のぼうの城

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093861960

感想・レビュー・書評

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  • 長親をはじめキャラの濃い登場人物たちに心を奪われる。
    人を動かせる人には何かがあるんだなぁーとしみじみ思う。
    面白く読めた。

    2018.4.10

  • 当時はどういう感じかはわからないが、日本の争いは風情や人情があるなぁ。
    時代小説始めてだったが、この本は読みやすく、エンタメ性がある。ワクワクする本は面白い。

  • とりあえずなにか時代小説が読みたくて選んだ一冊。映画のタイトルで見たことがあるというのが選出の理由。映画の原作とは、一定の評価は担保されてるということだから、ここから手を広げてってもいいかもしれない。
    のぼう様以外、武士も農民もキャラが立っていて面白かった。集団が団結して仲が良いのはよい。敵方も理解があり、適度に憎まれ役もおり、ラストにやり込められる下りはスッとする。
    城攻めの攻防、これは映像でも見たい。映画は公開終了しちゃったけどDVDで借りて観よう。

  • 時は乱世。
    天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一、落とせない城があった。
    武州・忍城。周囲を湖で囲まれ、「浮城」と呼ばれていた。
    城主・成田長親は領民から「のぼう様」と呼ばれ泰然としている男。
    智も仁も勇もないがしかし、誰も及ばぬ「人気」があった―。

  • 戦国時代の話ってなんか血沸き肉躍るというか、オラ、ワクワクしてきたぞ、って感じがするやね。まぁ当時の人らにとっちゃ大変な生き死にかかってるんだろうけど、まぁ現代人にとっちゃ、戦国エンターテイメント!とか言われちゃうわけで。
    なんか知らんけど、武士道って言うか、生きざまに心打たれるのね。これがミサイルが飛んでくるかもーみたいな話になるとロマンもくそもなく。
    で、最終的にはなんか戦国時代のゲームでもやってみたくなったりするという、そういう流れ。

  • ホントに頼りないトホホな殿様が、石田三成や大谷吉継が率いる大軍との絶望的な合戦を描いた歴史小説。
    殿様である主人公、家臣・農民達も、それぞれの際だつ個性で、ストーリーを引き立てている。少し切ないラストもいい。
    登場人物のほとんどが、歴史上の実在する人物なのだが、著者の発掘・構想能力には、驚きである。

    頼りないが故に、周りの人達が、助け、協力するという究極のリーダーシップを描いた小説でもあったと思う。
    先に映画を鑑賞していた私だが、十分堪能できた。

  • 面白かった!
    キャラ設定も最高。一人一人が生き生きと描かれている。
    なんといっても「のぼう様」。
    映画では野村萬斎が演じていたようだが、
    個人的には違うイメージ。
    「バカなんだけど愛される」人。
    ほっとけない感じの人って、時々いるよね。
    最後まで一気読みしました。

  • 久々に楽しい本に出会った。 でく「のぼう」将軍が、知将・石田三成に挑む。 この「のぼう」様、配下はもちろん農民にまで笑われるようなウツケモノ。だが、人を惹きつけ、離さない。 知将じゃない。勇猛果敢じゃない。ぼんくら。けれども器がでかい。 配下二千名が2万人の軍に挑む。天下の石田勢が小国の名もない武将に手を焼く姿は痛快の一言。登場人物一人一人が魅力的で、引き込まれた。最高のエンターテイメントでした。

  • 男と男との戦い、爽やかな読後、誰も死なずに、少年マンガみたいでした。
    史実に則っているのか、でも丹波始め成田家重臣たちの人物像は作者が多少作ってるのかな。盛り上がりにはやや欠けるかもだけど、とにかく人物が魅力的なので楽しかった。彼らの「その後」の記述には、この人間が確かに昔生きてたんだなあ…と溜息。坂東武者カッコイイ、丹波さまちょうカッコイイ、靱負が好き。長親は凄いやつというのは分かるけども、少し地味か?やはり底が見えない人ですね。石田三成は気高くて潔癖な子供って感じ。

  • 和田さんのデビュー作なんだそうで。
    『忍ぶの城』っていうタイトルを『のぼうの城』に変えて刊行されたみたいです。
    『のぼうの城』のほうがなんかいい感じですね。

    織田信長が本能寺で討たれてから8年後。
    秀吉の勢いはとどまるところを知らず、関東にもその勢力を着々と伸ばしていき、石田三成に武州の忍(おし)城をすりつぶせと命を出します。

    三成は秀吉からの絶大な信頼を得ながらも目立った武功がないため、福島正則や加藤清正と険悪な仲にある状況。
    このため秀吉は湖とその中にできた島々を要塞化した「浮き城」と呼ばれる城を三成に攻めさせて武勇を立てさせたいわけで。

    さて迎え討つほうの武州忍城にいる成田家といえば・・・北条方についているにも関わらず、当主は密かに関白方(豊臣のほうね)につくと密通をいれてきて
    いて・・・つまり忍城を攻めるのはまあデキレースってことで。
    三成の友人大谷吉継だけがこれを知ってるわけですが、三成のためにこのことを黙ってて。

    成田家の当主の従兄弟は成田長親(ながちか)というのですが・・・足軽や百姓たちからは『のぼう様』と呼ばれています。
    でくのぼう⇒「でく」を取って、「様」をつけて・・・「のぼう様」ってことでかなりバカにした呼び名なんですが、本人はそれでちゃんと返事してるし(笑)
    40過ぎで野良仕事が好きだけど下手すぎて手助けも嫌がられる始末だし、馬も槍も刀も全部ダメという何にもできない大男。

    坂東武者の端くれとしてせめて抵抗しようという長親の父が気概をみせたときもボンヤリしていた彼なのに、三成が彼らを怒らせて抵抗させるためにわざと無礼な使者を立ててきたところから彼の活躍が始まります。

    参考文献に「成田記」っていう記述があるので実話なんですよね、きっと。
    人はたった一つ自慢できるものがあったら、それを支えに生きていけるんだなあと思い、読後感が爽快になった一冊だった。

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