胡蝶殺し

著者 :
  • 小学館
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感想 : 101
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863803

感想・レビュー・書評

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  • 初読。図書館。タイトルに「殺し」が入っているので、不穏な空気を勝手に感じながら読み進めていく。この何か起こりそうな雰囲気を醸し出すのは、近藤さんは本当にうまい。でもこのあおり方には好き嫌いが出るかも。だって結末は明るい未来への希望に涙するから。梨園の常識が描かれているだけなのに、近藤さんの手にかかるとドラマティックな物語に仕上がっている。。『鏡獅子』の胡蝶に、片岡千之助くんを投影しながら読んじゃいました。歌舞伎をみるとき子役にいっそう注目しそう。

  • 秋司と俊介、二人ともとても良い。

  • 2014.8.2歌舞伎役者中村竜胆が肝臓癌で急逝。遺児の秋司の後見を引き受けた萩太郎。同学年の息子俊介がいること、秋司の母親由香利はそのエキセントリックさで悪評が立っており戸惑いを感じるものの、秋司の才能を前に驚き、俊介と大切に育てていこうとを心に誓う。二人の初舞台を前に起こった思いがけないことの前までは…。

    近藤さんの梨園もの、以前も読んで面白かったので、期待していました。同学年の息子、エキセントリックな秋司の母親という設定からいろいろ想像していましたが、読み出したら、秋司も俊介も可愛く、なんとか無事に育ってほしいと一気読み!面白かった。ネタバレ厳禁!是非、たくさんの人に読んでもらって、歌舞伎、読書の面白さを知ってほしいと思いました。もっとも私は歌舞伎に疎いので、大昔にしか見ていない歌舞伎、また、観てみたいと思いました。

  • 歌舞伎の2人の子役が主役ですが、1人の親であり、他方の後見人でもある市川萩太郎のめを通して物語は進んでいきます。
    親の立場ではどうしても我が子を客観的に見ることが出来ないですよね。自分が間違っていたということも多々あるはずです。それらの想いがきれいに描写されています。
    歌舞伎の演目がたくさん出てくるので、素養がある人はより楽しめると思いますが、そうでない一般の人でも十分楽しめました。
    でも、雨の五郎、重の井子別れ、春興鏡獅子はあらかじめ知識があると楽しめると思います。
    歌舞伎の見方も変わる一冊かもしれません。歌舞伎を見に行きたくなりました。

  • 著者は、過去にはずいぶん歌舞伎ミステリを発表していてわたしは好きだったのだが、最近・・・とくにロードレースを書いた前後くらいか?書いてなかったので、読めてうれしい。

  • タイトルから嫌な流れを想像してこわごわ読み進みていったけど、どんどん引き込まれてあっというまに読み切ってしまった。

    ラスト20ページほどの疾走感。ちょっとうるっとくるエピローグ。幻想的な締めくくりの一文。

    他の作品も読もう〜

  •  何冊か読んで、近藤史恵さんは芥川賞にも直木賞にもどちらにもふさわしい作家さんに思えています。「胡蝶殺し」、2014.6発行。歌舞伎界がテーマで2人の御曹司の対照的な生き様を描いた作品。俊介と秋司、早生まれ6歳と7歳、同学年。順風満帆の俊介、父が病死、本人もおたふく風邪の後遺症で難聴になった秋司。秋司が梨園を去って12年、俊介と秋司が再び一緒に踊る日がやってくる。

  • 歌舞伎の題材だが、堅苦しくなく、すらすら読めた。
    近藤さんの本は、専門分野の題材を扱っても、興味を持たせてくれる。
    タイトルからして、誰が死ぬのか悲劇のラストだと思っていただけに、なんだかあっさり。
    親や子が想いやる温かい話だが、みんな立派で他人事のように感じてしまった。

  • 久しぶりに近藤史恵を読んでみました。
    歌舞伎を舞台にした話らしく、敷居が高いかなと思いつつ読んでみましたが、歌舞伎の世界のことはさらっと流す程度で、ストーリーに重きを置かれていたので、すんなり話の中に入っていけましたが、ストーリー自体深みのあるものではなく、心に響くという内容でもなく、読後もあっさりしたもんです。

  • 最近歌舞伎づいているので、梨園のお話を。

    子供は大人が思ってるほど「子供」じゃないんだよね。大人になるとなんで忘れちゃうんだろう。
    もっとも、周りよりもっともっと大人であることを強いられる環境なのもあるのだろうけど。
    後半の2人には泣かされた。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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