金米糖の降るところ

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863100

感想・レビュー・書評

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  • 南米育ちとは言え、日本人なのにカリーナ、ミカエラって…そのくせ、旦那さん(達哉)のことはたっちゃん、不倫相手(田渕)はたぶちんって…。

    複数の飲食店経営を成功させ、マセラティに乗り、美しい妻(佐和子=カリーナ)を愛していながらスポーツと称して様々な女と情事を繰り返し、妻の妹(日和子=ミカエラ)もその例外ではなく…

    ミカエラの娘アジェレンは母親の上司と32歳差の真剣不倫…でまた、この男もムシが良すぎる典型的な。。

    互いのボーイフレンドを共有する、と決めた美しい姉妹を軸に描かれる世界は私には理解し難いのだけれど…。

    スペイン語教室で佐和子に惹かれ、14ヶ月後本当に、生まれてすぐの息子と妻を捨て、会社も辞めて佐和子を奪いに来る田渕も結局は「そんな思い切ったこと出来ちゃう俺」に酔っているだけのような気がするし。

    見た目は達哉より田渕派ですけどね。
    はた迷惑な酔っ払い集団のお話、という印象。でも、ドラマ化したらそれなりに視聴率伸びそうな。

    佐和子は大塚寧々さんか深津絵里さん、日和子は坂井真紀さんで。

    タイトルと装丁は美しいのに勿体無い。金平糖(この本は金米糖)も金木犀も美しい響きなのに金日成になるとこの不快感。

  • ブエノスアイレスで生まれ育った日系人の姉妹は、とても仲が良く、色んな秘密や、男性まで共有しながら生活していました。

    そんな姉妹の不思議な遊びは、金平糖を地面に埋めることでした。
    なぜそんな事をするのか?
    自分たちの祖国である日本は、今いる場所の地球の裏側にある。だったら、この地面に金平糖を埋めれば、反対側の日本では金平糖が星のように空を照らすだろう。

    そして、日本の大学に進んだ姉妹は、姉は日本で結婚し、妹は成人して間もなく娘を産んで地球の裏側に帰っていった。

    そこからこの物語は始まる。

    本当になんて事のないただの日常劇なんですが、なんとなく読ませるというか、途切れることなく読み続けました。

    最初に書いた金平糖の下りは素敵だと思いました。

  • 江國香織の文章が大好き。そして描く世界観が好き。なんだけど、今回に限っては全然理解ができなかった。主人公(佐和子?)にまったく共感できず、ブエノスアイレスを舞台にする意味も見いだせず。なんとなーく、素敵な時間を過ごせたものの、それだけで終わってしまった。なんでも共有する姉妹の絆? そんなのおかしいし、到底理解できるものではない。なんだか雰囲気な小説だと思ってしまう。

  • 夫が迎えにくる所が素敵だった。
    「一番好きなのは夫で、でも他の人と関係を持つ」、という構図は江國さんの他の作品と同じなんだけど、すごく妻に主導権があるところが他の作品とは違うように感じた。

    あと所沢の豪邸エリアの描写がすごくピンときて、「あー」ってなった。反面、アルゼンチンは行った事がないので、きっと肝の部分は分からなかったのだろうな、と想像。

  • お洒落な話"という印象。私にはまだ理解出来なかったし、理解したくないなと思った。

  • 私には程遠い世界で、刺激的だった。
    全ての関係性が私には理解できなかった。

  • 昔は江國さんの本がとても好きで、
    江國さんの本ばかり読んでいた時代もありました。
    最近は全然読めていなかったのですが、
    図書館で偶然目にして、タイトルにも惹かれたので
    久しぶりに読みたいと思って借りてみました。

    …が、私の好みが変わったのか、
    あんまり面白いと思えませんでした。
    ストーリーもですが、文体が…
    江國さんってこういう書き方をする方だったっけ、
    と違和感。

    特に一文の中に他の説明をするような文を入れる、
    -(棒線)を何度も付けるような書き方がなんか目について読みづらかったです。

    共感できる登場人物もおらず、ちょっとおしゃれに書いたラブストーリー、みたいな。
    また江國さんの本から遠ざかってしまいそうです。

  • ばかじゃないの?

  • アルゼンチン育ちの姉妹のお話。読み終わった感想は、うーんという感じ。江國さんにはありがちなことだけど、結末がはっきりしないし、モヤモヤ感が残ります。文章はさらさらした読みやすいものなのですーっと読み進めてしまいますが、長編だったわりには残るもののない作品だなと。
    佐和子がたぶちんを本当に好きになったとは思えないし、達哉とこのまま終わるのも釈然としないし、うーん、なんなんだろう・・・

  • 外国を故郷にもつ姉妹とその夫、その娘の物語。姉妹は正反対のような似通っているような曖昧な存在感だったが、他の登場人物はキャラが立っていた。構成は十分に計算されているようで、中盤頃からすっかり読みやすくなるが、あまり入り込めず、淡々と読み進んだ。結末もとくに特筆することはない。

著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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