夏の果て

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863667

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  • 身長183cm。早稲田大法学部卒。コネなし電通入社、営業局配属。営業がとにかく嫌で、難関のクリエイティブ局への転局試験をパスし、CMプランナーに。JR東日本の「その先の日本へ」キャンペーンでその年の広告賞を総ナメ。その後、部下3名引き連れ、日本初のクリエイティブエージェンシーTAGBOATを設立。酒・タバコは遣らず、スーツしか着用せず、趣味はアメフト。年間50本の映画・50冊の本・50試合のベースターズ観戦を自身に課す。先頃還暦迎えるも、ますます意気軒昂な苦みばしったミドルクリエイター。

    そう、広告業界では知らぬ人はいない御仁が書いたディテール感満載の自伝的小説はこんな話。

    19歳の時に父が5億円もの借金を踏み倒して失踪。謎だらけの父親との葛藤を縦軸に、三丁目の夕陽そのものの少年時代、学生運動鎮静後の寂寞感横溢の青春時代、バブル期の狂瀾な広告業界、友人「小田嶋 隆」への畏敬の念、トップクリエイターへの成長譚…を横軸にした、読み手によって、様々な読み方ができる小説。はたして主題である縦軸より横軸の方が面白いっていう主客転倒は、どうかと思いますが…。 赤裸々な内容でありつつも、放埓な父親と同じ血が自身にも流れているという「抗い」や「複雑な内面的葛藤」の叙述はなく、置かれた状況・現実に淡々と立ち向かうクールさで貫かれている。そう、小説の中でも岡さんは二枚目で格好いいのだ。

  • 電通に入るまでが僕には。。入社後は面白かった。

  • タグボート・岡康道の自伝的小説。

    中でも印象に残った文章。

    幸福とはどういうものだろうか。それまで僕は「幸福とは不幸を回避すること」に近いように思っていたが、そうではない。不幸を相手に回し、充分に闘い、最後にはやっつけてしまうことが、幸福なのではないか。

著者プロフィール

TUGBOATクリエイティブ・ディレクター、CMプランナー、コピーライター。1956年佐賀県生まれ、東京育ち。早稲田大学法学部卒業、株式会社電通に入社。営業を経験後、クリエーティブ局へ異動。CMの企画制作に携わり、国内外の受賞多数。1999年、日本初のクリエイティブ・エージェンシー「TUGBOAT」を設立。以降、クリエイティブ・ディレクターとして、20年間で約1000本のCMを制作。

「2020年 『広告と超私的スポーツ噺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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