マンゴスチンの恋人

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著者 : 遠野りりこ
  • 小学館 (2011年8月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863087

マンゴスチンの恋人の感想・レビュー・書評

  • セクシャルマイノリティの恋愛模様。
    なんだか拙いような感じだけど、瑞々しく透明感のある
    小説だった。
    各話のタイトルに、それぞれの物語の核になるような
    植物の名前のところと
    性的少数派を、植物や果物に例えられている所が
    新鮮だった。
    異性愛者は、結婚がゴールだけど同性愛者は
    結婚という契約ができないので、感情で繋がるしかない。

    妊娠できる体なのに、子供を産めないのは罪。
    でも、愛する人の子を抱いてみたい。(P250)

    結婚⇒子供を産むって、ほどんどの人が選ぶ道で
    それが、幸福の様に刷り込まれてきたけど
    人の幸福は、人それぞれだし、愛する人も
    異性でも、同性でも関係ない。

  • セクシャルマイノリティを扱った、高校生の青春モノの小説。各章のタイトルに植物の名前が付けられていて、それが性の多様さの表現に使われている。

    『マンゴスチンの恋人』、『テンナンショウの告白』あたりまでは爽やかな青春モノだなと思っていたけど、それだけでもなかった。けど面白い。

    各章で主人公が変わるが、読むうちに段々と繋がりが見えてくる。自分は『テンナンショウの告白』が好きかな。

  • いい。すごくいい。テーマはセクシャルマイノリティ。でも、それだけじゃない。綺麗な話でも汚い話でもない。夢中になって読んだ。うまく言えない。
    異性愛者であれば手に入れられたもの。手放すことにした女としての幸せ。とてもひきつけられる。悩む、迷う、醜い心を曝け出され、友情が生まれ、愛に気付く。幼い恋と、懐かしい哀愁と、彼岸花とマンゴスチンの香り。まるで柔らかな布に包まれたような。一場面を切り取ったような。どこかで誰かが空の月を見上げているような。世界のどこにいても、見ている月は同じ、そんな小説。
    柔らかな果実。望んでも手に入らないもの。渇望する。眠れない。叫びたくなる。なんだろう。上手に諦めることもできなくて、かといって綺麗な思い出に昇華なんてできない。望むものを持っている子、妬ましい、羨ましい、欲しい、満足できない。欲しいと思っていることさえ言えない者もいる。

    本から目が離せなくなったのは最終話だけど、印象に残っているのは援交女子の話。幸せになんてなれない。2万円は彼女につけられた値段。そばにいたいと思った人に拒絶される。はじめから手に入れている子が妬ましい。だから努力する、手に入れる。だって、分かるもの。天然の美貌を持っている者の傍にいて、どうしろというのか。崇めればいいのか?羨ましいのか?どろどろしたものを隠して必死になって美を求める。それは、そんなに悪いことなのか。いいや、違う。羨ましいのだ。自分ができないから妬ましいのだ。溜め込んでいる気持ちを開放なんて到底できずに、なまじ頭が回転するだけに嘘をついて、傍にいるのは辛い。でもいたい。痛い。矛盾する。
    社会を恨むことができる程子供ではなくて。達観はできない。好きだから。はじめの一話がいとおしい。好きって気持ちは、あとからあとからあふれ出てくるものだから。

  • なんとなく開いたブラックサレナの守人、から読んでガシッと掴まれた。魚住も葵もなんともやるせない。表題作から読んでたら感想違ったかも。最初の数行が、ライトノベルによくある冷めた私(僕)みたいな感じだったから。もちろん読んでいくとそうじゃないんやけど。テンナンショウの告白が1番すき。みんなには言えないけど、好きなもの。誰かがそれを分かってくれたら…歌手になぞらえてるけど、セクシャリティにも同じことが言えるはず。目新しい設定はないし、キャラクターもステレオタイプかもしれんけど、刺さる話ではある。

