- Amazon.co.jp ・本 (555ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093863445
感想・レビュー・書評
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これは頑張った、読み切った感がすごい。文字数がそこまで多い気がしないのに、言葉の密度が違うというか。
でもって医者が主人公だからか、やたらと漢方について詳しく書いてて、こんな時は漢方ではこういう状態で、こういう薬を使えば良い、みたいなのを家庭の医学か、ってレベルで解説してて。覚えて役に立てたいなー、とか思ったわけだけど、まぁ思っただけだった。
というわけで隠岐の島にも歴史あり、という、まぁ当たり前っちゃあ当たり前のことを勉強させて頂きました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
歴史の勉強を兼ねるならいいのかも。ページ数の割にはストーリーの起伏が少なくてエンターテイメントとしては少し物足りなかったかな……。
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2016.8 いや長かった。でも幕末はこんな腐敗した奴らばかりだったんだろうか。大塩平八郎の乱は言葉しか知らなかったけれど見直してしまいまさした。芯のある小説でした。
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常太郎が6歳のときに父が大塩平八郎の乱に加担したため、15歳になるのをまって島に流刑にされるところから話が始まる。
江戸時代の終わりの民の生活が力強く書かれていて、中盤まで一気読み。流刑者である常太郎と島の人たちの関わりがとても心地よかった。ここまでなら★5?
途中までは主人公は常太郎だと思い読んでいたが。。。
途中から誰が主人公かわからなくなってきたくらいからが長かった。歴史に裏づけされた松江藩と島の人たちの混乱のところが、登場人物が多いし、ちょっとしんどかったです。
動乱の時期を島民目線でかかれているので、この時代のことが違った目線でみることができ,
そういったところは、さすがだなと思いました。
最後は、あっけなく。
勝手な想像で最後は狗賓童子が現れるのかと思ったりしていたので・・・。 -
一人の流罪になった青年(流罪になったときは十五歳と少年である)が医術を学び信頼を集めて、その間維新が起きて云々~というお話。
農業の描写とか医術の描写とかすごく調べたんだろうなあと尊敬したけど物語としては特にそこまで好きではなかったかも。
お初の生き様は好きでした。
文字を頑なに拒む女性。 -
幕末の隠岐の島を舞台に,流人と島民,何より庄屋達の生き様を描いて重い.
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父親が大塩平八郎の乱に加わったため、15歳になるのを待って遠島になった常太郎。
常太郎の目を通して隠岐の島後を見つめる。
松江藩の暗愚な支配、飢饉、庄屋と村人の確執、流行り病、維新。
主人公は島。 -
大塩平八郎の乱に連座した西村覆三郎の子、西村常太郎が隠岐の島に遠島になった後の話。
民衆と幕府の対立、流刑の島の生活、感染症の流行等、細かに書かれています。
ゆえに、重い。楽しめる読み物では無く、読むのに時間がかかる時代小説。
タイトルの「狗賓(ぐひん)」は天狗の事。それが大事なキーワードかと思ったら、殆ど出てこなくて、あれ?という感じ。
そして終わり方が突然で。えっ、その後は? となりました。 -
父西村履三郎が大塩平八郎の乱に連座したがため、その息子というだけで隠岐へ遠島となった常太郎の物語かと思わせながら、搾取され、支配者に翻弄される庶民や島の物語へと、視点がぐぐっと拡がっていく。
遠島の地といえば、あれ荒んだ場所のように思ってしまっていたけれど、当然ながらそこには元々住まう人たちがいて、日常があったのだ。政治犯や冤罪も含めて、罪を問われた人たちを迎えねばならなかっただけでなく、重税や場当たりでしかない執政に苦しめられる、その憤懣を思うとやりきれない。
幕府から明治政府へ変わっても、結局何も変わらない失望感は、今の私たちにもリアルだ。