虫娘

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著者 : 井上荒野
  • 小学館 (2014年8月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863834

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虫娘の感想・レビュー・書評

  • むむむ、ちょっと今回は合わなかった・・・。
    井上さんの新作だけに楽しみにしていたんだけれど。
    仕方がない、井上さんは私のなかで評価の振り幅が広い作家さんだしな。

    シェアハウスに住んでいた照(ひかる)はある日裸で死んでいた。
    彼女の死は謎に包まれたまま。
    死後も彼女の魂は現世にとどまりシェアハウスの住人や彼女の関わった人々の元へ自由気ままに飛びまわる。
    生きている人々と死んだ照の視点それぞれから物語は動いて行く。

    一癖も二癖もあるような登場人物は井上さんならではなんだけれど、ファンタジーめいたというかミステリーというかそんな要素はどうなんだろう・・・。
    私には微妙でした。
    読み終わっても一体何だったんだ!という感じ。
    残念。

  • 話がとっ散らかっていて読みにくかった。
    特に照視点の話が、ずっとそれいる?って感じで全体のテンポを崩していた気がする。そういうキャラクターだからわざと?

  • しんみりする。『だって冬は寒かっただろう?』『それに夜は暗かっただろう?』寂しかったんだろうな。
    秘密が必要になるのも、そのせいなのかもしれない。
    黙っているままでは駄目なことがあって、でも気づかないまま、その枷を外してくれる誰かをみんな無意識に待っている。
    『平気でいるには、平気でいよう、と決めさえすればいいのだ。』そう思える人間も思えない人間も、じつは互いに相手を羨んでいる。
    最初から最後まで心に突き刺さる内容だった。
    霊になって、ふよふよと漂う主人公の姿が儚く、時折とてもチャーミング。

  • 始まりから女の子が死んでいて、その子の目線で語られる。変わった設定で時間も視点も行ったり来たりの構成で面白いんだが、ミステリーではなく荒野さん定番の人が生きてく難しさを描いていた。

    微妙なバランスで成り立っているシェアハウスの住人達がひとりのバランスが悪い女の子のせいでどんどん堕ちてゆく。
    腐った蜜柑理論。

    死んでしまった子が死にたくなかった、どう生きるべきか気づいてももう手遅れ。
    おざなりや捨て鉢に生きるのを選んでいるふりをしてても虚しいばかり。やはり真面目に生きなくてはね。

  • シェアハウスで変死した照が幽霊になって色んな人について回る。シェアハウスの人もみんなおかしい。元夫婦なのにシェアハウスで暮らしたり…横領したり…とにかく壊れてる。というより井上荒野の本に出てくる人ってどこかしら壊れてる。ラストでは死にたくなかったと切に願うところがよかった。

  • 死者というものは生者のために相対するものとして在るのだとしたら、死者視点の独白というのはひどく奇妙だなあと。
    死んだあとも生きるというのは、哀しいし、やはりそれは蛇足なのだ。

  • すっきりしない後味を残し、主人公・照の涙で終結。自分の人生に100%満足している人間なんて早々いないんだろうということを思わされる本でした。誰しもが誰かに嫉妬心を燃やし憎しみをもって見えない何かに捉われているなぁと。最後に照が死んでいるように生きていたことを後悔することによってさらに報われない感じに。表紙は照かな?

  • わたしは厭だ。


    死んでるように生きるんじゃなく
    生きてるように生きたい。

    死にたくっても悔しくって死ねやしない。

  • 謎を散々膨らませておいたわりには、予想できた「真実」だったので少し拍子抜けかな。
    登場人物全員の視点で繰り広げられるミステリーっていうのもなかなか珍しいんじゃないかと思ったり。死んだ者視点っていうのはなかなか面白い。

    結局、誰もが隣の芝生は青い、って思ってるってことですよね。あの子は自由だ、充実してそうでうらやましい、って思えてしまうけど実は皆それぞれに悩んでいることがあって誰かを羨ましく思ってるってことですよね。

    物語が進むにつれて照の心境が変化していく様子が良かったです。肝心のミステリー部分は拍子抜けだったけど、終わり方はすごい綺麗で好きです。

  • 井上荒野は人間のドロドロした部分を書くのがうまいなぁ。はっきり言って登場人物誰にも共感は出来ない。照が死んだのも結局自業自得でしょって思っちゃう。

  • シェアハウスの住む樅木照は、死後も魂はこの世を彷徨う。自由奔放に自堕落に生きた娘は、住人との乱交パーティーの末に、亡くなったことがわかる。住人たちの嫉妬と悪意が、彼女に死をもたらしたのか?

