共震

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著者 : 相場英雄
  • 小学館 (2013年7月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863582

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共震の感想・レビュー・書評

  • 震災後の東北を舞台にした物語を書くこと。
    それは多分私たちには想像する事さえできないほど重く深いものだろうと思う。でもあえてその道を選び続ける相場さんの覚悟をひしひしと感じた。
    善意や美談だけではない、あの日からの本当の東北の姿。忘れないように、知り続けること、そして共に震え続けること。それが同じ時代を生きる私たちの使命なのだろう。
    私も、共に震えるヒトでありつづけたい、そう思った。

  • 義援金詐欺なんかもう人間のクズだな。実際、もっといろいろあるんだろうな。

  • 震災を題材にした話は本当に苦手。
    これは、本当にあったことかな?
    フィクションだろうか?
    そんな気持ちで何度か涙が溢れた。

    共震、それは切なさや悲しみではなかった。
    あたたかい忘れてはならない
    そんな共鳴だった。

  • 相馬氏の作品は2作目です。
    被災した方たちのひとつひとつのエピソードが胸に迫ります。そしてそんな混乱に乗じて詐欺を働く団体。
    国は震災後に新たな省庁を作り、大臣を置き、復興予算で被災地から遠く離れた土地の道路を作ったり図書館を建てたという呆れたニュースもありました。
    公になっていないだけで実際この物語に出てくるような細かい詐欺もきっとたくさんあるのでしょう。
    3月が近づくと被災地に訪れだすテレビ局もそうだし、そこにいないと他人ごとになってしまうのが悲しいです。
    視点切り替えが多くて難しかったけれど、作者の熱意が込められた熱い作品でした。

  •  会社の同僚から回ってきた。
     著者の作品は2作目。少し前(と言っても5年前か)に『震える牛』を読んでいる。「震」の字が好きなのかな?(警察サイドの登場人物のひとりが捜査のイロハを教わる田川警部補というのは『震える牛』の田川か?!)

     自分で選んだ本ではなく、前情報がないので、後ろの方から目を通す。小説の単行本版の「あとがき」があるのは珍しいかな? 作者の想いが熱く語られている。物語よりも東日本大震災にまつわる、東北復興の想いだ。本書はそういう作品だと思って読めばいい。
     さらに後ろへ読み進むと、「文庫版解説」として、著者のこんな言葉が紹介されている;
    「誤解を恐れずにいえば、本当に伝えたいのは『被災地の現在』であって、殺人事件の部分は完全に『付け足し』です」

     著者も覚悟の上だろう。ミステリーとしての中身は陳腐だ。普段、ミステリーを読みなれてない自分でも、早々に犯人の目星がつく(かなりの確信を持って)。種明かしも大したことない。その点では☆は2つ程度の作品。
     ただ著者の想いを汲んで、いや”共震”して☆ひとつ追加だ。

     なので、作品については多くは語りません。被災地の現状は確かに身につまされる。詐欺や不正が横行している事実もあろう。それより復興がまだ途半ばだということは忘れてはいけないという思いを新たにさせていただいた。そのことに感謝だ。

     著者はあとがきで書いている。本書で出てくる食堂は、一生懸命復興を果たそうと頑張る実在のお店を、一文字だけ変えて紹介しているという。是非、検索して、訪ねて欲しいと。
     その想いを、ここでも伝えておこう;

    二葉食堂⇒双葉食堂
    http://www.sankei.com/life/news/160526/lif1605260018-n1.html

    柳屋⇒柳家
    http://www.ramen-yanagiya.com/kodawari/index.html

    福本パン⇒福田パン
    https://matome.naver.jp/odai/2143204054430722801

    プロショップまるた⇒プロショップまるか
    https://tabelog.com/miyagi/A0404/A040403/4015222/

    千来食堂⇒萬来食堂
    https://tabelog.com/iwate/A0304/A030403/3003758/

  • 8月-5。3.5点。
    震災後が舞台。
    被災者に寄り添っていた公務員が、毒殺される。
    犯人を追うキャリア官僚と、新聞記者。
    どうやら、シリーズものだったみたい。読んでみよう。
    題材は、ありふれ気味だが、面白い。

  • 東日本大震災そのものをテーマにした小説を読むのはこれがはじめてでした。

    著者は震災を「嘘をはるかに凌駕した圧倒的な現実」と表現していますが、現地を訪れたことのないボクにとっては、映像の範囲を越えず、人々の慟哭や臭いは想像でしかありません。

    しかしフィクションとはいっても、そのモデルは現実であることからすれば、絶望を乗り越えて生きる人々のたくましさも現実に存在するのだと感じました。

    一方で、震災に絡む詐欺や義損金に群がる人びともいるのも現実で、本書はその点、単なる震災ものに終わらなかったと思いました。

  • ミステリーっていうよりも、3.11の被災地の様子やそこで生きる人々の様子を伝えたいという、相場さんの気持ちが伝わってくる物語。最後は希望の光が見えてきて、あとがきではじんわりと涙があふれてくる。

