仁義なき宅配: ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン

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著者 : 横田増生
  • 小学館 (2015年9月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093798747

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仁義なき宅配: ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾンの感想・レビュー・書評

  • 東日本大震災が起こって物流が停止した時に、(インフラと)物流に支えられて私たちは生活しているのだと、その時身にしみて感じた。縁の下の力持ちだとその時思った。


    今はそれもまた忘れつつあり、Aでポチ、Rでポチ、Yでポチ…送料無料を探し求めて、お米さえも宅配してもらっている。


    送料無料、翌日到着、毎日発送…。これらのなぞがずっと知りたかった。読んでみてある程度は予想していたけど、やはり驚きの連続だった。


    ゴリ押しの外資系企業、買い叩かれる運賃、巻き起こるデフレ、デフレゆえの低迷、短期派遣、人材は育たない…混乱する現場…。


    本一冊注文して寝ずに仕分けされ、不眠不休でトラックが配達員が走り…、それを考えると携わった全ての人へ感謝しないといけないと、身にしみて感じた。


    一番驚いたのは、「羽田クロノゲート」の章。夜勤の仕分け人の8~9割が外国人。で、しかも派遣。2カ月契約、1カ月休み、再契約で年、最大8カ月までしか働けないという事。正社員、ドライバーなどと違い残業は一切なし。…説明もなくいきなり現場に投入され怒鳴られながら体で覚える。下は育たない。契約の切り替え時期には現場は大混乱…というあたりが「嘘でしょ」と思った。


    せめて時間帯指定したらその時は家にいようと思った。(けどそんな日に限って、届かなかったりして…)荷物一つにこんなにもたくさんの人の手がかかっていたとは…。宅配会社の人々に頭が下がる思いでいっぱいになりました。

  • 宅配は生活の一部になっている。
    ネット通販したり、身内に荷物を送ったり。
    宅配業者さんには感謝です。
    だけど、宅配の仕事をしろと言われたら厳しいですね。
    クロノゲートでの話は、衝撃。
    慣れというのはいつでもどうしても出るよね。
    なんか考えさせられるな~

  • インターネットの発達とともに、ネット通販で購入する人も増えていますが、消費者は便利を享受しても、その裏で働いている人たちがどれ程大変か?その一つに、配送という物がありますが、この当たり前に届くシステムの現場の現場をルポした一冊です。

    作者自らが、その現場で実際に働いて分かったこと、それは消費者が思う事と離れている現実が。表に見えにくい部分だけに、それがどのようにして成り立っているのか。

    確かに、送料無料も当たり前と感じてくる昨今のネット通販も、著書を読むたびに考えさせられます。

  • 横田増生の著書は、丹念な取材や現場潜入という徹底した情報収集とともに、取材対象とは距離を置いた俯瞰的で冷静な分析がバランスしていて、読み応えがある。かつてのアマゾン潜入記、訴訟沙汰になったユニクロ本、そして少々意外なテーマの中学受験に関する本は、どれも面白かった。
    今回、著者の得意分野である物流で、消費者にも身近な宅配便を扱うということで、これは読まずにはいられなかった。しかも、ヤマト運輸の羽田クロノゲートへの潜入記も含まれている。
    本書で、ヤマト、佐川、日本郵便という宅配ビッグ3の歴史、ポリシー、得意分野などがよく分かった。また、セールスドライバーへの取材や潜入記によって、宅配便の抱える問題点も明らかになった。しかし、何か物足りないのも事実。自分でもよく分からないが、読み終わったときの納得感が少ないのだ。本書への期待が高すぎたのだろうか。

  • ネットで注文したものが即日・翌日に届くというのは素晴らしいし、ほとんどのショップでは送料無料がうたわれている。
    が、当然、これは商品代に配送料が含まれているわけだし、商売でやっている以上、コストである配送料には値下げ圧力が強く働き、最終的には物流業界で働く労働者の酷使という形で付け回される。

    読まなくても分かるような話がほとんどで、あまり新味はない。宅配業界のブラックぶりをあげつらうような内容ばかりで、ロジスティクスなどのオペレーションについて期待して読むとやや裏切られたような感じ。

    ・やはりアマゾンの影響力はすさまじいものがあり、2013の佐川の取り扱いが13.5億個、ヤマトが14.8億個であったが、2013春に佐川がアマゾンから手を引いて12.1億個に、ヤマトは16.6億個になった。約6000万個がアマゾンの取引と推測されている。

    ・佐川はアマゾンとの契約をとるために一個250円ちょっとという値段でやっていたらしい。今のヤマトの運賃の280円程度だという。しかし、この業界は一個250円がギリギリ採算ライン。しかも佐川は下請けをよく使うが、ヤマトは使わない。これは下請けに払う値段が宅配便130円、メール便40円、と一個当たりの値段になってしまうため、規模の経済が働きにくくなることを小倉が嫌ったのだという。ヤマトは自社のセールスドライバーでやっているので荷物が増えればその分がまるまる会社の利益に成るが、佐川は増えた分の儲けは下請けに行ってしまう。

