震える牛

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著者 : 相場英雄
  • 小学館 (2012年1月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863193

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震える牛の感想・レビュー・書評

  • ネタがてんこ盛りだった。そしてこの本、本棚で見かけて借りて積んだし、読むのも時間がかかって…つらかった。…やっぱり私はミステリーとか刑事ものとか合わないのかもしれない。

    と言いつつも、それなりに面白くって中盤はぐいぐい引かれてしまった。食の安全、偽装事件など非常に深くって興味深かった。地方の経済状態やチェーン店の進出などで、懐かしの味が店がどんどん消えてゆく悲しさは、よくわかります。見渡すとどこもかしこも、コンビニ、チェーン店。個人商店が懐かしいです。

    加工食品…こわいね。改めて手作りが一番だと思った。読んでいてゾッとしたし、実際にあった事件を考えてしまったりしました。安いハンバーグとか口に入れるのを躊躇してしまいます。きちんと形がわかるものを買って自分で手間暇かけて作るのが理想だよね…。

    そしてタイトル。最後の最後で「あ、そっかー…」と気がついた。これでやられたーっと思う、私ミステリー読むセンスないなぁ…と凹んだ。ますます遠のきそうだ。


    最後が中途半端で…「うーむ、これで終わりかい!」とツッコんでしまいました。そして何よりシスコン責めにちょっと引いた。警察の内部事情とか縦社会とか闇で複雑でした(-_-;)安全とか正義って何だろ?と思ったりした。

  • 2年前に発生して迷宮入りしそうになった殺人事件が、粘り強い刑事の地道な捜査によって、意外な真相が明らかになっていくという展開で、すらすら読み進める。

    それを前提にしての感想だけれど、この題名が既にネタバレなので、被害者二人の職業が初期に出た時点で、先が読めてしまうのが難点。

    そのため、しだいに繋がりが明るみに出てきて、真実にたどりつく過程に、ミステリーとしてのカタルシスが感じられない。

    女性記者の妹の死、犯人の姉の死が簡単に書かれているが、たいした掘り下げもなく蛇足の感あり。

    また、最後にちょっとしてどんでん返しが仕掛けられているが、これも予想の範囲だし、かえってカタルシスを感じられなかった。

    描かれている食肉業界の内情、スーパーなどでの格安品の裏側などの情報はなかなか面白い(怖いけれど)。
    格安品には裏があるから、なるべく食べない方がいいのか??

  • とりあえず、ミステリー好きは読んだ方がいい。。
    と言いたくなるほど、正直レビューに書きたい事が多すぎてまとまらない。。

    話は、過去の未解決事件を再調査する刑事の話と、巨大スーパーマーケットチェーン急成長の裏側を記事にする雑誌記者の話なんだが、一見繋がりようのないこの二つの話が交差した瞬間一気に物語りに引き込まれていく。

    帯やレビューに書いてある「どこまでがフィクションなんだ?」とか「ここまでリアルに書いて大丈夫!?」みたいなうたい文句はどれもうなずける内容。
    本を読んでいてリアルであることを拒否したいと思った事はあまりないが、自然とそう思いたくなっていく。
    そしてなにより、食品に対しての考え方を根こそぎ変えられてしまった。
    まだ読んでいない人は何の事かわからないだろうが。。。
    私は、作中に出てきた居酒屋でのシーンが一番印象的で不快だった。

    シーンごとに情景が浮かび描写もうまい。
    また、多くの登場人物が出てくるが、キャラ設定がしっかりしているため読みやすい。救われない話の中での主人公の奥さんには何度も和まされた。

    猟奇殺人や謎解きなど派手な演出がないが、否定したくなるようなリアリティで読者にを物語に引きずり込み、当事者意識を持たす。
    すばらしい作品でした。

  • ミステリーとして期待して読むよりも、純粋な
    経済小説として読んだので、中々楽しめました。

    強引な経営のスーパーが悪役として描かれているけど、
    そこに群がる面々、特にこのスーパーで総務対策として
    雇われている警官OBの見せ方が、こんな人間いるだろうな、という
    感じで楽しめました。

    こういう少し古いものを読むと、日本社会は過去の反省が全く今に
    活かされていないことも感じることができます。
    ミートホープ事件であれだけ騒いでいたのに、今回の一連の
    食品偽装は何だったんだとか、ね。

