かすてぃら

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 317
感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863292

作品紹介・あらすじ

若き父の記憶は、カステラの香りとともに、故郷の風景を連れてやってくる-。作家・さだまさし、初の自伝的実名小説。

感想・レビュー・書評

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  • さだまさし氏の「かすていら」を読みました。
    さださんのお父さんの実際のお話。
    なんとも豪快な、でも実直?なお父さん。
    そのお父さんが年齢がいき、やがて死を迎える。
    お父さんは死なないと思っていた・・
    さださんの自伝的実名小説。
    すごく読みやすい本でした。
    これを読んだあと、私もまっすぐに生きて行こうと思いました。

  • さだまさしさんの父の危篤から亡くなるまでのストーリー
    その中で父の存在感ややさしさ、そして家族、友人たちとの繋がりを事細かに語っていく
    誰にでも訪れる老いと永遠の別れ
    さだまさしさんの目線から父との思い出を通して見つめなおす今までの人生物語です
    自分とオーバーラップさせられる方もいるでしょう
    さださんの人生でかかわりを持った方への感謝を綴ったお話です
    http://momokeita.blog.fc2.com/blog-entry-193.htmlより

  • まっさん最高です!
    これは完全ノンフィクションなのかな?お父さんはもちろん、お母さんも弟妹も友達も周りの人たちが本当に暖かくて素敵。泣きながらぷぷっと笑ってしまうのなんて久しぶりの体験だなー。エピソードの折り込み方が好き。「かすてぃら」も効いてます。

    なんだかリリーさんの「東京タワー」を読んだときを思い出した。ちょっと違うけどどちらも好きです。
    さださんの歌があたたかいのは、あたたかい人に囲まれて生きてきたからなんだなあ。

    柴田先生って、「風に立つライオン」の人??

    カバー外すとカステラ色です。ふふ。

  • 『本の紹介』
    さだまさしさんの「かすていら」
    「父子愛」「親の死と自分の生」「昭和の風景」を、
    “笑って泣ける、さだまさし節”真骨頂で描き切った、家族文学の金字塔誕生。

    『司書日記』
    今、カウンターの机の上にはピンクの可愛らしいロールペーパーカバーが置いてあります。
    先日の終業式の日の朝、3年生女子が
    「先生、クリスマスプレゼント!」と言って渡してくれました。
    毛糸で編んだペーパーホルダーです。
    「トイレットペーパー入れて、真ん中から出して(*^_^*)」と言っていましたので、トイレットペーパーの芯を少し苦労しながら抜いて、ペーパーをカバーの中に入れると、ホント、真ん中絞ったところからスルスルスルッとペーパーが出てきます。
    この子は1年生の時にも、ごっついひざ掛けを編んで持ってきてくれました。とても暖かく、今も重宝しています。使わせていただいています。
    図書室のおばちゃんにまで、こんなに優しい心遣いをしてくれるこんな女子生徒は、これから先、どんな女性に成長していくのでしょう。楽しみです。彼女が幸せを与えた人たちから、彼女はきっとそれ以上の幸せを与えられるでしょう。どうか幸福な人生を歩んでください。今のままの笑顔を将来の新しい家族に向けてください。まだまだ先でしょうが。まずは、来年から始まる大学生活が楽しくありますように!ですね。

  • さだまさしの自伝小説。苦労話だけど、みんなあったかい。優しい気持ちになった。

  • さださんのお父上を見送るまでの初めての自叙伝。
    作家デビュー作の「精霊流し」はベースはご自身のことですが、
    あくまでも自叙伝的フィクションでしたので、
    本作品は本当のノンフィクション自叙伝になっています。
    私も一度コンサートホールのロビーでお見かけしたことがあったのですが、
    好々爺的な穏やかそうな人だとばかり思ってましたが、実際は全く違ったんですね。
    数々の武勇伝を持ちながらも、誰からも愛される仁徳を持った人。

