その手をにぎりたい

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著者 : 柚木麻子
  • 小学館 (2014年1月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863735

その手をにぎりたいの感想・レビュー・書評

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  • 話題の作家さんなので気にはなっていたけれど今回が初読み。
    選択を間違っちゃったかなぁ・・・。
    レビューの評価が割と高かったから読んでみたものの、響いて来なかった。

    バブル時代を駆け抜けたOL(この言葉自体なんか古い)と鮨って組み合わせは意外性もあり面白い。
    カウンター越しに思い続ける恋も悪くはなかった。
    でも実際にバブル世代を感覚的に知らない作家が一生懸命調べて書きましたって感じが拭えず。
    当時の流行語やDCブランド、ヘアスタイルにまで及ぶ小道具の使い方が小賢しい感じかして。
    この薄っぺらい感じがバブルっぽいと言えば仕方ないんだけれども。
    もうちょっと内面を掘り下げて欲しかったのが正直なところ。

    本来なら星3つ位の作品だと思うけれど、ラストでがっかり。
    栃木に帰るのに東武伊勢崎線はないでしょう・・・。
    かんぴょうの産地だったら違う路線だよね。
    こう言うの気になっちゃってダメなのよ。
    土地勘なければスルーしちゃうけど。
    私が間違ってれば誰か教えてー!!

    柚木さんが私に合うか合わないか他の作品も読んでみて決めたいと思います。
    辛口ですみません。

  • これは皆さんに読んでほしい名作。
    柚木麻子さん、一皮むけた気がする。
    個人的には今年上半期の直木賞候補作品だ。

    タイトルも秀逸。
    「その手をにぎりたい」というタイトルから軽い恋愛ものかと思っていたら、鮨を握る手も意味していたとは。

    1980年代のバブル発生前夜からその終焉まで、時代を象徴するエピソードに主人公青子の生きていく姿を重ね合わせながら、鮨屋の大将への切ない思いを描き続けていく。

    バブルの芽生え、謳歌、そして悲しい終焉。
    でもそれは、青子を本来の姿へ戻してくれるために必要な10年間だったのだ。
    移り行く時代と共に青子の生き様の変遷を流れるように描くタッチが絶妙。
    銀座の高級鮨屋の白木のカウンターが目に浮かんだ。
    一時そんな時代があったなと昔の自分をも思い出した。

    人は決して二つの人生を歩むことはできない。
    でも、振り返ってみて、進むべき方向を変えることはできる。
    どれほど年月が経ったとしても、別の新しい生き方を選び取ることは
    勝ち負けだけでは語れないのだ。
    青子と大将の出会いからの10年間をしみじみ回想させるラストシーンには胸が熱くなった。

  • その手をにぎりたい、って ずいぶんともっさりしたタイトル、もしかして介護現場の話かしら? と思ったら、寿司屋だってことだから、読んでみた。

    栃木から上京して大学卒業後に 地味にOL やってます、という青子、そろそろ実家に帰ってお見合いでもとなって、上司に送別祝いだと高級寿司屋に連れて行かれる。
    そこから彼女の人生が大きく動き始める。

    とまぁ、一昔前のトレンディ・ドラマのような、いや おおいにバブル期のそれを意識した 「女子暗黒の10年(勝手に命名)」の話、なんだけれど 寿司屋の場面の鮮やかさが、質感を出している。
    第一話ヅケの “市ノ瀬さん” との出会いの場面は とても清潔でありながらセンシュアル。
    いろんな意味で生唾ものです。

    作者の柚木さんは 1981年生まれだそうなので、現在 ちょうどこの物語の最後の青子の年齢と同じくらい。
    だからバブル期のことは知らないはず。
    バブルを描いてみたかっただけかもしれないが、女子の20代後半から30代前半という一寸先は闇な怒濤の10年を表現するにはピッタリな時代を選んだと思う。

    関係ないけど、その時期を優しくできなかった男は将来が惨めです。

    映像にするなら、今をときめく桐谷 美玲ちゃんか 有村 架純ちゃんがチャレンジするか?