    あとは、やり手なのに何かかわいらしい女性経済ライターの
    鶴田さんが、結構好きでした。

  • お店で売っている加工食品。一体なにを食べさせられているのだか不安になるよね。この本読んだら。

  • 警視庁捜査一課継続捜査班の田川警部補は実に執念深い優秀な刑事だ。体を壊してもなお、継続事件の捜査とはいえ捜一に在籍していることがその証である。その田川が担当することとなった中野居酒屋強盗殺人事件は、発生後2年が経過しているが、犯人の目星は全くついていない。そんな事件を田川は地取・鑑取を地道にこなし、徐々に事件の真相に迫っていく。この過程がとても面白い。そして遂に強盗殺人事件とは全く異なるこの事件の様相が浮かび上がってくる。畜産・巨大スーパー・加工肉などのキーワードに加え、それぞれの組織(企業や警察やマスコミ…)防衛に走るさまなど、展開がとても良い。今年の上位入りは確実か。

  • 強盗殺人事件とそれを追う刑事、地方で拡大を続け地元の商店街を廃業に追い込むスーパー、そのスーパーの暗部を追うWebメディア、スーパーと地元に関わる政治屋、関係ないと思われるそれぞれが最後につながっていく。非常におもしろい展開で全てが解明されてスッキリ解決、と思いそうになったところで実は事件の背後に。。。
    犯人解明のストーリー展開のおもしろさと、その背景にある食肉偽装の恐ろしさ。安売りの食肉加工品はもう食べられない。
    タイトルの意味するものが最後のキーとなった。

  • イオン…笑ユニクロ…ですよね。
    加工食品の知られざる暗部、添加物問題、買い物難民、特色を失った地方都市。様々な社会問題を扱いながらもミステリとして読み応えのあるものになっている。

    お乳の出なくなった牛さんが可哀想です…こんな歪な経済を後生大事に活性化させようとしている現状がアホらしくなってくる。

  • ミステリーなんだけど、ドキュメント的な要素が強い。
    中に出てくる大手スーパーがイオンとかぶります。
    とすれば政治家はあの人だろうか・・・。

    これ読んでからしばらく店頭のハンバーグや唐揚げ、ハムが怖くて仕方なかったです。

  • 残りあと20ページでの思いがけない展開はかなりショックで、「そりゃ、ないよ!」と叫びそうでした。それでも、最後に田川刑事の下した決断に拍手喝采です。
    過去に遡った場面が綴られたエピローグには胸が締め付けられます。
    この作品を読み終わった後、活気のある商店街に足を運んで、昔ながらの八百屋さんや魚屋さんで買い物がしたくなりました。
    それにしても、この殺人事件の初動捜査は杜撰すぎですよね。

  • 相葉英雄作品初読。フィクションを読んでいるというよりはドキュメンタリーを読んでいる気分になる。殺人とかは関係するかどうかは分からないが、良し悪しは別問題として加工食品に本来は添加されていないだろうはずの物が添加されているのは事実だろうし。子供の頃は添加物の規制などゆるゆるの時代だったので添加物に神経質なわけでもないので冷静にこんなこともあるでしょうねという視点で読んでた。もともとハンバーグなどの肉加工品より、肉そのものが食べたい(笑

  • 2年前に発生した殺人事件を洗いなおすよう命じられた田川。
    初動では外国人による強盗殺人とされていたその事件には意外な真相が隠されていた。

    キーワードは牛。
    読後は篠田節子の「ブラックボックス」と同じく加工品を口にするのをためらう内容。
    安価な食べ物にはそれなりに理由があるものだ。

    スピーディーな展開と流通の裏側など概ねおもしろく読んだけれど
    肝心の犯人を追い詰める部分に引っかかりを感じた。
    刑事モノとしてはちょっとツメが甘かったかな。

  • カテゴリはミステリにしたけど、社会、企業、経済小説でもいいです。

    始まりは未解決の「外国人による強盗殺人?」事件の再捜査。
    ところが、真相は強盗殺人なんかじゃないということがわかってくる。
    で、大型ショッピングセンターの出店で街の商店街がシャッター通りになり・・・食品偽装やらBSEやら食肉業界の裏話、食品添加物の問題と
    とにかく盛りだくさん。

