神様のカルテ (2)

著者 :
  • 小学館
4.30
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本棚登録 : 6728
感想 : 1073
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093862868

作品紹介・あらすじ

信州にある「24時間、365日対応」の病院では、今日も奇蹟が起きる。「一止とハルさん」の新たな物語。

感想・レビュー・書評

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  • 栗原一止が勤める本庄病院に、学生時代共に過ごした友人 進藤辰也が赴任してきた。成績優秀、志高く常に仕事に真摯だったはずの彼は、患者を放って早々帰宅するドライな医師になっていて…

    「良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬である」かつてこの言葉を胸に刻み合った友人の変貌に驚き、原因を探ろうとする一止ですが…

    モンスターペーシェントなど患者側の問題や、人手不足による過労…医師の労働事情は現在でもあまり改善されていないし、ハードワークの科では他科に比べ、10年も寿命が短いという説もあります。「医者の不養生」の言葉通り、40代の働き盛りに亡くなった方もいます。

    真摯に仕事に打ち込むほど、家庭を顧みることも難しく、自身の健康すら損ねてしまう現実。

    共に長い時を過ごした夫婦のあたたかな最期の時間、大切な人を亡くす堪え難い寂しさ。

    それでも夫婦っていいなぁ、家族はあたたかいな…
    泣いてしまいました。

  • 4.6
    面白かった。
    古狐先生が亡くなってしまった、
    一止とハルを見てると泣けてきました。
    進ちゃんの子どもも可愛い!
    事務長に啖呵を切る一止がカッコいい。
    変人だけど愛せるキャラです笑笑

  • 長野県の忙しい市中病院でのお話。
    病院の現状を表しながら、その中でのドラマ。
    帯の「医師の話をしているのではない。人間の話をしているのだ。」が一番心に残るセンテンスでした。
    最後は涙、涙です。

  • 『この町に誰もがいつでも診てもらえる病院を』
    大狸先生こと部長先生の志が生きた本庄病院
    その理想を実現すべく支える古狐先生こと内藤鴨一 

    30年間昼夜分かたず患者のために奮闘した古狐先生が病に倒れる
    一止先生の学友、進藤辰也も本庄病院の医師の一員として加わるが、前評判や一止の知る進藤とは随分かけ離れた勤務ぶり

    今回のテーマは、「医師である前に人間です』の一言に尽きると思う
    医師と言えども、体調を崩し病気になる
    医師と言えども、家庭を築き、守るべき家族がいる
    医師だからと言って、それらの全てを犠牲にして患者をみなければいけないのだろうか

    医師である前に人間であることが、医療体制や勤務体制で証明でき保障されたらいいのになと心底思う
    それが患者に充分な医療を保障することにもつながるのだから

    70年間連れ添った妻トヨが静かに息を引き取った傍らで木曽節を歌う95歳のマゴさん
    夜の病棟に流れる歌声にしばし耳を傾けている看護師や入院患者
    悲しい、寂しいけれど、静かで尊く温かな光景であろうかと目頭が熱くなった

    そして、さらに残された時間が少なくなった古狐先生と千代夫人のために病院スタッフが計画したプレゼントとは! 涙なしでは読めなかった

    折々の信州北アルプスを一望する風景描写や松本城周辺の描写も美しい

    『良心に恥じぬということだけが、確かな報酬』
    セオドア・ソレンソン

  • 医師としてではなく、人間として…というのが、(2)のテーマなのかなと思った。
    人間として関わった人の死は、やはり辛い。
    でも、辛さの中に温かさが感じられるのが、このシリーズの良さだと改めて感じた。

  • とても読みやすい本で、一気に読みました。
    私個人としては1巻よりもこちらの方が好き。
    人として「どう生きるか」というのと同じぐらい「どう死ぬか」ということも大事なこと。そんなことを静かにじんわりと感じながら読める本でした。


  • 「人は必ず死ぬ」
    「死ぬということは、大切な人と別れるということ。」
    「生まれた以上、死ぬのが理である。何かを受け取り、次へとつないでいくのが人。」

    古狐先生がいなくなってしまった事を一日中引き摺ってしまった。寂しい。
    大切な人がそばにいるという幸せ。

  • 1も読んだが、断然2のほうがいい。

    亡くなった奥さんに木曾節を謡うところや、古狐先生と千代夫人の話など、泣けて泣けて仕方なかった。
    ただ、奥さんのトヨさんが亡くなった2時間後にご主人のマゴさんも亡くなってしまうーというのは、ありえないことではないがちょっとやりすぎかな…とは思った。

  • 夢中で読み進めても、読み終わったあとには、何も残らないことがある。
    むしろ大抵の場合は、何も残らない。
    面白い話と思った話は、あとになっても粗筋が輪郭として残ることがある。ただ、そういう本を再び読み返したいと思うことはない。

    時々、話の内容は忘れてしまっても、そのときの感情の揺れが記憶として残ることがある。そんな本は、またいつか手に取りたいと思う。

    この本は、そういう類の本だと思う。

  • 2015年4月頃、読了。

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著者プロフィール

1978年大阪府生まれ。信州大学医学部卒業。長野県にて地域医療に従事。2009年『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同作は10年に本屋大賞第2位となり、11年には映画化もされた。著書に『神様のカルテ2』『神様のカルテ3』『神様のカルテ0』『新章 神様のカルテ』『本を守ろうとする猫の話』『始まりの木』『臨床の砦』『レッドゾーン』など。

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