ぴしゃんちゃん

著者 :
  • 小学館
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093862561

作品紹介・あらすじ

ぼくは、町はずれの借家で、薬草を売りながらその日暮らしをしている。ある日、庭の葉っぱの上に現れた水しずくを、ぼくはぴしゃんちゃんと名付けた。人々のなかで上手に生きられないぼくと、水しずくらしく蒸発したくてもできないらしいぴしゃんちゃんは、似た者どうしだった。ぴしゃんちゃんとぼくは、次第に仲良くなっていく。お互いの事情もわかってきて…。小生意気な「水しずく」と不器用な「ぼく」似た者どうしがせつなく心を通わせる魂の物語。

感想・レビュー・書評

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  • ジョーハツさんこと僕は薬草とりになって、池のような水たまりのある一軒家に住む。そして、しずくのぴしゃんちゃんと出会う。おとぎ話のような物語。絵もきれいです。

  • こどもの頃から「あれ」が怖くてたまらなかった少年が、水はけの悪い借家に住み始め、ぴしゃんちゃんに出会った。
    ぴしゃんちゃんは、しずく。

    今まで、現実に嫌気がさした時にはいつも逃げてきた「ジョーハツ」と呼ばれていた青年は、むじゃきなぴしゃんちゃんのおしゃべりに付き合わされて、次第に癒されてゆく。

    挿し絵がカラーで、綺麗です。

  • 自分だったらぴしゃんちゃんとどんな毎日を過ごすかなぁ。
    そんな想像をしながら読みました。
    水滴を見る目がかわっちゃいました。

  • 誰かに何かを期待されると、つい逃げ出してしまう「ジョーハツ」男のもとに、愛らしい「雫」のぴしゃんちゃんがやってきた。
    駄々っ子のようでおしゃまで憎めないこのちょっと変わった雫は、人間の言葉をしゃべり、理解する。
    薬草売りとして大きな水溜りのある庭がある安普請の借家にひとり住まいをしていた「ジョーハツ」は、ぴしゃんちゃんとのやりとりを通して、自分が今まで逃げ出してきたものと向き合う機会を得る。
    小生意気で可愛らしいぴしゃんちゃんと男のやり取りは、江國香織の『ぼくの小鳥ちゃん』を髣髴とさせる。
    ちょっと不思議な、ささやかな恋物語のような童話だ。

  • 野呂邦暢さんの本を借りに図書館に行って、
    隣の棚に見つけた一冊。
    そうそう、こないだ久しぶりに会った友人に
    甚く勧められたんだっけな…

    彼女の言う通り、可愛いイラストに
    静かでファンタジックな内容の一冊でした。
    小一時間ほどで読めてしまうのも
    諄さが無くて好感が持てます。
    ニヒルなフンコロガシさんが大好きです。

    この手のファーストコンタクト?モノは
    ちょっと多すぎるくらいですが、
    何を読んでも大体楽しめる作りで好きです。

  •  読み出す前に、ペラペラペラ〜っとめくって、主人公の「ぼく」は幼稚園か小学生くらいの男の子だろう。そうの男の子と、雫の子とのおはなしだろう〜♪ と思って読み出してしまったので、「ぼく」が男の子じゃなくてある程度の男性だという事実になかなか付いていけず…笑 最後まで物語の中にうまく入っていけず、ダラダラと読んでしまいました。

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著者プロフィール

作家、イラストレーター。ニューヨーク在住。98年「パンの鳴る海、緋の舞う空」で小説すばる新人賞受賞。主な著書に『フラグラーの海上鉄道』『宇宙でいちばんあかるい屋根』『カチューシャ』『世界のはてのレゲエ・バー』『おどりば金魚』『チェリー』『犬のうなじ』『ぴしゃんちゃん』『鴨とぶ空の、プレスリー』『海鳴屋楽団、空をいく』『つまのつもり』など。

「2016年 『虹の巣 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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