    某ファストフードが使ってるんじゃないかと噂された(日本では使ってませんと公式声明でてますが)ピンクスライムやら
    居酒屋で出されるサラダのカラクリ、コンビニのサンドイッチと
    食品の安全性に意識の高い人なら当たり前な情報だが、あんまり意識したことなかった・・・という人にはすごく衝撃的だったでしょう。
    (食べ物の値段にはそれ相応の理由があります)

    そして、ラスト。
    一件落着ではない。あまりに壮大な経済的、政治的事案になってしまったので、そのほうが自然ではある。

  • ある殺人事件の背後にBSE問題があると気づいた刑事と、それを隠蔽しようとするスーパー業界や警察上部。そして政治的圧力。「震える牛」とはBSEに罹患した牛のこと。
    設定は社会派小説的であり、犯人に迫る刑事の人間像を描く筆致も力強い。でもどうにもストーリーがB級なんですねぇ。残念ながらとにかく何かが足りない。その足りない物を補って一級の作家となって欲しい。二級じゃダメなんです。一級じゃないと。

  • 帯の「これは、本当にフィクションなのか?」はだてじゃなかった!
    実際にこれに近いことが起こっているのではないだろうか?記者の鶴田が居酒屋で目の前にある料理たちの製造方法を聞いている場面では、私も一緒に寒気が起きた。

    数年前、食品偽装の問題がクローズアップされいろんな企業の「食の安全」への意識の低さが問題となったが、喉元過ぎればでいまやそんなことは忘れ去られたかのようだ。安価な商品の大量消費をマスコミも煽るかの如く流しているし、それに飛びつく消費者…。
    そういう土壌がこのような企業を生み出していくのではないだろうか。

    警察小説としても読みごたえがある。
    ただし、容疑者の取り調べでのやり取りには疑問。それまでこんなに地道に証拠の積み上げをしてきたのに、なぜあんな不確実な方法で追い詰めたのか?
    また、警察用語?の多様に苦笑。実際こんなに使っているものなのかな。

    いろいろ感じつつも、今年読んだ本の中ではかなり面白かった。

  • 面白かったよ
    ちょっと主張が強いと言うか、主張の為に書いたと言うか。

  •  作者の言いたかったのは、小説としての内容より、プロローグ、エピローグ、これに準じた登場人物の台詞であろうかと思う。

  • 面白かったけど、平成版砂の器は言い過ぎかなぁ。登場人物の背景に厚みがなく、納得しにくい。無理矢理というか。

  • 扱っている題材が、怖い。更に食材が今は中国が多いこともあり、この作品で語られている内容が、更に怖い。

  • ちょっと前に読んだ「ガラパゴス上・下」で登場した田川さんが主人公。
    真相を掴んだのに真相を明かせない。何のための捜査だったのか。
    「守るもの」って何だろう。真相を明かさなかったから「守られたもの」もあるんだろうけど。

  • 窓際に追いやられた刑事の地道な捜査を描いています。非常に淡々とした描き方ですが、緊迫感が感じられます。ノート記録魔である所が気に入りました。
    ただ最後の落とし込みが残念でした。

  • 読み終わって、表紙をみると
    ほぉぅとため息が出る。
    なるほどなぁ、と。

  • ラストはさすが!いい意味で後味が悪い

  • 最後だけ少しきになる

  • 地方都市は、なぜ衰退したのか?子どもたちが口にする加工食品は、本当に安全か?-。
    ひさしぶりに現実的な(ここまでリアルでなくても・・・困泣)、社会派のサスペンス。初めての相場sanでしたが、文体や章立てがとても解りやすくて、資格試験の勉強の合間(なの)に?一気に読んでしまいました。食品偽装に切り込む女性記者、隠蔽しようとする企業と警察の攻防。ドキドキの2時間ドラマの様でした。最後の「すき焼き会」の結果が知りたいです!

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震える牛の作品紹介

消費者を欺く企業。安全より経済効率を優先する社会。命を軽視する風土が、悲劇を生んだ。超弩級、一気読みエンターテイメント。

震える牛のKindle版

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