脱・限界集落株式会社

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863988

感想・レビュー・書評

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  • ・都会的なモールよりも、昭和の雰囲気が残った町並みに魅力。

    ・日替わり店舗

    ・プロダクトリーダー:高級戦略
     オペレーショナルエクセレンス:効率戦略
     カスタマーインティマシー:交流戦略

    ・乗合ワゴン

    ・違う土俵で、共存する。

  • 今作は駅前のシャッター通り商店街が舞台。
    町は過疎化が進んでいる。
    近くに巨大ショッピングモールができて、なけなしの客も従業員も持って行かれてしまう。

    しかし、店が利益を出すために客を呼ぶのではなく、客が満足できるサービスを提供することで年寄りを中心に徐々に人が集まってくる。

    コミュニティカフェに集まる年寄りたち。
    ショッピングモールで働く母親の帰りを待つ子どもたち。
    人手がないため畑に放置されている野菜を、農家の人に代わって収穫する若者。
    足のないお年寄りのために、車でゆる~く送迎をする若者。

    みんなが他人のためにできることをする。
    その事によって自分の居場所ができる。
    感謝もされる。

    読んでいてすごく元気になれるんだけど、こんなに上手くいくわけないじゃんと思う部分も多い。
    コンパクトシティ構想って、役場がこんなに無責任に外部に丸投げでできるんだろうか?
    ショッピングモールの店舗デザインがこんなにいい加減なわけないんじゃない?

    でも、日本のあちこちにある過疎の地域。
    元気になってほしいんだ、本当に。

  • 7月-4。4.0点。
    限界集落株式会社の続編。主人公の妻が、近隣の町の
    商店街興し。商店街を巨大モールにする話が出る。
    モールの仕掛け人は、夫の元同僚。

    続編もうまい。読ませる。
    カフェのバイト定員の男女が、非常に良い味。
    面白かった。

  • 1作目に続いて限界集落からシャッター通りの再生物語。さとり世代の再生物語でもある。

  • はじめ違う話かと思い、そして優が登場しないからだんだん心配になったけど町はきちんと進化していくので人の力ってすごいなぁと思いました。

  • 『限界集落株式会社』第2弾
    前回が農業編なら、今回は商業編。
    モラトリアムな若者…というか、「人間シャッター街」みたいな若者が、そんなに急にやる気を出すかどうかは疑問だが…
    健太とつぐみを見守りつつ、はらはらしながらも面白く読み終えた。
    農業編よりは少し街中が舞台になっている。
    都市部でも、個人の商店街はシャッター通りと化しているので、やや身近な話ではあった。
    個人商店はお年寄りの社交の場でもあるのだろうなとあらためて感じた。
    この人の描くお年寄りは、元気で明るくて良い。

  • 前作はほぼ忘れた。

  • 限界集落株式会社で止村の再興を果たした、その後の物語。
    近くにショッピングモールが出来て、そちらは賑わいを見せるようになった。
    しかし駅前商店街に賑わいは戻らない。そこへ駅前再開発の話が持ち上がった。賛成派が大勢を占める中で反対派はどう動くか。
    ドキドキ、ハラハラは無く、最後はハッピーエンド。

  • 前作は一人の青年の活躍で、消滅の危機を脱した上村のお話。
    あれから4年後の上村にまたまた危機が訪れていた・・・

    前作の主人公、多岐川優と恋人美穂は、
    気持ちのすれ違いから別居状態になっていた。
    美穂は村の憩いの場所コトカフェに身を寄せることになる。
    そこには、アルバイトとして東京からきた若者健太がいた。
    ほそぼそと生計をたてていた村だが、
    駅前の商店街の近くに
    大きなショッピングモールができ、村の生活は混乱する。
    村に新たに都会の風が吹いたのだから。

    村の商店街保存か、ショッピングモールに吸収されるか。
    都会育ちの健太はコトカフェで働くうちに、
    村人が協力し合ってコトカフェの営業を助けている様子をみて、
    なんとかこのよさを保存させたいと、保存活動に奮闘するが・・・。

    前作と続けて読むと
    高齢化のすすむ村の悩みや危機感が伝わってきて面白いと思う。
    前作も読んだのだが、少し間があいてしまい、
    話を忘れている部分も多い。

    でも両方にいえることは、
    村人たちが自分たちの村の良さをかみしてめて、
    それをいつまでも保っていこうとする姿勢を持ったということ。
    多少、出来過ぎかなと思う反面、
    人と人との繋がりで成り立つ村が
    それゆえに閉鎖的になるデメリットを持っているという問題点も指摘し、
    過疎の村の発展に
    何らかのヒントが与えられるのではないかと思った。
    前作同様、興味深く読める作品だった。

  • やはり多岐川優はすごいね、という一言で終わりそうな作品。
    ただ、筆者が所々で見ている
    グローバル資本主義(強欲資本主義)vs.草の根資本主義に対する考察はなかなか興味深い。
    確かに生産性(富を生み出す力)はアメリカ型の強欲資本主義が圧倒的に勝っているのだろうが、持続性・内部での結束力という点では草の根資本主義が勝り、結局のところ草の根資本主義に軍配があがるというものだ。

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著者プロフィール

黒野伸一(くろの・しんいち)
一九五九年、神奈川県生まれ。『ア・ハッピーファミリー』(小学館文庫化にあたり『坂本ミキ、14歳。』に改題)で第一回きらら文学賞を受賞し、小説家デビュー。過疎・高齢化した農村の再生を描いた『限界集落株式会社』(小学館文庫)がベストセラーとなり、二○一五年一月にNHKテレビドラマ化。『脱・限界集落株式会社』(小学館)、『となりの革命農家』(廣済堂出版)、『長生き競争! 』(廣済堂文庫)、『国会議員基礎テスト』(小学館)、『AIのある家族計画』(早川書房)、『グリーズランド1 消された記憶』(静山社)、『お会式の夜に』(廣済堂出版)など著書多数。

「2021年 『あした、この国は崩壊する ポストコロナとMMT』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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