if: サヨナラが言えない理由

著者 :
  • 小学館
3.27
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本棚登録 : 459
感想 : 64
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863858

作品紹介・あらすじ

人生の「後悔」を生き直してみたら…

33歳の医師・早坂ルミ子は末期のがん患者を診ているが、「患者の気持ちがわからない女医」というレッテルに悩んでいる。ある日、ルミ子は不思議な聴診器を拾う。その聴診器を胸に当てると、患者の”心の声”が聞こえてくるのだ。死を目前にした患者達は、さまざまな後悔を抱えていた。ルミ子は患者とともに彼らの”もうひとつの人生”を生き直すことになり――!?

この世の中の誰もが、「長生き」することを前提に生きている。
もしも、この歳で死ぬことを知っていたら…

●dream――千木良小都子(33歳)
母は大女優の南條千鳥。母に反対された「芸能界デビュー」の夢を諦めきれなくて…

●family――日向慶一(37歳)
IT企業のサラリーマン。残業ばかりせずに、もっと家族と過ごせばよかった。

●marriage――雪村千登勢(76歳)
娘の幸せを奪ったのは私だ。若い頃、結婚に大反対したから46歳になった今も独り身で…

●friend――八重樫光司(45歳)
中3の時の、爽子をめぐるあの”事件”。僕が純生に代わって罪をかぶるべきだった。

女性から圧倒的支持を受ける著者が描くヒューマン・ドラマ!!


【編集担当からのおすすめ情報】
「終活」「エンディング・ノート」などが注目を集め、”いかに死ぬか”ということに関心が高まっている今、ざまざまな家族の形が自分の生き方を見つめ直すきっかけを与えてくれるヒューマン・ドラマです。

感想・レビュー・書評

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  • 懲役病棟がシリーズ物だと知り
    一作目のこちらから読んでみることにしました(^^)


    文庫(後悔病棟)と単行本と作品名が違うので
    近くの図書館で見つからなかったんですが
    単行本の方だけありました(^^)


    人の気持ちがよくわからない鈍感な医師ルミ子
    ある日患者の気持ちがわかる聴診器を拾い
    死期の近い患者の心残りを叶えていく連作短編です


    現実を書く垣谷さんにしては
    珍しいファンタジーですね


    実際に過去をやり直せるわけではなくて
    やり直したらどうなるかを
    見ることができるだけなのがなかなか面白いです
    いい過去も、悪い過去も、
    実際に変わるわけではないけど。


    自分にもああしていたらと思うので
    興味深かったです



    明日死ぬ気持ちで生きる

    これがこの本で一番伝えたいことかもしれません


    なかなか登場人物には感情移入できず
    それぞれのその後は面白かったですが。。
    星は3つで

  • 第1章dream
    第2章family
    第3章marriage
    第4章friend
    エピローグ
    医師「女性」
    女医という単語は使いたくない。差別語だよね。
    早坂ルミ子はなかなか空気を読めず
    患者との間で苦労していたある日
    相手の本音がわかる聴診器を手に入れ各章にある
    患者たちの本当の心に耳を傾けて
    患者を立ち直らせ解決していく話、
    本音を聞いて過去に戻りやり直させることが果たしていいことか、判断させる。
    どちらかといえば
    こんな話「ファンタジー的な」好みではない。
    たら、ればだし
    まあ、垣谷美雨にかかれば
    うまくまとまってはいる

    いつもの垣谷美雨節は出てこない。
    作家もいろんな範疇に手を広げないといけないから
    なかなか大変だ。

    本音、本音ね。
    どちらかといえばストレート、率直という名を借り
    本音しか言ってない身としては「自分」

    本当はストレートに物事を言ってはいけないのだ、
    オブラートに包んで相手を思いやりながら
    振舞うのがよしとされるのだ
    と今更ながら反省しきりである。

    最終的には一つ一つも
    早坂ルミ子先生もハッピーエンドに落ち着く。
    読んでも読まなくてもいい作品だった。
    構成はうまくできている
    安物のテレビドラマにはなりそう〜。

    副題のサヨナラが言えない理由
    に納得。

    後悔に関しては、どんなにベストを尽くしても
    後悔は残るらしい。
    どこかでこれでいいと折り合いをつけるのでは?





  • ファンタジーですが、少し出来すぎた話が多くてあまり感情移入できませんでした。



  • もしも、人生をやり直すことができたら。
    私の場合ではあるけれど、【しなければよかった⠀】と思い、後悔している出来事の方が多い。

    そう考えると、おおむね自分の思うように生きてこれたということなのだろうか。
    でも、どっちがいいのかな。
    やらなかった後悔とやってしまった後悔。
    紆余曲折、失敗だらけの人生だけど、失敗の上に成り立つ【今】は幸せなのかもしれない。

    ルミ子先生をはじめ、医師たちの和気あいあいの雰囲気が好きでした。




  • 過去を振り返って現実を知る。
    過去に戻っても何も変わらない。
    後悔しても仕方ないという事かな。

  • もし 人生やり直せたら

    一度は だれしも 考えます。

    その時々の 選択は 間違っていなかった。

    選んだからには その道を 最高にする。

    最近は そのように感じてきました。

    今回は 末期がん患者。

    垣谷作品は 読後感が 

    ほんわかして

    安心して 読めます。

    今度は 希望病棟を 読んでみようと思います。

  • ある女医さんが拾った聴診器が、診察すると患者さんの心の声が聞こえるという魔法のような聴診器で、それによって「つい、うっかり人を傷つけてしまう発言をする」この女医さんを医師として成長させていく話。

    色んな人の死に際の後悔と、もしやり直したらどうなっていたかを話の中の患者さんと一緒に見ることにより、人生とは何か、大切な人は誰でその人とどう過ごしたいのか、やりたい事は何か、やり遂げられたのか、そういった生きてる間にあまりキチンと考えない様な事を考える機会を貰った気がする。

    明日死んでも良いように生きるって、すごく難しい。
    でも、細やかな幸せを見つける事はできる様になった気がする。
    空が綺麗だなとか、緑の匂いがするな、とか、思わず頬の筋肉が緩むような。

  • 垣谷美雨さんの作品にはまっている。
    「もうひとつの人生」「別の人生」、死ぬまできっとそんなことを考え続けてしまうだろう自分。

    ただ私の場合は、どうあがいても自分では人生の分岐点で選択することができない、そもそもあの親の元ではなく普通の家庭に生まれてきたかったという原点に戻ってしまうのだからどうしようもない。

    だからこそ、せめて自分で選択できる分岐点だけは、しっかりと大事にしなくてはいけない、そんなことを常に考えさせられる。
    だから垣谷氏の作品が好きだ。

  • 聴診器を通して夢の中でその人の戻りたい過去に戻ってやり直しをさせてみましょうか、というお話。あり得ない事ですが小説なので。人生生きていれば後悔することなんてざら。その都度正しいとかこっちかなと思った方を選択して生きているはずなのですがね。
    ひとつ、芸能人の親が芸能界は大変だから入れさせたくないとよく言っているけど、一般社会もなかなかの大変さだよ、を声を大にして言いたい。

  • 読みやすいけど、ちょっと安っぽいファンタジーに感じてしまって、感情移入はできず。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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