    ノンフィクションなので、泣かせる展開に敢えてしていないのでしょう。
    これまでの作風とは少し違いますが、その分数々の武勇伝に現実感があります。

    この本を読み終わった翌日、私も父親を亡くしました。
    素直に泣けなかったさださんのお気持ちよく理解できました。

  • さだまさしファンは必読の書ですね。
    親子愛が溢れてます。

  • 死。
    人が生まれたら必ず経験するもの。
    特に直系の親族や年の近い家族の死は、周囲にとっては大きな悲しみであることは言うまでもありません。

    当然の事ながら、その辛さは芸能人でも一般人でも変わりはありません。

    ・・・
    本作「かすてぃら」は、歌手のさだまさしさんのお父様の死に際から始まる、言わばファミリーヒストリーの回顧です。

    ・・・
    その父親の豪快さ故か、文章はどこか軽妙でユーモラス。そして昭和の牧歌的な雰囲気が全編に漂います。

    満洲で育ち中国語を解し当地で徴収、引き上げに際して戦友の地元であり母の出身地であった長崎に還ってきたさだの父、雅人。人が良くて他人の保証人になっては借金を肩代わりする。借金の返済を迫るヤクザに逆に凄みを利かせともに心中しようとする。そんなチンピラも、頭を下げる場合には助けてあげてしまう。水害で商材の材木を失い大損害を出しても、友人の安否の方が大事。お金を持っていない自分が悪いのに高速道路の集金でツケ断られもめにもめる。駐禁で捕まった警察官にキレて、爾来駐禁を見つけるとその警察官に取り締まるよう電話する(メンドクサ!)、等々。

    こういう規格外の方なので、何のかのと人が集まる。明るい偏屈さ、とでもいうのでしょうか。
    きっと実際には家族が被った迷惑もそれなりにあるのでしょうが、奥様の内助の功でしょうか、家族が仲良く関係を維持できているというのは素敵なことだと思います。

    ・・・
    興味深いのは、題名にもなっている「かすてぃら」。
    昭和の終戦後、カステラは地元の名産やローカルな食べ物というより、むしろ贈答品。ヤクザの親分のお礼の時も出てきますし、改まったときに桐箱に入ったカステラを贈ることで何がしかの誠意を示そうとする。そんな詫びを断る、礼も受け入れない、でも持ってくるカステラだけは受け取るという雅人。そのカステラを愛してやまない姿がなんとも微笑ましい作品でありました。

    なお本作でも高級品として福砂屋のカステラが登場。私も長崎に行ったら是非食べてみたい笑。そういうと、思案橋のそばの宝雲亭でぎょうさを食べるという話も出てきました。こちらも気になる。

    ・・・
    ということで、ほのぼのとしたファミリーものの小説でした。

    私も老いた両親を持つ身として、その関係に悩むものです(まあ親父はボケ気味だし、お袋は面倒くさいし)。でも順番を考えれば、諍い争う時間は本当にもったいない。できるうちに孝行はしたいと改めて思った次第です。

    親が面倒だと思っているこどもたち、長崎に縁のある方、ファミリー系の話が好きな方にはお勧めできると思います。文章も至って平易ですので、中学生、場合によっては小学生でも読める本だと思います。

  • 大好き
    なるほどねえ
    でも・・・ちょっと・・・

  • 親父との思い出。
    自分の親にやさしくしようと思った。

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著者プロフィール

一九五二年長崎市生まれ。シンガーソングライター。二〇〇一年、初小説『精霊流し』がベストセラーとなる。『精霊流し』をはじめ、『解夏』『眉山』アントキノイノチ』『風に立つライオン』はいずれも映画化され、ベストセラーとなる。その他の小説に『はかぼんさん―空蝉風土記』『かすていら』ラストレター』『銀河食堂の夜』など。

「2021年 『緊急事態宣言の夜に ボクたちの新型コロナ戦記2020』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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