愛について、なお語るべきこと

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 59
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (571ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863414

作品紹介・あらすじ

近未来の世界で生き残った少年が生活をともにする、ギギと呼ばれる言葉を話せない少女。旅考で消息の途絶えた息子を探しにタイの地を踏んだ作家が出会った、ウァンと呼ばれる謎の美女。ふたつの世界が「彼女の本当の名前」を巡って、今、響き合う-。

感想・レビュー・書評

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  • 言葉では伝わらないことだらけだけど、それでも伝えようとして、言葉にしたことは空虚になり、できなかったことは忘れ去られる。それでも人は祈る。
    偶然と永遠のループの中で、生きている意味や、自分が善い行いしかできないことに気づく瞬間。あなたは私であり、私はあなたである人生。性とは忌むべきものなのか。自然の一部である人間の結末。
    名前を呼ぶことで、その人は単なる分類以上のものになる。
    主人公がウァンに語りかけるシーンが忘れられない。
    ギギの最後は不条理戯曲っぽかった。哲学的な世界観。
    本を読んできてよかった、この本のメッセージを受け取ることができてよかったと思う。

  • わぁーっ!と少し興奮気味に読んだ。
    いなくなった息子と、少年が同じ名前なことに気付くのがだいぶ後で…(^^;
    でも、この2つの世界どう着地させるんだ?と、興味津々で、最後は「へぇ~」って感じ。
    ちょっと、タイの帰りの車で語らせすぎかな…。これ、誰かのセリフに頼らずに伝えられたら凄いのに…とは思った。

    そうは言っても相当面白かった。ぐぃぐぃ読んだ爽快感はたまりません♪

  • 終わり方を想像できないまま・・・
    繋がりもおぼろげで・・・
    でも期待を持って読み進んだ

  • タイで息子の治を探す辻村の話と
    ギギという少女と退廃した日本で生きていくオサムの話

    オサムとギギ
    辻村と道代それかウァン
    対比されてる?

    最初は片山恭一っぽくないかな、と思ったけどそんなことなかった。がっつり片山恭一だった。

  • もっと明らかにして欲しい、もっと答えを出して欲しいと思えることはあるようにも感じる。

    けど、この世界観と描写と雰囲気は好き。

    哲学的なというんだろうか、問いかけや疑問にも、考えることをさせられる。

    最初はタイ編がいまいちに感じたけど、途中からどっちも続きが早く読みたいと思うようになった。

  • 近未来、荒れ果てた世界で生き延びよとする少年と口の聞けない少女。そして現代のタイ、バンコク。連絡の途絶えた息子を探しにきた小説家。平行して展開するストーリーはどこかで交わるのか?父親とは何か?家族とは?そして世界の中心で、愛を叫んだとしても、なお語るべきこととは?

  • 「世界の中心で、愛をさけぶ」の著者だからってことで読みました。ちょっと複雑な構成と展開だったのはちょっと想像とはずれていました。

    親子、夫婦、恋人、ニューハーフとの愛情などが入り組み、流れていきます。過酷な環境になればなるほど、純粋な気持ちが強さを与えるんですかね。

  • 難しいなぁ

  • この小説が伝えようとしているのは何か。私の心をこんなにざわめかせるのは何か。
    二つの物語に出てくる「名のない少女たち」。
    本当の名前を持たない二人の「少女」は、名前という枠を抜け出して、そこにただただ圧倒的に存在する。その意味を考える。

    二つの、場所も時代も異にする世界が交互に語られる。その中盤まではそれぞれの物語がどうやってつながっていくのか全く見当もつかず、二つの全く別の物語として読み進めていく。
    疑問符をつけたまま放置していた問いへの答えはきっと、私の中にある

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著者プロフィール

昭和34年(1959年)愛媛県宇和島市に生まれる。愛媛県立宇和島東高等学校卒業。1977年九州大学農学部に入学。専攻は農業経済学。1981年同大学卒業、大学院に進む。1986年「気配」にて『文学界』新人賞受賞。1995年、『きみの知らないところで世界は動く』を刊行。はじめての単行本にあたる。2001年『世界の中心で、愛をさけぶ』を刊行。その後、ベストセラーとなる。近著に『世界の中心でAIをさけぶ』(新潮新書)、『世界が僕らを嫌っても』(河出書房新社)などがある。福岡市在住。

「2024年 『含羞の画家オチ・オサム—美術集団「九州派」の先駆者—』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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