    ・これまではヤマトVS佐川という戦いだったが、佐川は適正運賃を求めてアマゾンとの取引から手を引いた。が、日本郵便が巻き返しを図っており、ヤマトVS日本郵便という戦いになっている

  • ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の3大宅配業者の仁義なき戦いを取材したルポ。宅配業者の実態を探るため、取材だけでなく、短期アルバイトとして仕分センターへ極秘潜入する著者にジャーナリスト根性を見た。

    ネット販売により、企業発個人向け荷物が急増した時代にあって、その荷物を届ける宅配業は成長分野だ。しかし、アマゾンをはじめとする大手ネット販売業者がウリにするサービスは「送料無料」。顧客にすれば、宅配業者とは料金を払うことのない、目に見えない存在だ。それに加えて、業者間の熾烈な競争。営業努力に見合う料金を徴収することができない。

    それでも荷物を時間通り日本全国へ届けなければいけないし、その設備投資も必要だ。その結果、宅配業者は従業員へ無償で壮絶な努力を強いている。

    客がお金を払いたくないサービス業になってしまい、従業員へ適正な賃金を払うことができない。そんなドツボにはまっている3大宅配業者に将来の光明はあるのか。

  • 過酷な勤務体系の中、低賃金で多くのサービス残業を強いられている宅配業。深夜の倉庫作業の多くが外国人によってまかなわれて居ると言うのも納得。実質コンビニのバイトよりも安いとは、ちょっと信じがたい現実。1利用者としての利便性に感謝しつつ、考えさせることが多くありました。配達員による再配達の手間を減らすためにも、今後コンビニでの受け取りなどを考慮に入れようと思います。

  •  宅配便に関して著者と同じような着眼点(疑問点)を持っていたので興味を持って読み進めた。帯にもある、「潜入労働ルポ」的な部分は、最終章のあたりだけだったので、少し期待外れで物足りなさを感じたが、その他の部分も知識としては勉強になった。
     最近は書籍購入やCDレンタルでも宅配便を頻繁に利用するようになった。宅配業界が健全に存続するためにも、本文中で著者が述べているように、消費者側も利便性に応じた一定程度の負担をしていく必要があると感じた。

  • 新聞の広告欄に記載があり興味を惹かれた1冊。これを読むと時間指定や再配達がどれだけ非効率で、また送料無料を可能にすることがかなりの負担を強いていることが痛感させられる。今後の宅配サービスを継続させるためにも業界全体で見直しの必要性を感じた1冊。

  • 元物流専門紙の編集長だった横田増生氏が、宅配業界の裏側について語る作品。
    聞き取りの取材だけではなく、実際に運送会社のトラックに同乗したり、配送センターで仕分け作業まで勤めるという潜入取材を行っている。

    本作では主にヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の3社に焦点を当てているが、3社の歴史や特色はまさに三者三様である。民意をバックに規制緩和を求め拡大したヤマト運輸、政治家との結びつきや社内闘争を経て成長した佐川急便、巨大資本を有するがサービスでやや遅れをとった日本郵便、といった具合。

    大手3社の共通の問題点として、シェアの拡大と運賃の適正化が挙げられている。シェアを拡大するとなると、他社より運賃を安く設定するのが手っ取り早いのだが、収益が悪化し人材の確保が難しくなってしまうという、よくある二律背反である。
    先般ヤマトがクール便の荷物を常温で扱うという事件が明るみになったが、シェア拡大を急ぐ経営陣と、不十分な環境で重労働を強いられる現場とのアンバランスが原因なのだと思う。この構造は牛丼店や居酒屋など、外食チェーンとも共通した問題なのではないだろうか。

    増田氏が取材したドライバーの中にも、うつ病やクモ膜下出血など、明らかに過労が原因と思われる症状が現れている。Amazonで注文した商品が指定した時間に届く便利なサービスが、このような犠牲のおかげで享受できる事を忘れてはいけないし、宅配業界の経営者にも読んでいただきたい。

  • 元国営と一般企業とでは全然違う

  • この本のあたりから物流の話が動き出したと感じている。夜勤をやって書いている迫力はこの手の本の中で一つ抜けている。同世代にこれだけの人がいるのは背筋が伸びる思いがする。

  • 佐川がアマゾンとの契約を打ち切っていたことを初めて知った。
    私の荷物も昔誤配されたもんなぁ…
    筆者のバイト潜入レポは面白い。

  • 文字通り、ヤマトと佐川急便と日本郵便の流通業の宅配戦争を扱った一冊。

    潜入ルポは前回のアマゾンほどの迫力はないものの、それぞれの企業の歴史を知ることができて面白かった。

  • 今最もホットなルポライター横田氏の本職である物流宅配便の現状のルポルタージュ。
    通販全盛の現代社会を支える物流の現場が如何に疲弊しながらも、安価にシステムを支えているか。送料無料がいつまで続くかは分かりませんが、日本のサービス低生産性はサービスレベルが低いのではなく、サービスに対価を支払われないことで起こってるのだというのがよく分かります。