  • セクシャルマイノリティを描く、青春小説。
    マンゴスチンの恋人
    テンナンショウの告白
    ブラックサレナの守人
    ヒガンバナの記憶

    テンナンショウの告白が一番好きかな。容姿も環境も違う故に教室では話もしない、でも気兼ねなく楽しい時間が過ごせる関係性の二人って設定が好きなのかも。

    セクシャルマイノリティについて、なるべく理解したいと思っている。
    性的嗜好が違うだけで、人格が大きく違うわけじゃない。でも、その『だけ』が、結構大きなひっかかりだったりする。ヒガンバナを読んだ直後は、その点に思いがいく。
    はしかみたいに同性愛に『罹る』人もいれば、どうしても逃れられず認めるしかない人もいるし、突然自らの性を変えられてしまう人だっている。 ……でも私は、それを分かっていても猶こだわってしまうほど好きになれる人がいることが、ただ羨ましい。
    容姿にコンプレックスがあって積極的になれない人、性格にコンプレックスがあって他人に踏み込めない人、性嗜好が違うから想いを伝えられない人、……自分の行動次第で解決できるコンプレックスもあるけれど、他人と関係を結ぼうとしたら、ままならない問題は誰にだってある。

    同性愛結婚が、認められればいいと願っている。私は異性愛者だけど、結婚はできないのではないかと思う程度には喪女だから。二人で実りがなくたって、独りで花さえ咲かないよりずっといいと思う。子供を産めるか産めないかなんて、一番大事なことではない。

  • 【マンゴスチンの恋人】
    幼いころの経験が原因で男性が怖くなっていた季里子。友達がしてるような恋なんて私は一生できないかもしれない...。以前、一カ月だけ付き合ったクラスメートの山本は季里子のことが諦めきれず、気持ちを伝え続けてくるが季里子は拒絶するばかり。というのも、いつものように団地に続く商店街を通っていると、ある女性と出会った。ビーズアクセサリーの店の開店準備をしているというこの女性、笙子に季里子は恋をしてしまう。お店の開店準備を手伝ったり、笙子の部屋で体を重ねるうちに自分の思いは高まっていく。しかし、オープンした店に行ってみると、そこに笙子の姿はなかった――。人妻に恋心を抱く女子とそんな彼女をひたむきに追いかける男子。甘酸っぱい物語。

    【テンナンショウの告白】
    瀬尾実森の視点。
    芸能事務所からスカウトがくるほど容姿端麗な実森。その見た目のかわいさから「姫」などと呼ばれているが、本人はそう呼ばれるのを好んでいない。言葉づかいは荒いし、男勝りの女子だ。そんな実森がある日、衛生委員の仕事を終えて下校しようとしているとき、クラスの友達が自分の陰口を言っているのを耳にする。彼女は偶然傍を通りかかった同じく衛生委員の地味で見た目オタクの雪村の手を引き、その場を後にする。なぜ雪村の腕を掴んだのかと自分の行動を訝っていたが、「避難場所」として入った喫茶店で雪村から悩み事を打ち明けられる。「胸が大きくなってきた」と言う。厄介なことに巻き込まれたなと思う実森だったが、好きなアーティストが一緒だと知ると、それまでの雪村に対する見方が変わる。雪村と接するうちに自分が今まで言えなかった素直な本音が言えるようになる。

    【ブラックサレナの守人】
    実森の(一応)友人の一人である葵の視点。
    別にブサイクというわけではないが(本人の言葉から推測すると、かわいいグループに属するのだろう)、実森と友達になってしまったがために、彼女と一緒にいると自分が劣っているのがわかる。その足りない部分を補うにはお金が必要だった。それゆえに葵は援助交際をバイト感覚でしていた。しかしあるとき、鈴木という男性に写真をばらまかれたくなかったら30万用意しろと脅される。そこで彼女は学校に来ても寝てばかりいる魚住を空き教室に呼び出し、彼が女性と一緒にラブホテルから出てくるところが写っている写真を武器に問題解決に協力してくれるよう脅すが、逆に脅される羽目になる。「一つだけ何でも言うことをきく」ことを条件に協力してもらえることになるが、その条件とは、「一日だけ彼女のフリをすること」。果たしてその理由は?叶わぬ恋に胸が痛くなる。

    【ヒガンバナの記憶】
    季里子たちが通う高校の生物教師、板東の視点。
    季里子がつけていたブレスレットを見たことがきっかけで元恋人の笙子が近くにいることを察し、店の方へ出向くことを決心する。マジョリティの道を進むことを決めた笙子とマイノリティのグループで生きることを決めた板東。

