凍原

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著者 : 桜木紫乃
  • 小学館 (2009年10月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093862646

凍原の感想・レビュー・書評

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  • 釧路で起こった現代の殺人事件を追う女刑事と、終戦時に樺太から必死の思いをして本土に渡った女性、2つの視点で物語が交互に描かれていく。

    北の寒村が舞台というのは作者の代名詞にもなっていて、そこには幸せとはほど遠い女性が似合う。本作にも、感情を鈍らせることでしか生き延びることのできないような環境に置かれた女性たちが登場する。ミステリーとしてはやや遜色はあるものの、女性の生きざまという点ではやはりうまいと感じた。
    湿原にぽっかりと空いた谷地眼が印象的で、妙に恐ろしかった。

    すでに文庫化していて、それには出版社の都合だろうけれど安易なサブタイトルがついているようで。本書は図書館で借りたが、もし何とかサスペンスのようなサブタイトルの文庫を書店で見かけたら、手を伸ばすのを躊躇したかもね。

  • 幼少時に釧路湿原で失踪した弟を持つ女刑事が追う、青い瞳の日本人青年の殺害事件、そして終戦間際の樺太から留萌、札幌を経て現在の釧路に至る女性たちが綾なす物語。
    ミステリーのようでいて、実際には謎はそれぞれの登場人物をより深く描くための道具にすぎないという気さえする。感想を言葉にする以前にあらすじを書くことさえも難しいものの、読み進めることが快という意味では疑いなく良い読書体験だった。
    『ラブレス』を読んでから遡ること数作、敢えてぽつぽつと既作を追い、新刊を待ちわびる辛さからは逃れたい作家の一人となった。

  • 2016_11_17-0117

  • 2016.10.27読了

  • 2016.2.18

  • 弟が釧路湿原で行方不明になった。湿原に呑まれて死んだと思われた。
    年が流れ、姉は刑事となり釧路に着任。湿原で発見された青い目の男の他殺事件を担当することになる。
    物語は遡って、終戦時の樺太からの引き揚げの場面に移る。母も妹も失ったキクは従兄に犯されるが、その従兄に促され引き揚げ船に乗る事にする。
    過去と現在が交錯しながら話は進む。
    姉である刑事は、自分が暮らしているのは濁って陽の光の届かない水の中だと思っている。この物語の文体も鬱鬱とした印象ではある。

  • 2015.02.12
    期待を持って読み始めたけど、何だか先に進むのが楽しみでない感じになってやめようかな、と。でもこうやって書き始めると、やっぱり手に取って選んだ縁ある本なのだから読んでみるかと•••。

  • 圧倒的存在感を放つ・キクを軸にしながらも、美しい草花の裏に見え隠れる毒草の陰。章が進むごとに各キャストの生い立ち・生きざまも重みが増し、見事に核心に迫っていく。現在も変わらぬ釧路湿原の風、流れ込む冷たい水が冒頭から一貫し、もの暗さの大きなベールで包む。捜査、人間臭さ、道北の歴史など深みのバランスがとれた良作♪。

  • 文庫化に当たってはサブタイトルがついたようで、そちらはもうタイトルから「警察ミステリーだな」とわかる感じですが、こちらは開いてみるまではわからぬ感じでなかなかいいです。
    装丁も、そしてこのタイトルも読後にしみじみと染みます。

    なかなか構成も考えられているし、下調べなどにも大変な労力を費やしたのだろうなと感じますが、あそこであの人があれを使って殺害を実行するのは無理があるのではと個人的には感じました。ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんがそこに関しては突っ込みたいことが満載です。

    しかし、いまや直木賞作家となった著者の過渡期の作品とみれば、官能作家といわれたその部分と、そことは違う路線を開きたい著者の本心との折り合いを模索するべく野心的に書かれた作品なのではないかと見ることも出来そうです。
    そのような見方からこの作品を読むならば一段と興味深く読めるような気がします。

  • 暗重な雰囲気がつきまとってるけど、面白かった。

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凍原の作品紹介

湿地に足を取られて死んだ者は、土に還ることも出来ず、永遠に水の中を彷徨っている。釧路湿原で発見されたサラリーマンの他殺死体。被害者が開けてしまったのは、64年も前に封印されたパンドラの箱だった。

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