- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093863582
作品紹介・あらすじ
鎮魂と慟哭のミステリー!
大和新聞東京本社の遊軍記者である宮沢賢一郎は、東日本大震災後、志願して仙台総局に異動する。沿岸被災地の現状を全国の読者に届けるため、「ここで生きる」というコラムを立ち上げた。そんななか、宮沢とも面識のある県職員が、東松島の仮設住宅で殺害された。被害者の早坂順也は、県職員という枠を越えて、復興のために力を尽くしてきた人物だった。早坂は亡くなる直前まで、被災地の避難所の名簿を調べていたという。
感想・レビュー・書評
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まず著者の相場英雄さんにありがとうと言いたい、あの震災を題材にした、ミステリーを書いてくれた事にです。風化してしまっては、困る震災を今こう言う形で残してくれた事に感謝したいです。読者の皆さんにこの本を届けたいと思う事が読んでいてわかりました。忘れないあの日のことを!東北がんばれ!
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震災後の東北を舞台にした物語を書くこと。
それは多分私たちには想像する事さえできないほど重く深いものだろうと思う。でもあえてその道を選び続ける相場さんの覚悟をひしひしと感じた。
善意や美談だけではない、あの日からの本当の東北の姿。忘れないように、知り続けること、そして共に震え続けること。それが同じ時代を生きる私たちの使命なのだろう。
私も、共に震えるヒトでありつづけたい、そう思った。 -
義援金詐欺なんかもう人間のクズだな。実際、もっといろいろあるんだろうな。
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震災を題材にした話は本当に苦手。
これは、本当にあったことかな?
フィクションだろうか?
そんな気持ちで何度か涙が溢れた。
共震、それは切なさや悲しみではなかった。
あたたかい忘れてはならない
そんな共鳴だった。 -
震災後の殺人事件から詐欺事件へ真相を追う記者と刑事。全体的なところでもうひとつ物語の世界に入り込めなかったかもしれない。
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相馬氏の作品は2作目です。
被災した方たちのひとつひとつのエピソードが胸に迫ります。そしてそんな混乱に乗じて詐欺を働く団体。
国は震災後に新たな省庁を作り、大臣を置き、復興予算で被災地から遠く離れた土地の道路を作ったり図書館を建てたという呆れたニュースもありました。
公になっていないだけで実際この物語に出てくるような細かい詐欺もきっとたくさんあるのでしょう。
3月が近づくと被災地に訪れだすテレビ局もそうだし、そこにいないと他人ごとになってしまうのが悲しいです。
視点切り替えが多くて難しかったけれど、作者の熱意が込められた熱い作品でした。 -
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レビューを拝見して、この本が読みたくなりました♪
さっそく「読みたい本」に登録します。レビューを拝見して、この本が読みたくなりました♪
さっそく「読みたい本」に登録します。2017/02/16
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8月-5。3.5点。
震災後が舞台。
被災者に寄り添っていた公務員が、毒殺される。
犯人を追うキャリア官僚と、新聞記者。
どうやら、シリーズものだったみたい。読んでみよう。
題材は、ありふれ気味だが、面白い。 -
東日本大震災そのものをテーマにした小説を読むのはこれがはじめてでした。
著者は震災を「嘘をはるかに凌駕した圧倒的な現実」と表現していますが、現地を訪れたことのないボクにとっては、映像の範囲を越えず、人々の慟哭や臭いは想像でしかありません。
しかしフィクションとはいっても、そのモデルは現実であることからすれば、絶望を乗り越えて生きる人々のたくましさも現実に存在するのだと感じました。
一方で、震災に絡む詐欺や義損金に群がる人びともいるのも現実で、本書はその点、単なる震災ものに終わらなかったと思いました。