  • 東日本大震災復興に尽力していた県庁職員が他殺された
    それを追う新聞記者と県警と警視庁。

    震災直後の様子も丁寧に描かれ、あの日が強烈に思い出されて辛かった

    善意の人も多い中、義援金詐欺などの悪人も跋扈していた事実。いつの世もある一定の割合でそういう人たちはいるのだなと実感した

    丁寧な取材に基づく小説で、ノンフィクションを読んでいるようだった

  • 途中で何度もこみ上げてきました。
    物語、というより、レポートを読むような感じでした。良い意味で。

  • 誰からも好かれていた県職員が毒殺。震災の陰で起こっていた悪事、実際にあったのならたまらない。

  • 大和新聞東京本社の遊軍記者である宮沢賢一郎は、東日本大震災後、志願して仙台総局に異動する。
    沿岸被災地の現状を全国の読者に届けるため、「ここで生きる」というコラムを立ち上げた。
    そんななか、宮沢とも面識のある県職員が、東松島の仮設住宅で殺害された。
    被害者の早坂順也は、県職員という枠を越えて、復興のために力を尽くしてきた人物だった。
    早坂は亡くなる直前まで、被災地の避難所の名簿を調べていたという。
    (アマゾンより引用)

    何か以前読んだ本に出てきたことのある名前がチラホラと…
    何か事件以外のことの話が長かったり、時代がコロコロ変わったりすることもあり、若干読みにくい感はあったけど内容としては満足

  • 震災物は数冊読んだけどこれは秀逸!3人の視点から物語を進めるミステリーだけど、震災の今を描いていてミステリーの枠に収まってない。
    スピード感も進むにつれてアップしてだれることなく読める作品でした。

  • 2015.3 飛行機の中で読んでいたら何度も涙が出てきて恥ずかしかった。あの日、そしてその後に起きた様々なことがリアルにフラッシュバック。自分が見聞きしたことと重ねてしまいました。サスペンスという面ではうまくまとまっているストーリー運びと感じました。

  •  東日本大震災の傷がまだ癒えない被災地の現状を伝えるミステリー。著者の相場英雄が書きたかったのは被災地の現状の方で、ミステリーではない。本来ならノンフィクションとして書いた方が良かった題材だろう。なぜノンフィクションにしなかったのか。著者はビジネスジャーナルのインタビューでその理由について「ノンフィクションの本は本当に売れないです。どんなに大事なメッセージを込めても、ノンフィクションというだけで、世間はそれほど注目してくれない」と話している。

     より多くの人に被災地の現状を伝えるには読者の多い小説にした方が良いという理由は一面でうなずけるが、読んでいて、やはりこれはノンフィクションで読みたかったと思わずにはいられない。作品の説得力が弱いのだ。どこまでが被災地の現状か、読者には分からない。それが著しく説得力を欠いている。

     被災地の復興に力を尽くした県職員が殺されるというミステリー部分には特に評価すべき点がない。しかもこれが終盤、物語の中心に居座ってくると、どうも居心地が悪くなってくる。300ページ余りで被災地の現状が伝えられたとも思えない。微に入り細にわたった描写でこの倍ぐらいの分量で書いた方が良かったと思う。

     すぐに読めるページ数で収めたのは、ページ数が多くなると、本の価格が高くなり、より多くの人に手にとってもらえなくなるからだろうか。著者の真意はそんなところにはないだろうし、被災地に何度も足を運んだことには頭が下がるが、この本の分量では被災地を舞台にしたお手軽な本と受け取られかねない。小説の長さはその質とは関係ないが、長さが必要な小説もあるのだ。

  • 2013年10月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
    通常の配架場所: 開架図書(2階)
    請求記号: 913.6//A22

    【選書理由・おすすめコメント】
    震災をテーマにした作品で興味を持った
    震災を忘れないためにも読んでおくべきだ
    (経済学科 2年)

  • 東日本大震災から二年。被災地の仮設住宅で被災者のために奔走していた県庁職員が他殺体として発見される。事件の真相を追うキャリア警察官の田名部と新聞記者の宮沢が復興とは名ばかりの被災地の現状、そこにつけ込む義捐金詐欺の問題にたどり着く。
    事件解決、犯人探しのミステリーの形式は取っているが、被災地の現状をありのまま伝えていることがこの作品の素晴らしいところだと思った。タイトルの共震の意味がラストで明かされるが、その意味がまた心に染みた。

  • #読了。みちのく麺食い記者シリーズ。震災後の復興に力を注いでいた宮城県職員が何者かに毒殺される。彼は生前、復興予算をかすめ取る詐欺集団を見つけていた。シリーズものだが、最後から読んでしまった。

  • 時間軸が前後するため、わかりにくい。その分、感情移入しずらかった。
    毒殺のトリックもあとから、とってつけたような気が…。震災の傷跡そのものの描写は真に迫るものがあっただけに残念かな。

  • 東日本大震災とその震災復興に絡む殺人事件解明に挑む刑事と記者という物語でしたが、震災の爪痕の大きさ(復興はまだまだ)や震災被害者にどう寄り添っていくべきかというメッセージ性は強く訴えかけてくるものがありましたが、殺人事件解明部分(ミステリーとして)はやや強引かな?とも思ってしまいました。でもこのような作品を通して改めて震災を風化させてはいけないという思いは強く持ちました。

  • 現実に対して作家として筆で向き合う熱意を感じる作品。
    前半の頻繁な場面転換は読み難かったが、後半は良かった。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/12241356.html

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共震の作品紹介

鎮魂と慟哭のミステリー!

大和新聞東京本社の遊軍記者である宮沢賢一郎は、東日本大震災後、志願して仙台総局に異動する。沿岸被災地の現状を全国の読者に届けるため、「ここで生きる」というコラムを立ち上げた。そんななか、宮沢とも面識のある県職員が、東松島の仮設住宅で殺害された。被害者の早坂順也は、県職員という枠を越えて、復興のために力を尽くしてきた人物だった。早坂は亡くなる直前まで、被災地の避難所の名簿を調べていたという。

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