  • 人間って怖ーっ((((;゚Д゚)))))))という気持ちにさせられた。なんつうか…人間関係が病んでて恐ろしい。でも実際こんなもんかも❓

  • 「生きることは淋しいに似ている」死んでも尚シェアハウスや不動産の食品曳田に寄り添うように見守る主人公照(ひかる)のつぶやいたひと言が身に染みた。

  • +++
    あの日、あたしは生き返らなかった――。
    シェアハウス〈Bハウス〉には五人の住人がいる。樅木照(ヌードモデルをしながら体を売っている)、桜井竜二(イタリアン・レストランのオーナー・シェフ)、妹尾真人(売れない俳優)、碇みゆき(フリーライター)、鹿島葉子(銀行員)、それにハウスを管理する不動産屋の青年・曳田揚一郎。
    照の謎の死が、それぞれの人物に新しい光と影を投げかける。照はその死後も彼らの頭上を浮遊している。
    +++

    樅木照(もみのきひかる)の目を通して語られる物語なのだが、当の照はすでに死んでいる。Bハウスという凝っているのか投げやりなのか判らない名前のシェアハウスの住人たちに何があったのか。あのパーティーの日に。そしてそれまでの日々に。照が生き返らなかったあのパーティーの日からの日々は、Bハウスの住人たちにとって、それまでとは全く別のものになった。照から解放されたようでいて、がんじがらめに絡めとられているような。そして照自身さえ恨んでいるのか妬んでいるのか、心残りがあるのか、どうなりたいのかわかっていないように見える。ミステリのような心理劇のような一冊である。

  • ラストは、結構よかったけど、全体的には好きではないし、あの感じの主人公は苦手。

  • 発想がかなり独特。
    乱交パーティーの末に元妻に恨まれて薬を飲まされ、雪の中に全裸で寝ていて死んだ、なんて頭おかしいし。

    誰にも同情も共感もできないまま、シェアハウスの住人同士の関係性がわかりかけてきたところで終わった…

  • 冒頭から主人公が死んでる。幽霊。
    でも、ホラーっ気は全くなし。
    全体的に良い雰囲気だが、何も解決せず終了?

  • 「虫のような」女で「食べると空腹になる特殊な食べものみたいな」女が、雪の日に全裸で死んだ。
    なんなんだ。いったい何があったんだ。
    死んだはずの女がふわふわと浮かびながら自分の死んだあと、まだ生きている自分とかかわりのあった人たちを見ている。
    その日、そこで何があったのかが明らかになっていくのだけど、何があって彼女が死んだか、それはそれでどうでもいいことのように思えて来る。
    生きているときの無関心さも、死んでからの異様な生々しさも、きっとそれも彼女にとってはどうでもいいことだったのだろう。

  • 死んだ照(ひかる)を巡るシェアハウス同居人たち。奇妙な味わい。

  • いつもとは一味違い、ややミステリー風。が、誰もが根本的にひとり、という描き方はやっぱり著者らしいといえるか。

  • なんだー、これ?
    死んだ後もその場に残ってしまうのはちょっとイヤだな。
    ただ、他人の生活が覗き見できると考えると、生きてるときにはできなかったことができるのだからアリ!?
    シェアハウスって人との距離の取り方が難しそう。

  • 樅木照は雪の上であっけなく死んだ。
    その後は、フワフワと自由に飛び回ることができた。
    照が住んでいたシェアハウスの住人たちは
    彼女のことを考えない日はなかった。
    照と住人の間に何があったのか。
    読み終えて、悲しくて淋しくて、少しだけ優しい気持ちになれた。

  • このようなシェアハウスが存在しているのでは?と思うと怖い。

  • シェアハウスの庭で、雪の日に裸で横たわって死んでいた樅木照。
    死んでいるように生きていた彼女が幽霊なのか霊魂なのかとにかく「死者」となって、生前暮らしていたシェアハウスの住人たちや不動産会社の男たちのまわりをうろつきながら、その日常や秘められた影を知っていく物語だ。
    井上荒野らしいざらざらした人物描写やゆがんだ人間関係、やたらにおいしそうな料理たちが混沌として出来上がる不思議な世界だった。

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虫娘の作品紹介

あの日、あたしは生き返らなかった――。

シェアハウス〈Bハウス〉には五人の住人がいる。樅木照(ヌードモデルをしながら体を売っている)、桜井竜二(イタリアン・レストランのオーナー・シェフ)、妹尾真人(売れない俳優)、碇みゆき(フリーライター)、鹿島葉子(銀行員)、それにハウスを管理する不動産屋の青年・曳田揚一郎。
照の謎の死が、それぞれの人物に新しい光と影を投げかける。照はその死後も彼らの頭上を浮遊している。

《Bハウスのひとたちは自分以外みんな、不自由だと照は感じていた。あたしの死によって、気の毒なことにあのひとたちはさらに不自由になってしまったらしい》

彼らは、「あの日」のことをそれぞれに回想する。あのパーティは一体何だったのか、そして照はなぜ死んだのか、それは事故だったのか、自殺だったのか、それとも殺人?

《どこからどこまでが本当なの? 私たち、それぞれまったく違うことを、本当のことだと思っているのかもしれないでしょう?》

《みんなが照を嫉んでいたにちがいない。みんな不自由だったが、照は自由だった。俺も彼女が嫉ましかった。でも、俺は殺していない。じゃあ、誰だ?》

《あの日、あのことをはじめたのは自分だった。ただ、はじめたときに悪意があった。悪意の正体は嫉妬だった》

悪意と嫉妬、自由と不自由――小さな染みがじわじわ広がり、みんなが少しずつその染みに侵されていく。そして「あの日」がやってきた。

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