  • なんにも知らないOLだった主人公が、ある寿司職人との出会いを機に、変わっていく物語。柚木さんの食べ物の描写はほんとうにすごい。ランチのアッコちゃんでもそうだったが、とにかく美味しそうで秀逸。
    バブル時代の街と人の変化がまた切ない余韻を残してくれる。ほんとうに握って欲しかったのはずっと手だったのかもしれない

  • 恋と仕事とお鮨に生きるバブル期OL大河小説!
    ------------
    バブル前後を舞台にして、まさに恋と仕事とお鮨に生きたOLの物語。お鮨に出会って、そのお寿司を食べるために東京で生きて行くと決め、バブルの波に飲み込まれながら、はじける泡を予感しながらも、自分の決めた道をまっとうし燃え尽きた女性の物語。
    何よりお鮨が美味しそうで、カウンターのお鮨を食べに行きたくなってしまった。恋がメインではなく、女性の覚悟を持った生き方がメインのお話で、読んでいて楽しかった。

  • これは恋愛作品として読むのではなく、バブルの時代に寿司屋のカウンター越しに繰り広げられたであろうOLの成長記録作品、が正しいような気がする。

    柚木作品には食べ物がとにかく多く出てくるのね。「ランチのアッコちゃん」は食そのものが題材だし、「伊藤くんA to E」ではデパ地下のケーキ店がキーになっている。食べ物好きだから、食の描写も気になるし、好みだ。

  • 手ってすごく大事だと思う
    温もりとか…繋いだ感じで相手がわかるっていうか…

    青子は 不器用だなぁ と
    もっと上手く生きていけばいいのに 強がってる分 さみしさは人一倍…

  • バブル真っ盛りのころ、まだ地方都市でランドセル背負ってた私が憧れていた「東京のお姉さん」の実態ってこんな感じだったのねーということが、まるで自分が疑似体験してるみたいにわかって面白かった。
    土地を転がしてた人たちを悪人みたいにとらえていたけど、そうか、ただのまじめな会社員だったわけね。
    そういうまじめな人たちが、2週間に1回、5万の寿司を食べて毎晩タクシーで帰っちゃうなんて、お金ってコワイ。
    30年で、働き方も価値観も常識もこんなに変わるんだなーって改めてびっくりです。今から30年後、どうなってるんだろう!

  • 柚木さんにしては今回はもうひとつかな・・・と思って読み進めていたけど、途中から涙を浮かべながら読む始末。私もヒロイン同様バブル期を駆け抜けた一人だ。自我を持たず、結婚前の腰掛のつもりで入社したのに、結局婚期を逃してしまい図らずも根性と言う名の筋肉がついた。いつのまにか高校時代に片思いだったY君とすれ違っても挨拶を交わさなくなった。私がジュンコシマダのスーツを着ていたからか、Y君が無精ひげに作業着だったからか・・・。そんな胸を締め付けられる瞬間を思い起こさせてくれた。バブルは多くのものを与え多くのものを奪った。そんな過渡期を過ごしたアラフィフの女性たちに是非読んでもらいたいと思う。

  • 「その手を握りたい」 柚木麻子
    コメディかと思いきや柚木さんには珍しい恋愛小説でした‼︎
    栃木の女子大を出て東京の家具メーカーで働いて3年目の本木青子は、退社して地元に帰る前に社長に銀座の高級鮨店「すし静」に連れていってもらう。そこで板前の一ノ瀬の大きな職人然とした手に惹かれ、彼に恋をする。故郷に帰ることを止め、新たに不動産会社で働き始めた青子は、座るだけで3万円の鮨屋に一人で定期的に通うようになる…。
    1983年から92年までの10年間が一章ずつ描かれ、鮨ネタがタイトルになっている。世はまさにバブル絶頂期、都心に次々と新しいビルが建ち、深夜になってもタクシーがつかまらず世遊びに興じる人々が通りにあふれている。そんな時代に青子は、持ち前の人当たりの良さと交渉力で成績を上げ、すし静に通い続ける。一ノ瀬に想いを寄せながらも青子は、同僚や広告プランナーと付き合う。この辺の軽さがいかにもバブル時代っぽい。それでも時代にしがみつき、平日休日昼夜を問わず、がむしゃらに働き、男社会の中で青子は課長にまで昇りつめる。青子の生き方や仕事内容には共感出来なくても、こうした努力には手を叩きたくなる。
    柚木作品だから当然出てくる女同士の友情、クラブママ・ミキとの関係もいい。その前の友達幸恵がちょっと痛かったから。ものすごく切ないけど、再び前を向けそうなラストも好きです(^o^)

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その手をにぎりたいの作品紹介

「ランチのアッコちゃん」作者最新作!

80年代。都内のOL・青子は、偶然入った鮨店で衝撃を受けた。そのお店「すし静」では、職人が握った鮨を掌から貰い受けて食べる。
青子は、その味に次第にのめり込み、決して安くはないお店に自分が稼いだお金で通い続けたい、と一念発起する。
お店の職人・一ノ瀬への秘めた思いも抱きながら、転職先を不動産会社に決めた青子だったが、到来したバブルの時代の波に翻弄されていく。一ノ瀬との恋は成就するのか?

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