エゴイスト

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著者 : 浅田マコト
  • 小学館 (2010年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093862837

エゴイストの感想・レビュー・書評

  • タイトルが秀逸。
    自分がしたいからしているだけ、エゴなんだと。
    浩輔のしていることは無償の愛だと思う。
    それは、他人がいうことで、
    自分ではエゴと言っているところが、いいんだよな。
    見返りなんて求めてない。
    そうしたいから、しているだけ。
    愛なんだけどね。それって。
    でも、自分で言っちゃうのってこそばゆいよね。

    自らの行為を無償の愛、
    なんておめでたいこと言っちゃう人は
    本当は見返りを求めてるんだよなぁ。

    家族ってなんだろう。
    血のつながり?
    契約上のつながり?
    おひとりさまが増えている今、
    性的関係はなくても、
    人間として、パートナーとして、
    同性の友人を“伴侶”とすることも、
    アリなんじゃないかなぁと
    ふっと思った。
    新しい家族のあり方。

    切ないけれど、心が温かくなる。

  • 片親の人間は往々にして片親のキャラクターが出てくる小説をどこか冷めた目で読みがちだと思うのだけれど(わたしがそうです)自然に涙が出たのは初めて。実感のこもりすぎた文章はちっとも押しつけがましくなく、絶えず淡々と自分を窘めているような印象さえ受ける。
    とりたてて劇的な筋立てでもなく表現過剰でもないのにとことん感情が揺さぶられる。流れるようにすこしずつ、けれどたしかに深化していく関係のすべてがやさしくうつくしい。「新しい関係」はけっして「作り事」なんかじゃない。愛がわからなくたってひとを大事だと思うことはできるのだから、それをエゴだと自嘲しながらもそうやって生きればいい。
    哀切に透き通ったしなやかさ。死別を幼い頃に経験したからこそそこに引きずられてしまうやるせなさ。それからの生き方に影響する喪失感。作者さんがどれだけの痛みと向き合いながらこれを書いたのかと考えてしまう。
    こういう類の話を嘲笑しがちなひとほど刺さるであろう、驚くほど端正に書かれた小説だと思います。
    作者さんはきっと世界や孤独というものに対して真摯に生きざるを得ないひとなのだと思う。どこかしらエゴイスティックでなければほんとうのコミュニケーションなんてとれないのかもしれないね。いい小説。

  • 心持っていかれた一冊。本当に読むのが辛かった。家族に「そんなに泣くなら読むのやめたらいいのに」と言われましたがあっという間に読了!(笑)
    愛って何?家族って何?って考えてしまいました。

  • 4ヶ所でうっ・・・と、泣く。

    相手を大事に思う気持ちは本当で
    大事な人のために何かしたい、と真剣に考え、行動することも
    親身になってどうすればいいのかを一緒に考えることも善いことだと思う。

    でもそこに投影しちゃ、いけないんだ。

    かつての自分が出来なかったことを
    誰かに達成してもらうことで、
    それをフォローすることで、自分がさも達成したかのように、勘違いしちゃ。

    同じようなこともまったく同じなわけがない。

    ……とか、考えがとまらなくなって
    読んでいてせつなく、悲しくなりました。

    ナイフだなあ、この本、この内容。

  • 意外性はあるが何も感じられなかった。

  • 同性愛と母への愛を利己的な感情にながされながらも 抗う二人の男性の哀しい物語。号泣しそうな場面は多々あるのに涙せず不完全燃焼。むーん。

  • ゲイの主人公が中学で母親を亡くし、故郷を出て一人の男性と出会う。彼も病気の母親を持ち、生活費を稼ぐために身を売る日々。惹かれあって、仕事を辞めさせるために代わりに毎月お金を払って、相手の母親と会うようになって・・・。

    うーん、すべてが中途半端。行間が恐ろしく広いし、内容も考えるともっと薄くていい本かも。
    なんかお金の臭いしか残らなかったような。

  • 14歳で母を亡くした主人公が、
    鬱屈した少年時代を何とか生き延びて、
    上京して30半ばにさしかかったところで、
    癌に侵された母親のために働く男と出会う。