    本書はセクシュアルマイノリティをテーマに扱っている。4編とも切なくて愛おしい恋模様を描いているが、「マイノリティであることを恐れるな!」というメッセージを僕は受け取った。人物描写がしっかりしているので(少なくとも僕はそう思う)、共感できる登場人物が一人、二人いるのではないだろうか。これはオススメしたい一冊。

  • 共学公立校を舞台に、セクシャルマイノリティを扱った連作短編青春小説。生物の授業の「生物界の性は多様」という言葉に揺れ動く高校生たちの姿が描かれている。かなり好き。 マンゴスチン…花粉を持たない花を咲かせて実を付ける単為生殖。雌だけで繁殖できる。テンナンショウ属…栄養状態によって性転換する。若くて小さいうちは雄である程度大きくなると雌になる。クロユリ…雄花と両性花が咲く。彼岸花…花は咲いても実を付けない。
    カバー装画が小玉ユキさんだが、彼女の漫画で読んでみたいと思った。
    「マンゴスチンの恋人」「テンナンショウの告白」「ブラックサレナの守人」「ヒガンバナの記憶」

  • 同性が恋愛対象の人たちを描いた連作短編。女性同士が多め。

    ・マンゴスチンの恋人
    表題作。
    トラウマで男性が苦手な季里子。
    恋したのは年上の人妻・笙子。
    この笙子は過去にも女生徒付き合っていた経験があったり、何たなくエキセントリックな感じのするひと。
    一方で季里子の同級生の山本くんが季里子のことを好きだという。
    山本くんの一途な感じがすごく良かった。
    笙子との関係はあやふやで苦しい感じだけど、最後、収まるところに収まったのは、季里子が闇を抜け出したということなんですね。

    ・テンナンショウの告白
    美少女で、一見今時の女子高生瀬尾実森の視点。
    スカウトされたり「姫」と呼ばれているほどの美人だけど、何となく醒めていて、家族とも友達とも一線を画すような立ち位置にいつもいる。
    同級生のメガネオタク男子・雪村と関っていくうちに、彼と本音で話せるようになる。

    ・ブラックサレナの守人
    援助交際女子の話。前の話の主人公・実森の友人・葵目線の話。
    美人な友達に対してこんふレックス大爆発してて、それが援助交際に走らせる。
    それがバレそうになってしまい、葵はクラスメイトの魚住という男子に助けを求める。青い派魚住の弱みを握っていて、それを縦に助けてもらうつもりだったが、実はそれは弱みでもなんでもなく、魚住からも「援交をバラす」と脅される。
    結局魚住に助けてもらう代わりに、魚住の友達カップルのデートに付き合わされることになる。魚住の恋人のフリをして過ごした葵だが、それ故に、魚住が友達カップルの片方に恋していることに気が付く。
    魚住が恋していたのは、友達カップルの彼氏の方。どうあがいてもかなわない魚住の想いを知る葵。

    ・ヒガンバナの記憶
    今まで出てきた生徒たちが通う高校の、美人生物教師・板東の視点。
    一話目で笙子と昔付き合っていたのはこの坂東先生。
    昔の恋人・笙子を吹っ切り、今の恋人(可愛らしい女性)と幸せになることを決める。

  • are you an abnormal? i mean, everybody have part of minority about something. maybe, they (almost women) will have sympathy this stories.

  • 借りた時に「女の子が好きな女の子の話」と聞いて読めるかどうか不安だったが、予想より読みやすく、おもしろく感じた。
    描写が繊細で、たとえ話も分かりやすい。
    GLだけでなく、色んな要素が絡み合い、本編でも出てくるセクシャルマイノリティについて、おおまかにではあるが理解できた。
    内容は、生易しくない、少し厳しいお話ではあったのだが、ただ甘ったるいだけよりは「人生なんてそんなもんだ」と共感しやすくなったのではないだろうか。
    彼女たちのこれからに光あれ。

    ところで表紙のキリコちゃん。
    ブレスレットは、クローバーの方ですよね!

