津軽百年食堂

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著者 : 森沢明夫
  • 小学館 (2009年2月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093862455

津軽百年食堂の感想・レビュー・書評

  • 青森は弘前の「大森食堂」は創業百年目を迎える津軽そばの店。
    今は3代目の哲夫と妻の明子がその味を守ってる。
    妻が鰯の焼き干しで出汁をとり 夫が蕎麦をうつ。
    初代から変わらず受け継がれてきた伝統、というより日常。

    一方 息子の陽一は東京でピエロのバイトで生計を立てている。
    仕事先で出会ったカメラマンの卵の七海は同郷青森のりんご農家のひとり娘。
    陽一と七海の仕事や恋愛模様 郷里の家族への想い
    それらと交互に 初代の賢治とトヨのなれそめや蕎麦屋を始めるいきさつなどが綴られてます。
    明治から現代へ 1代目から4代目へ繋がっている家族の絆の物語。

    優しいお話です。嫌味がない。
    まさに あたたかいお蕎麦を食べてほっとする そんな感じ

  • 津軽蕎麦の店“大森食堂”は三代目の哲夫で百周年を迎える。そんな哲夫も還暦を過ぎた。東京で暮らす息子の陽一は漠然とした将来の不安にさいなまれていた。自分はこれから何をやって行くのか確固たるものが掴めない半面彼女の七海は夢に向かって突き進んでいる。陽一の焦りや葛藤などがリアルだった。そして代替わりしてゆく中でそれぞれ父と息子の心情は如何ばかりかと思いを馳せると不器用だけど深い愛情が上手く描かれていてじーんときた。陽一家族は本を交換して読んだり「ツイてる男」と言われてたり『ヒカルの卵』を思い出した(^-^)

  • 青森県では三世代、70年以上続いている大衆食堂を百年食堂と呼びます。
    この物語はそんな百年食堂を舞台にした優しくてあったかな人間ドラマの物語でした。

    森沢さんはこの物語を創るために実際の百年食堂を取材したときのエピソードがこのドラマの元になっているみたいです。

    生れつき右足の指がなくてとろくさいからとろ森と呼ばれた大森賢治。
    彼が露天の蕎麦屋を始めて乾物の行商をするトヨという娘と知り合って「トヨちゃんは俺が幸せにする」
    奥手な賢治がやっとの思いでトヨを口説いて二人で初代大森食堂を出店する第一章。
    第一章はそんな賢治のエピソード間に(四代目にあたる)大森陽一のお話が挟まれるという形で展開されます。

    故郷を遠く離れた東京で大学を卒業しながらピエロのバイトで明日の見えない毎日を送っていた陽一。
    そんなある日、バイト先でカメラマンのアシスタントをする七海と出会います。
    二人は同じ高校の先輩と後輩と判ってお互いに惹かれていきます。

    第二章からは陽一と七海のドラマが中心となっていきます。

    「僕はいつまでピエロのまんまなんだろう」
    食堂を継ぎたいそんなほのかな夢がありながら風船のお兄さん、ピエロを続ける陽一。
    師匠に認められてカメラマンへの夢を駆け上がっていく七海。

    五年振りに実家に帰った陽一は高校の卒業文集を見つけます。
    作文のタイトルは「夢は日本一の食堂」 食堂を継ぐことが自分の夢だったってことをあらためて心に深く刻みこむ。

    ちょっとうるっとさせられて心がほこっとするなかなかいい物語でした。

    でもなんか読み終わって惜しい!って思う気持ちもけっこう残ってたりして・・・

    『百年食堂』ってタイトルなんで陽一と七海の恋の話しばっかりじゃなくて破天荒な二代目とか食堂そのものの歴史の重みを感じさせてくれたらもっとよかったかなっとも思いました。

