- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093862554
感想・レビュー・書評
-
よくわからない…
私の想像力だけでは、どうも読み切れないらしい…
やっぱり、森絵吐さんは好きだなぁ
西加奈子さんも読みやすかった詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東と西をテーマに、それぞれの作家が書きおろした短編集。いろんなテイストが混じっていて贅沢な感じ。一番はじめの、いしいしんじの小説が突拍子なさすぎて読みづらいけど、あとは面白かった。ただ、わかりやすいハッピーエンドがない。
-
Tの言葉以外は風の音にしか聞こえないオレが
体が半分になっても土方の仕事を続ける「T」/いしいしんじ
定職には着かず実家暮らしの幼なじみの女子3人が
ちょっとお出かけしたり旅行したり「猿に会う」/西加奈子
一万五十年の寿命を全うして極楽に向かうべく川を流れたQが
発電刑務所にたどり着く「極楽」/栗田有起
デザイン事務所の雑用仲間の後輩から誘われて
土日だけインクを作る「赤、青、王子」/池田進吾
酒問屋の若旦那である進兵衛が女郎の清鶴のところで
大晦日の紙入れをなくし2人がすれ違う「すみだ川」/藤谷治
左右対称の呪縛から逃れるべく女優となり
非左右対称の芸名で活動する女の独白「東の果つるところ」/森絵都
装丁・装画・編集:池田進吾(67)
現代純文学の書き下ろしアンソロジー。池田進吾さんが試みた企画のようです。
「東の果つるところ」が一番好きです。こういう文字へのこだわりに魅かれる。
反発するうちはまだ捕らわれているという大叔母の台詞にはっとしました。
あとは「すみだ川」のかみ合わなさがじれったくも面白い。
自分はやっぱりわかりやすい話が好きなんだなぁ。
「赤、青、王子」を読んで堀江さんを思い出したのは王子だからか? -
お、装丁が結構好きというところから入って、
あらあらいしいしんじがいるやん、ということで読んだ。
そしたら、まぁいろいろだった。
いしいしんじ「T」
「ココといってそこだけジグソーパズルみたいに取り外しのきく土地なんてこの世のどこにもないよ」
という文章があってとても印象的。
あぁ繋がっている。地図上ではさージグソーパズルみたいだけど。
全然、そんなことないんだよね、って、気づく。
西加奈子「猿に会う」
よくわかんない。関西弁はわりとよい。
だけど、物語として、ほっとしたのかぞっとしたのか、
自分でよくわかってないのですごく微妙。ちょっと苦手。
栗田有起「極楽」
河童のわりとゆるい話かと思ったらそうじゃなくて悲しくなった。
池田進吾「赤、青、王子」
不思議な話。こういうところで色をかき混ぜていると、
そこに溶けたくなってしまいそう。
藤谷治「すみだ川」
落語を意識したんやろうなーって感じ。
読み易いけど、好きではない。
森絵都「東の果つるところ」
この作家さんの書く物語について、
私はいまだに距離の取り方がわからない。
うーん。家族の話。 -
河童の話おもろかった!落語みたいな話もおもろかった!西加奈子はやっぱおもろい!
-
『日本には、まだ小説がある』という大上段に振りかぶった副題と豪華な執筆陣。池田進吾さんだけは知らなかったけど、それもそのはず、小説初作品ですと。しかも彼こそが装幀家なのにこの本を企画して編集しちゃったっていうマルチな才能をお持ちの注目株らしい。いしいしんじの改行のほとんどない独特のぶっ飛んだ世界はついていけないんだけど、なぜか残る。栗田有起、池田進吾両作品は、いしいしんじの不思議な世界のもうちょっとこちら側って感じ。つまりかなり変わったお話。西加奈子のホンワカ三人組の話と、藤谷治の落語のような時代物が読ませる。さすがに変わった話が続くと普通の話にすごくホッとしたりして。森絵都「東の果つるところ」は、本の雑誌3月号でアライユキコ氏が『怪作』と評していたけど、『森さん、どうしちゃったの?何かいやなことでもあった?』とききたくなる。
-
日本、を舞台にしたアンソロジー。
ちょっと変わった作品世界を構築するのが得意な作家が名を連ね、日本が舞台であるのに日本ではないような(松本や京都という地名が奇妙なアイコンになって世界がねじれ変容するいしいしんじの「T」や、一万五十年生きて極楽に向かうQを追ったシュールな栗田有起の「極楽」など)独特の短編が収録されている。
ちょっとクセの強い作品が多いけれど、好きだな、と思った。
こういうヘンさって、たぶん小説でしか表現できない。