こうふく みどりの

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 1138
感想 : 180
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093862066

感想・レビュー・書評

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  • 緑ちゃんの関西弁に癒され、人に対する考え方に共感し、出てくる人のある意味前向きな生き方に感動し、アッという間に読み終わってしまいました。登場する人の人生が綾となり交差し最後に繋がっていき、納得します。人との係り方が不器用なみどりちゃん。とても愛おしくなりました。まったりした西さんの世界、ますます好きになりました。

  • 緑目線で書かれていて、商店街の張り紙や旗などの文字が、いきなり飛び込んできたりする。まちにはいろんな言葉が溢れている。猪木の「道」のところ、じんわりくる。H25.11.7読了

  • 急に、待とう、と思ったんです。
    人生は長い。
    お昼ごはんを、よう屋上に食べに来て、ぼっーと、空を見ていました。
    「大丈夫。」

  • 今まで読んだ西加奈子の本の中では一番好感が持てた。

    みどりちゃん、お母さん、おばあちゃん、藍ちゃん。

    おばあちゃんは黒いものを抱えているからこそ寛容なんだ。

    ただ猪木。政治家としての彼のイメージが良くないため、ちょっと微妙なキモチで読んだ。
    プロレスラーとして生きてほしかったな。

    あとなんていうか自分の中の爆発的な性を発見する事で従順な女性の心が解放されるみたいなのはもーやだなー。

    性イコール生きることだとは思うけど。

    まず男の性っていうのを真っ正面に抱えすぎな男たちがいるから、自分のが見えなくなってるものあるし、だめなひとを支えて待ってる愛がある自分が好きでそこに救われてて、旦那本人を見ていなかったっていうけど、旦那本人は果たして妻のことをちゃんと見ていたんだろうか?

    いるってことに確信を持って甘えてただけじゃねーっていう

  • 中学生のみどりと、その家族の話。
    いつでも中心にいたおばあちゃん、ふつうとちょっと違うお母さん、いとこの藍ちゃん(と、娘のもも。)。おばあちゃんの弟は殺された。おばあちゃんはとても悲しんでいたけれど、その犯人も悲しい人で、奥さんも悲しい人で…。
    そんなことは関係なくちょっとだけ気になる男の子が出来た。近所に引っ越してきた背の高い男の子。でも彼が好きなのは藍ちゃんで…という話。

    2つの話が交互に展開され、最後で繋がる。
    素敵なストーリーだった。
    人のもろさと儚さが怠惰な空気感の中でたゆたっている。のんびり、だらーんと痛切なものを突き付けられた感じ。

  • 藍ちゃん、そりゃないわーて叫びたくなった。
    なんでかわからないけど、読みながら頭に浮かぶのは、なぜか羽海野チカさんの絵。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    「お前んち、いっつもええ匂いするのう。」
    そう言った転校生のコジマケンが気になる緑は、まだ初恋を知らない十四歳。夫(おじいちゃん)が失踪中のおばあちゃん、妻子ある男性を愛し緑を出産したお母さん、バツイチ(予定)子持ちの藍ちゃん、藍ちゃんの愛娘、桃ちゃん。なぜかいつも人が集まる、女ばかりの辰巳一家。そして、その辰巳家に縁のある、謎の女性棟田さん。それぞれの“女”が人知れず抱える、過去と生き様とは―。二ヵ月連続リリース第一弾。大阪のとある街を舞台に、さまざまな形の“女のこうふく”を描いた、著者渾身の一作。


    幸せって本当に人それぞれ。

    主人公の緑は現実的でちょっと冷めてる女の子。
    父親は別の家庭があるからいないけど、毎月養育費を振り込んでくる。母親は働かずにずっと家にいる。祖母はちょっと不思議な力があって、家に訪ねてくるいろいろな人の話を聞いている。
    母の兄でケンカで亡くなったシゲオおじさんの娘で、離婚の成立してない料理上手な藍ちゃんとその娘の桃ちゃん。
    猫のカミさんとホトケサンに、犬のぽっくりさん。ネーミングはびっくりだけど可愛い☆

    友達の明日香、気になるコジマケン、棟田さん夫婦。
    みんな幸せになりたくて、でも時にはすごく残酷なできごとも起こる。
    なかなか読みごたえのあるお話でした。
    私も「大丈夫」ってゆってもらいたい。

    続編の「こうふく あかの」には、近所のアスコさんとヒーロー猪木が☆

  • あまり一般的でない家庭だけど
    風景がしっかり見えてくる。

    西さんらしいこうふく。

    かな。

  • あかを先に読んだけど、みどりの方がずっといい!最後まで読んで自分の中でやっとつながった。

  • ■ひさびさの西加奈子。中学生の友人や初恋、教室の感じがすごくまんまで。家の中の不思議な感じは西加奈子っぽいよね。

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

西加奈子の作品

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