  • セクシャルマイノリティを題材とした、青春物語。
    高校生の揺れる気持ちが書かれている。

    表紙に惹かれ読んだが
    なかなか濃い短編集だった。

  •  女じゃなくて母親になることで強くなる、という選択か……。

  • 学園ものが読みたくて図書館でジャケ借りでした。
    テンナンショウの告白が一番好きです。
    ブラックサレナの守人もよかった!
    読みやすいのに内容は結構パンチがあって。。。
    色々考えさせられました。

  • セクシャルマイノリティをテーマにした高校生たちの甘酸っぱい物語

  • ダ・ヴィンチで結構前に紹介されてて何となく読んでみた。その時の記事は読んだはずなのに、途中で「あ、そういう話なんだ」って思うとか私の記憶大丈夫かしら(笑)

    すごくまっすぐ恋愛小説だったので、高校生とかにおすすめだなぁと思いました。

  • もし自分が文章を書ける人だったら、セクマイ小説を書きたいと思ったことがある。
    普通にセクマイを主役にして、ヘテロだけの世界じゃなくて、正しい知識をさりげなく仕込んで、悲惨でも特別でもなく当たり前に存在する人間を書いて、読んだ子たちが希望を持てるように。

    この本は、そういうものを目指した小説なんだと思う。
    キャラクターやエピソードのパーツも好きな系統。
    ヘテロへの啓発に使えそうだし、悩んでいる子に渡すのもいいかもしれない。

    と、思うんだけどもなんだかのれない。
    このモヤモヤはアリーテ姫に似ている。
    応援はしたいんだけど、「これ面白かった!おすすめ!」って躊躇なく言えない。

    ストーリーは先が読めてしまった。
    キャラクターは見覚えがある。
    セクシュアリティについての部分は教科書の受け売りっぽい。
    好きなパターンではあるけれど、みんな漫画やセクマイ本で読んできたものの焼き直しのようで、「この人の小説」を読んだ気にはなれなかった。
    善意だし調べてあるけど実感にもとづかない、良い子が書いた人権作文を読んだような虚しさが残った。
    あと文章が微妙に下手。

    連作短編で登場人物たちにはそれぞれにかかわりがある。
    けれど、みんなクローゼットだから(そうせざるをえないから)当事者同士は繋がらない。
    当事者と非当事者も、マイノリティが実は隣にいるってことに気づかない。
    だから余計に「自分だけがおかしい」「自分こそがなんとかしなければ」と思ってしまう。
    クラスの中、学校の中、知り合いの中にこのくらいセクマイがいるのは普通のことなのに、知り合うことができない。
    そのリアルさが淋しい。

    でもヘテロまみれのフィクションの世界に(ヘテロ物に比べれば微々たる数とはいえ)まともなセクマイ小説が増えてきたのは嬉しいことだ。



    ネタバレ



    ・ビーズ屋の事情がご都合主義
    仕事面で信用できない相手に開店準備を丸投げするなんて普通できるか?

    ・トラウマの扱いが嫌だ。
    「この人」は「あの人」ではないと頭でわかっていてもなお怖いからトラウマなんじゃないか。
    大丈夫だと思っただけで大丈夫ならトラウマじゃなくてただの嫌な思い出だ。

    ・バイの扱いも嫌だ。
    奔放なヘテロやゲイやレズビアンがいるように、奔放なバイはいる。
    バイならではの事情(選べるから楽なほうを選ぶ)もある。
    ふりまわされた人が「これだから男ともやれるやつは!」ってなるのもわかる。
    しかしバイへの偏見をフォローなしで書くのはフェアじゃない。
    著者が「このキャラクターの言動」を描いたつもりだったとしても、バイがひとりしかいない本の中では「バイセクシャルの言動」に見えてしまう。

  • 高校生のセクシャルマイノリティがテーマの連作短編。
    爽やかだけど甘酸っぱいだけじゃない青春が丁寧で瑞々しい言葉で綴られています。
    テンナンショウの告白が一番好きかな。
    ミモも雪村もすごいかわいい。
    あとロイカ好きのくだりのところ、すごい気持ちがわかってキューンとした。

    ヒガンバナの記憶で、板東が雪村が泣いてたことに気付いていたくだりで、なんか胸が切なくなりました。

  • 短編連作。
    甘酸っぱいお話の数々に何となく胸がほわっとした不思議な感覚になりました。
    久しぶりの恋愛小説。
    ダ・ヴィンチで紹介されていたのですが、一気読み。
    はずれではありませんでした。