    文章も読みやすいんだけどなんか特徴がなくて平凡な感じでしたね。

    でもまぁ割と好みではあったかな。

    「男女が二人でいるときに、頭の上さ花びらが乗ると思いが叶うんだって」明治時代、トヨが賢治に言った言葉

    「男女が二人でいるときにね、どっちかの頭に花びらが乗ったら、その二人は幸せに結ばれるっていう噂」七海が陽一に言った言葉。

    百年の時を超えてトヨと七海の言葉が重なる。ベタだけどこういうのって好きです。

    桜の花びらが散る様子が浮かんでくるようです。

  • 過去と現代の話しが同時に進み、最初は登場人物の名前を見ても誰だったか認識出来ず困惑しましたが、読み進める内にホッコリ、暖かくなりました。

    2017.9.6 読了

  • 【あらすじ】
    百年の刻を超える「こころ」の物語
    ふるさと「弘前」を離れ、孤独な都会の底に沈みように暮らしていた陽一と七海。ふたりは運命に導かれるように出逢い、惹かれ合うが、やがて故郷の空へとそれぞれの切なる思いを募らせていく。一方、明治時代の津軽でひっそりと育まれた賢治とトヨの清らかな愛は、いつしか遠い未来に向けた無垢なる「憶い」へと昇華されていき……。桜の花びら舞う津軽の地で、百年の刻を超え、営々と受け継がれていく<心>が咲かせた、美しい奇跡と感動の人間物語。

    【感想】

  • 心がほっこりする優しい良いお話だったけど、後半ちょっと出来すぎかなぁ。
    少しだけ現実味がないというか、前半の上京して見えぬ未来と孤独を日々感じていたときから後半の一気にバラ色に展開にするところが、ちょっと失速かな。
    トヨさんや賢治の話が盛り込んであるから、もうちょっとそっちと絡ませてほしかったなー。

  • 初めは話がコロコロしたから、
    少し読みにくいと思ったけど、

    登場人物がハッキリする頃には
    話も統一されてどんどん読み進んでいった。

    陽一のその後がどうなるのかすごく気になる!

    お父さんの話もお祖父ちゃんの話も
    もっと聞きたい!

    ほっこり温かい本でした。

  • いや~、青森行く前に読んでいたら、絶対そば食べてたのに…。 森沢さん、いいですね。

  • この作家さんの作品はいつも間違いなくあったかい気持ちにさせてくれる。そして今回は世代を超えたラブストーリ。
    泥臭くても、かっこ悪くても、自分の人生をまっとうに歩んでいこうとそんなふうに思える。

  • 弘前で百年続く大森食堂の代表的なメニューは津軽蕎麦だった。
    出汁をひくのは代々妻の役割で、蕎麦を打つのは夫の仕事になっていた。
    伝統の味には、徹底的にこだわり抜いてきた。
    食べてくれたお客様が優しい気持ちになれる味ーー。
    それを傾注し続けてきた。
    三代目大森哲夫の願いは、今日もまた普通の一日でありますようにーー。
    何もない平凡な一日を淡々と過ごせることが、実はどれほど幸福でありがたいことであるかーー。

    息子の陽一は食堂を継ぐ為父が頭を下げ都内の中華料理店に就職するが、父親を馬鹿にする上司に反抗し半年で首になる……。
    今は、バルーンアートのピエロして生業としている。
    東京で孤独に暮らす陽一はふとした偶然から、同じ弘前出身のプロのカメラマンを目指す七海と出逢い、二人は惹かれあっていく。

    七海は師匠から独立を許され、夢に向かって一歩ずつ前進している。
    七海と比べると、自分は前進するどころか歩き出そうとすらしていなくて…。
    嫉妬・劣等感……二人の間に亀裂が生じる。
    そのまま、陽一は弘前城の跡地の公園で開かれる桜まつりに出店する実家の食堂を手伝う為弘前に帰省する。
    離れ離れになった二人は、弘前公園で偶然再会するのだが……。


    登場人物が、皆優しい人々で読み進むにつれ心が温かくなっていきました。
    家族への想い・恋人への想い・師匠と弟子の想い・友情…。
    お互いが互いをいつも気に掛けて、想い合っている。
    優しい気持ちが溢れている。
    何度も何度も涙が溢れました。

    世代を超えて繋がっていく、普通の日常が続く事の素晴らしさを改めて感じ
    『物事の終わりは必ず感謝で締めろ』その言葉にそう在りたいと思い
    読了後は、心が優しく温かくほっこりしました。
    そして、自分の亡くした大切な家族を想い少し哀しさがやって来ました

