章 幕末激動の十五年 一八五九年編
第3章 幕末激動の十五年 一八六〇・六一年編
第4章 特別編 -
安政の大獄がなぜ起こったかが、よくわかりました。
この時期の複雑な政治環境、国内外の環境、人間関係などが、手に取るように分かります。
今までの疑問が氷解しました。 -
当時の水戸藩、井伊直弼の立位置など参考になることが多かった。
-
桜田門外の変、開国vs攘夷の実態がとても良く理解できた。