小森谷くんが決めたこと

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著者 : 中村航
  • 小学館 (2014年7月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863841

小森谷くんが決めたことの感想・レビュー・書評

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  • 冒頭───
     本当に私たちは幸せでした!
     三人の少女が、後楽園球場のラストコンサートで普通の女の子に戻った。入れ替わるようにサザンオールスターズが「勝手にシンドバッド」でデビューした。世界のホームラン王は八百号を超えて、本塁打を打ちまくっていた。
     一九七八年、十月二十二日。
     おぎゃあ! とかなんとか、普通の赤ん坊が言いそうなことを、彼は普通に言った。
    ───


    スカートめくりをして女子に頬をひっぱたかれたのは、ぼくが十才の春だった。
    家の近くの空き地のそばに止まっていた車の中で蠢く人影が無性に気になり、中を覗こうと興味津々で近づいて、目が合った男に「おい、何見てんだよ」と怒鳴られたのは十五才の冬の夜だった。
    都電の電車が後ろから来ているというのに、酔った勢いで線路の上をふらふら歩いて、でかい警笛を鳴らされ死にかけたのは、大学生になった十九才の夏だった。

    少年から青年にかけて、男は時として悪戯好きなアホになる。
    小森谷君もそんな男の子だった。

    フラットで簡単な文章で綴られた、小森谷君の生まれてからの物語。
    波瀾万丈な人生が面白可笑しく語られます。

    根は真面目なのだが、その方向が時として間違った方向に進みがちな小森谷君。
    一度決めたことには、前も後ろも後も先も考えず、一心不乱にのめり込んでしまう小森谷君。

    小学校、中学校、高校、浪人、大学と、右に行ったり左に行ったり、立ち止まったり、悪友の影響を受けて暴走したりしながら小森谷君は少しずつ大人になっていきます。
    失敗も挫折もたくさん味わった上に恋愛下手な小森谷君だけど、彼の心が折れることはありません。
    彼はいつも前向きに物事を考え、一所懸命に取り組んでいきます。
    その彼の姿勢が微笑ましく、読んでいて勇気づけられます。
    がんと宣告されながら、それでも周りの友だちに心配かけないようにと、明るく振る舞う小森谷君。
    そんな彼のそばには、本当に自分のことを思ってくれる友だちがたくさんいたのです。

    気持ちが暗く落ち込んでいるときなどに読むと、心が温まる爽やかな作品です。
    あらためて、中村航作品をもっと読んでみたいと思いました。

  • ダラーとした若者の話かと思いながら、
    それでも面白く読んでいた
    後半からドキドキ
    ラストはけっこう幸せモードでよかったな
    《 知らぬ間に 応援してたよ 小森谷くん 》

  • 最初に中村さんの本に出合ったころ、その甘さが好きになりずいぶん読んだのですが、最近は食傷気味でご無沙汰していました。たまたま本屋でこの本が文庫本化されているのを見かけ、実話ベースで有る事、Amazonでの評価も良かったので図書館で借りてみました。
    「治療しなければ余命2ヶ月」と宣告された男性の少年時代から現在までを、実話を元に描いた作品です。
    バイトに精を出して留年する主人公。作中では真面目と言われるのですが、私はこういう刹那的な生き方に同感できず。最初から中盤まではどこかストレスを感じながら読んでいました。しかし発症してからはなかなか感動的で後味は良い作品でした。

  • 作家のなかむらは、男子が主人公の小説を書いてほしいと小学館の編集者に言われ、モデルとなる男性を紹介され彼の話を取材する。
    そんなリアルな書き出しで始まる。
    東京日野市に住む小森谷くんの幼稚園から大学、就職ガンとの闘病と現在が描かれる。

    なんともお馬鹿で、愛すべき小森谷くんと友達たち。不思議な力で一気に読ませてくれました。

  • 中村航氏の小説だなぁと。一人一人の立ち位置がくっきりしてるけれど、人との間はぼやっとしてる感じ。

  • あるひとりの普通の男子の半生を書いた、伝記です

    仁義ある人間に成長した小森谷くん。
    彼が影響を受けやすいどういうのもあるけど、周りの人から受ける影響って大きい。

    流れが速くて、あっという間に読めました。

  • 「中村さんの描く、男子の恋とか、友情とか、成長とか、夢とか、そういうものを読んでみたいんですよ」
    そう言った編集者が、取材相手として引き合わせた一人の男性。
    彼の名は、小森谷くん。30代前半の若者で、真面目そうな青年だった。映画の編集の仕事をしている、いたって普通の人だった。
    だけど、「最近変わったことは?」の質問にこう答えた。
    「んー特にないですけど。あ、でも何年か前ですけど、余命2カ月って言われました」
    いたって普通な人、小森谷くんの物語。