    読了後、改めて装丁を眺めていると、イラストがとても素敵
    とっても、幸せそうに微笑み暖かみや優しさがすごく伝わって来ます。
    物語そのものです。

  • 100年間の人々の生きざま、それが繋がって今の陽一がいる。

  •  津軽そば食堂を軸に過去と現代の人々が語り手になります。語り手が変わる話はちょっと苦手なのですが、うまく話が繋がっているので気になりませんでした。
     食堂と結婚、話がリンクしてそれぞれに山あり谷あり。ほっこりしたりハラハラしたり十分楽しめます。

  • 心がじわぁーと暖かくなる、そんな作品だった。百年続く青森の食堂を舞台にした作品。最後の章が一番良かったな。あの話とこの話がここでこうやって繋がってるのかって。創業者の意思は百年が経過しても脈々と受け継がれているのだなぁ。2012/576

  • 2015年3月31日

    装画/加藤美紀
    ブックデザイン/白谷敏夫(ノマド)

  • 穏やかで、温かい物語でした。祖父から父、子、孫へ・・・受け継がれていく食堂の物語。とはいえ、それぞれの登場人物のその時々の生活が中心で食堂そのものの事はそこまで詳細には触れられていませんでした。淡い恋心から始まり、回りの後押しがあり、そして今を築き未来へつなげていく。それは血の繋がりの有る無しに関わらず、もてる全てを七海に伝えようとした先生も同じでした。全ての終わりは感謝で締める。それが日々実践できれば世の中はもっと穏やかであるだろうに。少し切ないです。続きも一気に読もうと思います。

  • ほっこり。
    いい話だった。
    できれば続きが読みたいな。

  • 強制しなくても受け継がれるもの。
    素朴さのあまり、ホッこりせずにはいられません。

  • 2014年10月西宮図書館

  • 真面目な重い作品だと勝手に思っていたら、ほっこりするお話でした。

  • おじいちゃんがいるからお父さんがいる。だから自分がいる。そんな当たり前のことを、やわらかく教えてくれる一冊。読み終えて本を閉じて、表紙の女性が誰かを理解した瞬間にこみ上げたものが忘れられません。

  • 青森県弘前市に100年続く津軽蕎麦のお店、"大森食堂"を舞台にした物語。
    過去と現在が語り手を変えながら交錯して紡がれる。
    故郷を離れて奮闘する姿や、心の迷いや葛藤が丁寧に描かれています。
    初代の話が好きだなー。
    何もかも静かに受け止めてくれるようなお父さんの姿も良いです。
    親と子、友人、恋人、様々な関係の中で互いが思いやる優しさに溢れていて、読後感も良いです。
    津軽蕎麦、食べてみたくなりました。

    余談ですが、東京ってやっぱり冷たいと感じる方が多いのかな?と感じて寂しいですね。
    私にとっては東京がふるさとだから。

  • 物語の中の風景を思い浮かべ、
    心のきれいな人たちが傍にいるような気配を感じながら
    やさしい気持ちになる言葉にあふれていました
    母が足に障害を持った息子に言う言葉
    大切な人が離れていってしまう時に感じるどうしようもない刹那
    思いがけず言ってしまい後悔し悲しい親への心ない言動
    幼なじみと
    「あーあ、なんだか不思議だよね。思い出って。楽しかったことも、
    切なかったことも、死ぬほど悲しいって思っていたことも、
    結局はみんなまとめて笑えるネタになるなんて」
    そんな会話ができる関係を築いてきた人たち
    きれいな小説だなぁと思いました

  • 地元愛と親コンプレックスがぐちゃぐちゃする話。
    地元からの上京組の孤独、罪悪感、愛。
    安心したいけど、安心できなくて辛いなあ。
    故郷が物理的に遠いことが悲しい。
    愛情が枷となるんだよね
    どこでもドアがほしいなあ。

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津軽百年食堂の作品紹介

ふるさと「弘前」を離れ、孤独な都会の底に沈むように暮らしていた陽一と七海。ふたりは運命に導かれるように出逢い、惹かれ合うが、やがて故郷の空へとそれぞれの切なる憶いをつのらせていく。一方、明治時代の津軽でひっそりと育まれた、賢治とトヨの清らかな恋は、いつしか遠い未来に向けた無垢なる「憶い」へと昇華されていき…。桜の花びら舞う津軽の地で、百年の刻を超え、永々と受け継がれていく"心"が咲かせた、美しい奇跡と感動の人間物語。

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