小森谷くんが決めたこと

著者 :
  • 小学館
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863841

感想・レビュー・書評

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  • 2018/08/22読了



    中村さんと、茫漠とした表情を浮かべた長身の担当者が
    小森谷くんという一人の男性の人生を追憶していく。
    ちょっとやんちゃで影響されやすい彼の幼少期から
    大病を患い、回復するまで。
    (その人生の箇所ところどころに、その時代の事件やイベントや歌や、あと中村さん 編集者さんの様子なんかがちょくちょく入るのも面白い)


    ひとりの人生を描いたり、エッセイだったり、そういう作品はよくあるけど
    インタビューというか伝聞したものを若干脚色してひとりの人生を描くってありそうでなかったし
    新しいなそういや、って感じ。たしかに。
    中村さんの語り口でありふれた一人の半生が、ユニークでかわいくてドラマティカルになる。それも含めて面白かったし、自分の人生をあてがったらどうなるんだろう、なんてのも考えてみたり。


    彼はたびたび恋をしたり、流されたりする。単純で純粋な思考も含めて、愛されるバカ・憎めないやつ。
    だから幸せになってほしいぜなんて強く思う。
    大病から回復する過程を経ての、3.11
    やはりあの災害は、あらゆる面で日本の一つの転機となったんだろうなあ。


    彼はまだまだ生きるし、中村さんはその物語(じんせい)を物語(しょうせつ)として追わないかもしれないけど、この本を通じて、あのひとが居るんだなあと
    なんだかほっこりとした気持ちになりました。素敵な本だよ。

  • 普通の男の子の話を・・・ってコンセプトのはずが、大病を乗り越えるあたり普通じゃなくなってる。

    とはいえ、家族との別れにしても、病気になることにしても、それが生死に関わる大病であったとしても、小森谷君だけに限ったことじゃない。
    いろんな人のいろんな人生みんなそれぞれその人がけのものという意味では、小森谷君の人生もその中の一つに過ぎない。
    だから、やっぱり普通の男の子の普通の人生のお話なわけだな~~~と思ったりする。

  • はー
    二時間半で読めたのでちょうど映画一本分ですね。
    ひとりの人が、何かを感じ、考え、
    生きていく過程がとてもよかったです。
    人生は物語だ。

  • これは感動した!!泣いた!!
    普通の男の半生とのことだったが、
    不良、失恋、浪人、失恋、浪人、失恋、留年、失恋、
    そして末期癌・・・普通じゃなかったなと・・・

  • おだやかな気持ちになれる。自分の幼少期や思春期も思い出した

  • だめだめなところもあるけどイケてるところもある小森谷くん。目の前のことに一直線なところ、周り明るくする雰囲気、弱音を吐かない姿。自分も自分の人生をもっと大事にしながら周りにいる人たちと楽しく過ごしていきたいなと思った。

著者プロフィール

建築家。博士(建築学)。株式会社MOSAIC DESIGN代表。
1978年東京都生まれ。2002年日本大学理工学部建築学科(高宮眞介研究室)卒業、2005年早稲田大学大学院修士課程(古谷誠章研究室)修了。2008年同大学博士後期課程単位取得退学、助手・嘱託研究員を経て、2010年〜16年東京大学大学院隈研吾研究室助教。2011年東南アジアのストリートの屋台に関する研究で博士(建築学)取得。同年建築設計事務所MOSAIC DESIGN設立。明治大学I-AUD、早稲田大学、日本大学などで非常勤講師を務める。店舗・住宅・ホテル・商業施設・マーケットなど、屋台からアーバンデザインまで、何か楽しいことやりましょう!をキーワードに大小さまざまなプロジェクトに取り組んでいる。

「2023年 『POP URBANISM』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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