  • セクシャルマイノリティをテーマとした小説
    おっさんが電車の中で読むにはちょっとて感じでしたが
    中々面白かったです。

  • 表紙のイラストが目につき、誰かなと思っていると『アポロンの坂道』の小玉さん。最近お気に入りのマンガ家さんの一人、ということで手が伸びました。

    1話目を読んだ時に、マンガの影響が強いかな?、と思ったのと、実際にこの世界をマンガに移すとたぶんこの小説負けちゃうなという印象で今一つかなと思ったのですが、2話目「テンナンショウの告白」からストーリーが面白くなってきて、勢いがつきました。最終的にはけっこう楽しませてもらったと思います。

    2話目と3話目「ブラックサレナの守人」が特に面白い。「ブラックサレナの守人」の理屈っぽい文のうねり方はなかなか好み。

  • 表紙などから「軽く読む」感じでいて…
    確かに読みやすかったのですが、
    内容は結構シビアでした。

    若さや女のずるさなど1冊で色々と感じられて
    久々にキュンとしましたね(笑)

  • マンゴスチンが果物の名前で、しかも女王と讃え賞されていることすら知らない私は、この本の世界はまるで別世界。共学の女子高生ってこうなんだ。昔からそうだったとすると、私はなんてウブな高校生だったのだろうか。

  • 一日で読めた。
    テンナンショウの告白が
    一番好きだったかな

  • ダヴィンチのプラチナ本として紹介されていたので手に取った。著者の略歴には、ダヴィンチ文学賞読者賞受賞とあった。

    前後して読んだ本の登場人物が「りり子」だったせいか、原田ひ香の作品と印象がダブった。

    性に関するマイノリティの問題を伏線にして、同じ高校に在籍する何人かの思いを紹介する。美貌の実森とめだたない雪村の間にうまれた友情がさわやかだった。

  • 【高校2年生の季里子は幼い頃のトラウマが原因でいまだ恋を知らず悩んでいた。クラスメイトの勇司から繰り返し告白されてもその気になれなかったが、ある日出会った人妻・笙子に心を動かされ、肌を重ねるようになる。季里子と同じクラスの実森は、学校一の美少女。恋人の女癖の悪さにウンザリしていたところに、存在感の薄いオタクの雪村から体の変化についての悩みを打ち明けられる。彼の悩みを聞きながら、実森は雪村の人柄に信頼を寄せていく。実森の友人・葵は、援交相手から脅迫され、追いつめられていた。謎のクラスメイト・魚住の弱みを握っていた葵は、魚住を脅して協力を仰ごうとするが、魚住から逆に脅され、ある計画の協力者になることを要求される。生物教師の梢は同性愛者であることをカミングアウトするべきか悩んでいた。受け持ちの女生徒・季里子がつけていたアクセサリーを見て、梢はそれがかつて自分の元を去って行った恋人が作ったものだと直感し、彼女に会いに行く……。
    多感な青春期に心は揺れ傷つきながらも、人を好きにならずにいられないセクシャルマイノリティの男女のそれぞれの恋を描いた、第12回小学館文庫小説賞受賞作。】

    著者初読。
    【小学館文庫小説賞受賞作】ということで、若年層向きの作品だとは思いつつ、内容への先入観なく、表紙と題名の雰囲気で購入。

    連作短編となる本作。
    読み始めてすぐに「やっぱりティーン、それも恋愛モノ」だと。
    文章は結構好みで、サクサク読み進むうち、
    少々毛色の違う恋愛ものだと気付く。

    思春期特有のヒリヒリ感に加え、
    すべての物語に於いて「セクシャルマイノリティ」を扱っており、
    かなり興味深いものだった。

    色んな形の恋愛があり、同性、異性に関わらず、
    恋愛についての悲喜はおんなじで、
    本作で描かれる恋愛は、テーマがテーマだけに、
    切なさや苦さが勝っているが、
    そこがまたグッとくる。

    追いかけていきたい作家さんです。

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マンゴスチンの恋人の作品紹介

あんたたちの好きやかわいいは薄っぺらいんだよ。すべての人に"刺さる"4つの恋の物語。第12回小学館文庫小説賞受賞作。

マンゴスチンの恋人のKindle版

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