  • 大下英治著『小説佐川疑獄』を読んで23年が過ぎた。佐川清が裸一貫で創業し、同郷・田中角栄への裏金で事業を拡大する。そして東京佐川の渡辺広康との内部抗争、さらには渡辺の政治家にとどまらず暴力団、右翼への青天井ともいえるカネのばらまきへ。竹下登ほめ殺しにまで通じる佐川の歴史を振り返る。さらに、ヤマトの覇者への道のり、日本郵便の猛追、そしてアマゾン急成長の裏にある運送業の犠牲をここに知る。特に、ヤマトに関しては、第2代社長・小倉昌男が国と正面切って堂々と対決し、会社を牽引していった光と、現在は過酷な低賃金労働を強い、ブラック企業と形容せざるを得ない影との両面を伝える。ただ、佐川にせよヤマトにせよ、他社の考えが及ばぬほどの徹底した顧客サービス提供が創業理念にあり、発展を遂げたことだけは間違えない。最後に、ネット通販利用者として今後は再配達していただくことのないよう心がけたい。

  • 個人と個人の間の荷物を運ぶところからスタートしたヤマト、企業間の荷物を運ぶところからスタートした佐川、いまいずれもその荷物のほとんどがアマゾンを初めとした通販企業から個人へ向けてのものとなっている。しかしそのことで本来かかるべき運賃が「送料無料」「低運賃」という足かせの下、宅急便ビジネスの仕組みが制度として成り立たなくなりつつある。本書は、それがひたすら「低賃金の人力」によってなんとか支えられている状況をあぶり出す。

  • この本に書いてあることが事実なら、どこの会社も利用したくなくなります。ブラック企業そのもの。

  • どこかに歪があるのだろうとは思っていたが…。

  • 潜入も含めて、関係者に話を聞いたりすることで
    経営者や広報が言うお話とは違う実態を
    明らかにしようとする本。
    夏場に野菜を送ってもらったらトマトがつぶれてグチャグチャになっていたこと思い出した。
    きっと上にいろいろ積まれたんだろう。
    仕方ないとはいえ、いろいろ難しい気持ちになる。
    少なくとも仕分けくらいはロボットなんかを戦力にして人件費に還元してほしいけど、
    きっと送料値下げや広告料に消えちゃうんだろうな。
    届けてくれるお兄さんたちには感謝の気持ちばかりです。

  • 物流専門誌の記者をやったこともあるという著者が、宅配会社に潜入取材してまとめた、異色のルポ。
    社会で重要なインフラを担いながらも、サービスで差別化できず、価格競争に陥る。そのしわ寄せが、下請け、非正規労働者へと及ぶ。
    宅配業界は日本の産業の縮図だ。

  • 「送料無料」の幻想。

    宅配業界の仁義がなさ過ぎて心が荒ぶ。
    翌日到着どころか今や朝注文した商品が当日届く便利な世の中になった。
    しかし「便利」が気がついたら「当たり前のこと」となり、当たり前を享受する権利を主張する見えない不特定多数のお客様の為、という大義名分で自分の首を絞める負のスパイラル。

    潜入ルポの名作、鎌田慧の『自動車絶望工場』から30数年。
    結果テクノロジーの進歩以上に、「当たり前」のラインを止めない為には驚くほどの低賃金で夜通し働くどこかの誰かに一方的に苦労を押し付けているだけ、という状況が全く変わっていないことに愕然とする。

    軽井沢スキーバス転落の大事故も記憶に新しいが、安さを命と天秤にかけるこんな世の中はやはり破綻している。
    フェアトレードなんて言葉がここ数年で浸透してきたが、今の日本も今一度本当の豊かさ、便利さとは何かを立ち止まり考える必要があるのではないだろうか。

  • 力作。
    配達に同行するなど、身を削って取材された結晶。
    宅配業界が労働者の犠牲の上に成り立っているなら、社会のインフラとして長続きしないだろう。利用者が職場として魅力的でない産業は長続きしない。
    アマゾンをよく利用するが、気が重い。

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仁義なき宅配: ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾンの作品紹介

前代未聞の潜入労働ルポ!

いまや日本最大の成長産業とも言われる宅配ビジネス。ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の大手三社は日々、どこよりも「速く安く多く」運ぶための苛烈なシェア争いを行っている。だがその一方で、アマゾンをはじめとするネット通販の「即日宅配」まで可能にする宅配業界の現場は、いままでベールに包まれたままだった。そこで著者は、宅配ドライバーの助手に扮し、あるいは物流センターのバイトとして働くという、「潜入労働ルポ」を敢行する。そこで見えてきた、宅配戦争の「光と影」とはーー。アマゾン、ユニクロの内幕を暴き「企業に最も嫌われるジャーナリスト」の異名を持つ著者が放つ、衝撃のビジネス・ノンフィクション。

仁義なき宅配: ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾンはこんな本です

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