    龍太が出てくるまでの書き方がジメジメしていたので、
    もっと身も心も削りあうような激情とか、
    もしくはもっと傲慢さや卑屈さを全面に押し出した愛憎劇になるかと思いきや、

    悲しくてやさしい話だった。

    大事なひとを亡くしてしまう話には、
    否応なく泣かされます。

    過去形で話すから何かしら予想はしていたが、
    唐突すぎてちょっと呆然としてしまった……

    愛とか母親観とかにはいまいち共感できなかったけど、
    思いやりを積もらせ合う関係は、
    素直にいいなあとしみじみ思いましたよ。

  • amazonからお昼に届いて、 帰りの電車で読み始め
    帰宅してシャワーを浴びて、お食事して、 読み終わるまで寝られなかった。
    一気読み。 涙がポロポロとこぼれた。

    エゴイスト【egoist】
    1 .利己的な人。利己主義者。
    2 .エゴイズム2を信奉する人。主我主義者。唯我(ゆいが)論者。独我論者。 最初、題名の意図がわからなかったけど、
    読み進むうちにわかった。 エゴイストなのだろうか?
    誰だってエゴイストだ、 でも、多くの人はそんな疑問を持たないだけ。

    ワタシは同性愛もひとつの形だと思うし、
    避難される事ではないと思っていけど、
    まだ、当人達が公にできるような事ではないのが事実。
    主人公の浩輔が母にたいしてだけは「ごめん、ごめん」というのも心に残る。

  • どうにもスッキリしない。
    母親に対する思いや2人の恋愛感情は本物というかとても純粋なものだと思います。
    でも、どうも腑に落ちない。
    なんだかちょっと詰め込みすぎな印象が・・・。

    浩輔と龍太は共に男である必要があったのでしょうか。
    ゲイに対して偏見を持っているわけではないです。
    そういう恋愛があっても良いと思います。
    ただ、その設定を今作に持ち込む必要があったのでしょうか。

    男女の恋愛設定だったら、ところどころで話が繋がらなくなってしまうのかもしれません。
    ”エゴイスト”というタイトルには、ゲイという設定の方が効果的なのかもしれません。
    でも、色々な思いや事柄が交錯していてまとまりのない印象です。

    このように感じるのは、まだまだ私が若輩者だからでしょうか。。。

    ------
     2011/1/18
     幼い頃によく通った町の小さな本屋さんにて購入。
     (旦那の手帳購入が本来の目的)

  • そういう展開か・・・どうして?
    涙をこらえて最後まで読んだ

  • 作品のタイトルがまたなんとも言えない。

    人間はみなエゴイストなんだと思う。
    それを他の人間がどう受け取るか。
    それによって全然違ってくる。

    ツラく、幸せなお話でした。


    ☆あらすじ☆
    浩輔と龍太、龍太と母―全霊を捧げる一途な愛、それは自らの救いのためだったのか?果たせなかった母への想いを投影した偽りのない行動がどれほど相手を追いつめていたことか…。懊悩と諦念…贖罪の果てに枯れ果てる感情の吐露。歪んだ愛、そして捩れた運命…。儚い生と確かな死、その鮮かな交錯の物語。

  • カテゴリは恋愛と家族。

    大切な母親を幼い頃に亡くした浩輔。
    今も生きる、か弱き母親を懸命に支える龍太。
    二人は出逢い、共に生きることを誓う。

    「愛」をどう伝えたらいいのかわからない浩輔。
    龍太と、龍太の大切な母にその思いが伝わった時・・・
    龍太は永遠に浩輔の前から去った。
    自分を責め続ける浩輔に、龍太の母は変わることなく
    優しく愛を諭してくれた。

    浩輔は単なる「エゴイスト」なのか?

    男も、女も、性も、年齢も、超えて。
    「愛する」とは深い・・・。
    なんだか、とても美しいと思える作品でした。

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エゴイストの作品紹介

浩輔と龍太、龍太と母-全霊を捧げる一途な愛、それは自らの救いのためだったのか?果たせなかった母への想いを投影した偽りのない行動がどれほど相手を追いつめていたことか…。懊悩と諦念…贖罪の果てに枯れ果てる感情の吐露。歪んだ愛、そして捩れた運命…。儚い生と確かな死、その鮮かな交錯の物語。

エゴイストはこんな本です

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