- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093798945
作品紹介・あらすじ
元幹部が初めて明かす、苦難の靖国神社秘史
6月末を持って靖国神社を退職した、禰宜・総務部長まで務めた元幹部による、初めての告白本。中韓、アメリカ、サヨク、ネトウヨ、内部……靖国神社の“本当の敵”は誰なのか?すべてを知る著者が、「靖国問題」の本質を問い直す。著者は言う。「このままでは靖国が靖国でなくなってしまう」--戦後70年を過ぎ、憲法改正論議を控えたいまこそ、私たちはもう一度、靖国問題に向き合うべきではないか?
感想・レビュー・書評
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宮司、権宮司に次ぐナンバー3の禰宜であった著者による内部告発
の書みたいな煽り文句で売り出したようだが、なんのことはない。
特定の宮司への攻撃の書だった。
国の施設であった戦前と異なり、一宗教法人となった靖国神社は、
時の宮司の考え方でその在り様が変化してしまうことに危惧を抱い
ていた著者の言い分の垂れ流しだ。
本書では首相の公式参拝やら、A級戦犯合祀問題やらが語られているが、
乱暴にまとめてしまうと著者が主張しているのは靖国神社を国に返し、
国家護持に戻すべきだってことらしい。
無理だと思うよ。一応、建前としては政教分離なんだしさ。再度、国の
施設に出来たとして現在の靖国神社が宮司の意向に左右されるのと一緒で、
時の首相の意向で変容する可能性はゼロじゃない。
靖国神社に重きを置く政治家ばかりじゃないし、「先の大戦の犠牲者の
慰霊であれば靖国ではなく千鳥ヶ淵へお参りする」という首相が現われ
たら、それこそ「靖国神社が消える日」なのではないだろうか。
ここ数年、終戦の日になると旧日本軍のコスプレをして靖国神社に
集う人たちをどのように捉えているのか、著者に聞いてみたい。
「国家に殉じた」と言われれば聞こえはいいだろうが、先の大戦では
誰もが進んで命を落とすのが分かっていて戦場に赴いたのではない
はずなのだよな。
国歌の無謀のせいで、国家に殺された。そんな人たちが多く祀られて
いると思うわ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
神社本庁、靖国神社のそれぞれに籍を置いたことがあり、それなりに影響力のあったと思われる著者が、靖国をめぐる様々な事象について自身の考えをオブラートに包んで語った書。
自分は神社本庁や靖国神社の歴史的な経緯とかに疎いので、著者がオブラートに包んで何を言おうとしているのかよくわからなかったが、事情を知っている人が読めば「わが意を得たり」であったり、逆に「なんじゃいこれは」と思われるんでしょうね。
著者が靖国の閉じこもり体質を批判していますが、自分から見れば著者もそこまで変わらなくも見える。
宗教法人が何しているのかって、本当にわかりづらい。わかりやすく説明する動機が全くないからそりゃそうなんだろうけど。
一点、備忘。
8月15日の全国戦没者追悼式の追悼の対象には戦犯も含まれるが、それに関して隣国からの抗議はない。 -
靖国神社を取り巻く問題が分かりやすく書かれている。非常に勉強になった。
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靖国神社は宗教法人であるからこそ、宮司の考えでいくらでも変質が可能というのは盲点だった。断固国家護持を支持する。