せきれい荘のタマル

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 317
感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093862974

感想・レビュー・書評

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  •  本書を読み始めたきっかけはシチュエーション。浅川、高幡不動、聖跡
    桜ヶ丘に京王線、多摩都市モノレール、秋川でのバーベキューなど完全
    に地元です。

     越谷オサムさんの本は、陽だまりの彼女に続いて2作目。東京郊外の
    大学に入学した石黒寿史と同郷の法村珠美(のりたま)。 寿史は珠美
    への想いに同じ映画研究部に入るも、そこには単純、一直線、周囲の迷
    惑も省みず、おせっかいな親切のシャワーを浴びせかける先輩のタマル
    が……。3人を中心にドタバタの青春活劇が展開していきます。

     浅川のサイクリングロードを、無駄に元気よく走るタマル君の姿が目に
    浮かびます。郊外の緑豊かなところで野鳥もたくさん、シロサギやらカワ
    セミ、もちろんセキレイもいます。本当に気持ちの良いところですよ。

     高幡不動なら門前の饅頭屋さんを出していただきたかったので★1つ
    減点(smile)。

    • 3niyanさん
      ふむふむ、やっぱり越谷オサムさんらしい青春活劇なんですね♪
      にゃんも早く買おうっと...
      (モノクロ)
      ふむふむ、やっぱり越谷オサムさんらしい青春活劇なんですね♪
      にゃんも早く買おうっと...
      (モノクロ)
      2014/01/12
    • 8minaさん
      3niyanさん
      コメントありがとうございます。
      そうです、青春ドタバタ活劇でした。
      越谷さんのお話しは、陽だまりの彼女、がとても気に...
      3niyanさん
      コメントありがとうございます。
      そうです、青春ドタバタ活劇でした。
      越谷さんのお話しは、陽だまりの彼女、がとても気に入っています(猫好き)。
      モノクロさん(美猫?)ですね。我家にいた彼氏はモノクロですが、マスクではなく、おにぎりの海苔状態でした。
      2014/01/12
    • 3niyanさん
      陽だまり彼女はやっぱり一番でにゃん♪
      金曜日のバカはお腹抱えて笑ったにゃん
      空色メモリも青春だにゃん
      にやん的には、いとみち3が出るの...
      陽だまり彼女はやっぱり一番でにゃん♪
      金曜日のバカはお腹抱えて笑ったにゃん
      空色メモリも青春だにゃん
      にやん的には、いとみち3が出るのをクビをながーくして待ってるにゃん
      (モノクロ)
      2014/01/12
  • 冒頭───

    「おはよう! 元気?」
    笑顔の中に大きな犬歯を光らせてタマルが片手を挙げた。
    石黒寿史はあくびを噛み殺し、今にも閉じそうな目で相手の格好を眺めた。高校の体育の授業で着るような、水色のジャージの上下を身に着けている。実際、母校のものなのかもしれない。
    こうして玄関の上がり框に立って大学の上級生と向かい合っているのが現実なのか、それとも夢の続きなのか、いまひとつはっきりとしない。しつこいノックに苛まれて布団から這い出した覚えがあるにはあるので、たぶん現実なのだろう。
    「どうも、おはようございます」
    寝起きのかすれ声で挨拶する。下げた頭の芯が揺れるような感じがするのは、ゆうべ隣室で飲まされた日本酒のせいだろう。

    越谷オサム三作目(読むのが)。2011年1月初版。
    静岡から東京の大学に進学してきた石黒寿史は映画研究部に入部し、部の先輩である新潟出身の田丸大介と同じ『せきれい荘』に住むことになった。
    同郷で同じ部に所属する法村珠美に秘かな恋心を持つ寿史だが、なかなか事はうまくはこばない。
    常にマイペースのタマルに振り回される寿史の毎日。
    そのうえ、部室から8ミリカメラが紛失したり、怪しいサークルに勧誘されそうになったりとアクシデントが寿史に降りかかる。

    『階段途中のビッグ・ノイズ』がすごく良かったので、この青春物も読んでみたのだが、これは今一つだったかな。
    どたばたの面白青春物とでもいうべきか、テレビドラマかマンガのような作品だった。
    ちょっと底が浅すぎる。
    越谷オサムは、私にとって当たり外れがありそうだな。

  • 相変わらず越谷さんの書く「ちょっとイケてないカッコイイオトコの子」を書かせると天下一品だなー。全く無意識に周りをかき回す天然迷惑オトコだけど、ここまでまっすぐだといっそ清々しい。学生時代が懐かしい。タマルと一緒にわいわいやりたいなー。

  • 越谷オサムらしいスピードとエナジーあふれる青春小説。

    ちょっとイケてない男子たちが、あの頃特有の思いと悩みを抱えつつ、エネルギー持て余して動き回る…そんな話はこの作家が一番活きるフィールドやなぁと、つくづく思う。

    主人公の隣に住むタマル先輩のおせっかい焼きっぷりと善意の押し付け空回り描写。彼の善意の源と、後半出てくる新興宗教の、他意があふれまくる偽善。「善行」に対するこの対比が面白い。タマルの善意は天然…かと思いきや、新興宗教との対立の中で明かされるその理由。

    エエ人とはなんなのか?人生経験が浅いと…いや、それなりに経験踏んでも分からへんねんな。善意のベールに隠された悪意とか、一見冷たく見える優しさとか、計算なのか素なのかとか。

    もっともメインテーマじゃなく、下宿暮らし大学生のドタバタ日常を、スピードに乗ってギュンギュン読む娯楽小説。「あぁ、懐かしい、あぁ、おもろかった」を満喫できる。

    余談だが、小道具として有効に使われるAC/DCの「TNT」が個人的にはすごく良かった。越谷さんの音楽チョイスは俺の趣味にバッチりはまる

  • 隣に住む豪快で超ウルトラお節介なタマル先輩との映画サークル大学生活。青春モノ。読みやすくて帰省中の電車の中で一気に読んでしまった。

  • いつもの越谷オサムさんでした。
    バタバタ話は進み、所々でほんわかして、グッときて、最後に幸せな気分にしてくれる。
    悪人のことはあまり書かず、良い人たちばかりが動き回る。

  • こんな先輩いる。
    この作者の話は音楽絡みの方が好き。

  • 著者作品の中では全体的にキャラの印象が薄めな感じがしたこともあり★4つにしてしまいましたが。

    傍からはバカって見えるくらいに正直で真っ直ぐってのは、憧れの生き方の1つなんだろうね。読んだことのあるそういうストーリーの幾つかが、読み進める中で頭に浮かんできました。

    ビルドアップ走のようなテンポアップに、今日はこのへんまでと決めていたのに思わず一気読みでした。

  • 舞台は(都内ではあるが)郊外の私立大学。
    いい奴だけど、どうもおせっかいが過ぎる男子大学生・タマルと、タマルに毎度振り回される後輩・寿史が繰り広げるなかなか熱くるしい、ドタバタ学園コメディー。

  • どたばた青春小説。
    楽しかった。
    大学時代を思い出す。
    身近にいたら大変だが、読む分にはタマルは面白い人。メカ好きののりたまや、ダブル鈴木など、周りも楽しい。
    学生時代を思い出す。タマルの全力疾走の理由にはぐっときた。
    個人的には、大学の設定がツボ。
    地理その他の条件が、うちの大学としか思えない。

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著者プロフィール

1971年東京生まれ。2004年、『ボーナス・トラック』で第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、デビュー。著書に『階段途中のビッグ・ノイズ』『いとみち』『陽だまりの彼女』等がある。

「2021年 『まれびとパレード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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