- Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093863919
感想・レビュー・書評
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罪を憎んで人を憎まず。これほどこの言葉が沁みたことはないです。
最初から罪を犯す為に生まれてくる人間なんていません。
ですが、胸の内に他人への殺意を秘めている人間なんてごまんといるはず。
わたしも頭の中では何人も殺してきた。
誰もがこうなる可能性があって、決して他人事だと思えない主人公の心情に苦しくなりました。
同情も肯定もしないけれど、否定もできない。
どうすれば良かったのかもはっきりと浮かばず読了後しばらく暗い気持ちをひきずりました。
野ばらさん作品は好きでよく読みますが、なかでも心に残る一冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
負の連鎖。
職も、住も、食さえも、
どこかで、どうにか、ならなかった。
自分にも、誰にも、止められなかった。
世界は平等ではない。平等ではないけど、努力して、地位や、お金や、幸せを手に入れている人に非があるわけではない。
そして無関係な人が巻き込まれる。
こんなこと、きっと、これからもおこるのだろう。
こわい。 -
なんて悲しいんだろう。
通り魔になってしまった主人公をけして憎むことができない。指を差すことなどできない。
私たちだって一歩間違えばこうなる可能性があるのだ。
現代社会の闇を描いた、作品。 -
絵に描いたような、人生の転落。
ぐーっとのめり込んで読んでしまう文体で。
井吹満をまさに疑似体験した感覚。
後半、どんどん所持金がなくなっていく
細かな金額の羅列は息がつまりそうだった。
この本の登場人物に
いい人は一人もいない。
現実はもう少しましだと思いたい。 -
殺人鬼の話と思い読み始めた。しかしながら、主人公の色々な言動は私自身も身に覚えがある
他人事に感じなかった。
でも最後に時間が戻っても同じ事をやるとは、虚しく感じた。 -
読んでいて辛すぎた。
生まれついた環境は自分でどうにかできるものではないのに。どんどん堕ちる描写が辛い。
少しだけでも、主人公を助けてくれる何かがあれば。と思ってしまう。 -
苦しい
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「コミュ障」少年が通り魔になるまでを淡々と描いている