    小森谷くんとは、実在の人物なのかな?そう思わせるような構成だけど。
    書き手側の意見や感想を排し、彼が生まれてからの出来事をあるがままに書いている文章は、レポートを読んでいるようで正直面白さを感じなかった。
    というのも、小森谷くんは私の嫌いなタイプのせいかもしれない。いくら学生とはいえ、あまりにも先のことを考えていなさすぎる行動に、正直イライラさせられる。2浪もした上入った大学も、恋愛にのめり込み過ぎて単位を落とすなんて本末転倒すぎ。
    辛い治療を耐え生還し、彼女もできて良かったねとは思うけど、それだけかな。こうなんか、伝わってくるものが感じられなかった。

  • 「僕、お医者さんに余命2ヶ月って言われたんですよ。でも生き残っちゃいましたけど。」
    どこにでもいそうで、ちょといない実話を元にしたある男の子の半生。

    小森谷真くんというごく普通の男性の三十年近くに及ぶ半生の物語。
    赤ん坊の時が彼にとって最大のモテ期。(笑)
    初恋は幼稚園のちなみ先生。20歳になったら結婚すると初プロポーズ。
    自転車で駆け巡って、冒険し楽しかった小学生時代。
    暗かった中学生時代。
    学校にもロクに通わず、悪友とバイトと遊ぶに明け暮れたお馬鹿な高校時代。
    美容師の女性と初めてきちんと交際した大学時代。

    あどけなくて、やんちゃで男の子ってこんなものかって読んでた。
    でも、高校もロクに通わずバイトと遊びに呆けてるのって普通なの…(*´д`)??
    惚れっぽくて、安易にすぐに告白して玉砕…(´⌒`。)
    大学時代ももっとしっかりと考えて講義を受けなきゃって思った。
    でも、卒業してからの小森谷君は凄かった♪
    シネコンでの楽しい仲間とのアルバイトを一生懸命にやる姿。
    念願の配給会社のアルバイトに決まって…酷い会社なのに頑張り続ける姿。
    業界最大手の全国にシネコンを展開する映画館のチェーンに就職が決定。
    毎日の仕事が楽しくて頑張って、これからって時に余命2ヶ月の宣告…。

    彼の強さを病との戦い方で凄く感じた。
    沢山の友人を得てたのは彼の人柄なのでしょうね。
    生還した彼は大切なものに気付いていく。
    当たり前すぎて感謝することを忘れてしまいがちのこと…。
    これは、私もいつも心に抱いていたいなぁって想ってた事でした。
    実話との事でしたが、とっても素敵な人になってるんだろうなぁって思った。
    最後にはホロリとしました。
    友人の土岸くん、凄く凄く良い奴だぁ~(*´︶`*)

  • 取材をもとにした、1人の男の人の生まれてからのはなし。
    土岸くん。いい友達だ。
    病気しても戻っておいでって言ってくれるいい職場。

    夜中のプールに忍び込むって今はなかなかやる人いないんだろーなと思ったり。
    憧れたり。笑

  • 実に普通の男子の普通の物語。
    なのに元気付けられ感動させられ…
    なんだか自分も頑張って生きていこうと思える一冊です。
    小説というより随筆?なのかも。
    日常は平凡で、身近なようで、
    でもそれを経験するそれぞれにとって
    その出来事ひとつひとつが特別なんだ、
    ということに気づかされた思いです。

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小森谷くんが決めたことの作品紹介

「100回泣くこと」作者最新作!

初恋相手が先生だった幼稚園時代。愉快だった小学生時代。暗黒面に落ちた中学生時代。悪友とのおバカな高校時代。美容師の女性と初めてきちんとした交際をした大学時代を経て、紆余曲折の後、憧れの映画配給会社に就職が決まる。しかし、そこで、彼に思わぬ出来事が出来してしまう--。作者が出会った、小森谷真というごく普通の男性の三十年近くに及ぶ半生の物語。

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