あおい

著者 :
  • 小学館
3.26
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本棚登録 : 708
感想 : 125
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  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093861373

感想・レビュー・書評

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  • あんたのことが、好きすぎるのよ。

    うち、ワキ剃ってないねん。

    このひと言は強烈だなあ。
    言葉のひとつひとつが強烈な力をはなっていて、描かれているストーリーはちょっと変わってはいるけど日常のなんてことない場面だったりするのに、言葉の威力がすごい。

    あおいも良かったけど、サムのこと、が良かったな。
    短いし、くどくなくてちょうど良い感じ。

  • いま流行り(?)の西加奈子さん。大昔に一度だけ読んだことがあったけど、あまり覚えていないので改めてデビュー作から読んでいってみようと手に取った。

    関西弁がテンポよくて、すらすらと読めた。何か特別面白いということはないのだけど、引き込まれた。「あおい」はもっと先まで読みたかったなあ。まだページがあると思ってたら別の短編が始まって残念に思ったほど。でも、終わり方も潔くて素敵だった。

  • 荒削り、なんて言うと偉そうで失礼だけど、その後のいろんな作品を読んだ後だと、そう感じる。

    一つ一つの事象をあまり深掘りはせずに、いろんなところから拾い集めて、繋げて『西加奈子』というスパイスを加えるとこうなった、的なデビュー作。


    もう一つの短編『サムのこと』
    たまたま「面倒くさがり」という共通項で付き合いはじめた若者たち。その中の一人サムの死をきっかけに、お互いのことを少しだけわかり合い、小さく何かが動き出す。
    その過程を描いていて、短いながらも引き込まれる。


    2015.7.29

  • 西加奈子著。
    短編2首。
    リアルタイムに感情を表現し続けて物語にするのは女性作家の得意技?男性作家ではお目にかかっていない。

  • 初めて「あなたが悪い」と思ったカザマ君に、どうしようもなく恋をしてしまった「あたし」の話。

    力強い印象を受けました。
    なんでだろ、「あたし」の日常は、基本うだうだしているのに。
    やっぱり何かを心から大切だと思う人は、強いんだなぁ。

  • 西加奈子っぽい。
    日常生活なんだけど、汚い部分も描いていてびっくりする。
    それがこの人のよさなんじゃないかな、と思う。

    急に逃げ出したくなることってあるよな。

  • 前借りて読めなかったから、やっと読んだ

    前は読めなかったけど今なら読めるな

    あおい
    「あたしは、生きてるんだ。」

    「こんな好きになった人、おらん。」

    生きてるとか好きとか、改めて実感する感じ
    その感じ欲しいな


    サムのこと
    「日常はいつもぼうっとそこに横たわっていて、それは悲しくなるほど無責任で、残酷で、途方も無くやさしい。」

    私は人を無くしたこと無いし、葬式も行ったことがないから
    想像することしかできない
    火葬のことを想像するシーンがリアルだった
    カマに入れるんだね

    うるさいっていってて、居なくなったら静かになるけど、それはそれで変な感じがするのかな
    うるさく言われていたのが鬱陶しくまとわりついてくるのかな

  • サムのこと

  • 確か中学か高校のころに読んでたんだけど、そのときは何がいいのか正直分からなかった。
    でも今読むとこのエネルギーがあふれる感じと、ひしひし伝わってくるなにかがたまらない。
    タイトルの意味が分かるときあぁってなる

  • 西加奈子読み進めて、初めて、吉本ばななを読んだ時に似てる。
    と、感じたんだ。
    私。

    トンデル発想?だから?ふ~む。

    『あおい』はね。まず、タイトル。
    なぜ、あおいってゼンゼン意識していなかったんだけど。
    ぴかぁ~って。これジャン。そのままってトコでてくるの。
    それ、おかしいんだ。そっかぁ。って、オチもやってくるし。
    それからね。
    もう、大好きなのよ。主人公の女の子が、彼のことを。
    なのに、気持ちを認められない???風?
    なのに、好きの表現がかわいい。
    軽そうで、違う。(ここが似てる?ばななちゃん?)
    重いテーマだったの?って。
    あと、表現が新しい。(ここもばななちゃんの時に新鮮!って。)
    {す、すすすするするするー、ていう感じ。}
    でも、内容は日常。だよね。
    特別なことはない。かな?
    {あたしの体は、なんて頼りないのだろう。}
    {あたしは、生きてるんだ。}

    『サムのこと』
    も、収められている。
    初めて、お友達のお通夜に行くお話し。
    {そうやねん。知らんふりしとった。}
    考えるね。
    あとは、
    {「トンダ。」}

    二作とも。
    関西弁での話し言葉。
    しっかりじ~んときます。

著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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