東京帝大叡古教授

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著者 : 門井慶喜
  • 小学館 (2015年3月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (459ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864084

東京帝大叡古教授の感想・レビュー・書評

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  • 面白かったです。

    近代日本史が苦手で全くわからず、
    ウンベルト・エーコのことはもっと知らなくても、です。
    (よく御存じな方にはたまらないんでしょうね…。)

    帝大の教授、宇野辺叡古と
    そこに縁あって居候することになる阿蘇藤太が
    殺人事件に巻き込まれていく話。

    登場人物が実在した名前そのままで出てきたり、
    本当にあった史実が出てきたり、
    本を片手に検索検索でした。

    叡古先生と藤太のやりとりが軽妙なので
    最初ちょっとふざけたミステリーなのかと思いきや
    どんどん重厚になっていき、
    その時代の雰囲気にどっぷりつかりました。

    日比谷公園ってそういうつくりなんだとか
    帝国ホテルってそうだったんだとか。
    赤門もそういうことだったんですね。

    ミステリーとしても面白かったのですが、
    叡古先生が藤太に諭す言葉。重みがありました。
    叡古先生の言葉が、打てばすぐに響く藤太。
    なんだか羨ましかったです。(私も響かせられるかな)
    近代日本史に興味が湧いた一冊です。

    最後の方に明かされる藤太の本名。
    えーーーーーって感じですよ☆

    門井慶喜さん、他の作品も読んでみたいです。

  • 直木賞候補なんですね~(予約いっぱいになる前に読むことができて良かったです)

    面白くて、勉強になりました。というのが正直な感想です。
    普段、まず使わない難しい言葉が多くて、辞書が手放せませんでした。
    実在の人物がたくさん登場して、気分はタイムスクープハンター♪
    叡古教授と藤太のゆるぎない信頼関係も、とても良かったです。

    そして、藤太の本名は?と持てる知識を振り絞って想像したけどわからず。
    (もしかしてアナグラム?とか…)
    最後にやっと、あの方か…。

    以下、ネタバレです。
    あの方について触れています。(名前は書いていません)



    かつて、お名前を読み間違えて覚えていた私が語るには、とてもおこがましいんですが…

    日本の外交の歴史において、不世出の方だと思っています。
    戦犯とされてはいても、あの時代において誰より戦争反対を訴え続けた方だと。

    あの日、どれほどの決意であの場に立たれたのか…
    どれほどの想いであの歌を詠まれたのか…
    今再び、同じ轍を踏むかのような危うい日本をご覧になったとしたら、どのように思われるのかと…
    ふと、考えずにはいられませんでした。

    そして、
    ミステリーのレビューで、このようにネタバレのようなことを書いていいのか迷いましたが、
    門井さんが藤太の本名として”今”あの人物の名前を書かれた…ということの、私なりの受け止め方として書くことにしました。

  • さて、何処までが実在して何処がフィクションなのか。
    彼が誰なのかそれが最大の謎。

    熊本から帝大の叡古教授に会うために上京してきた五高の学生の私。
    待ち合わせの図書館で教授らしき男性に声をかけるが、彼は床に崩れ落ちる。

    いろんなことが盛りだくさん過ぎる印象。
    漱石を出す必要があったのかな。
    連続殺人の動機も弱い気がするし、現実味がないので盛り上がらない。
    叡古教授ももう少し頑張ってほしかった。
    「私」と変わらないくらいに振り回されてる印象。
    そして、さくら子との関係が意味深な割りに酷い展開で、漱石出したのもコレが書きたかったからなのか。いらないかも。
    この時代の歴史を思い出しながら、なるほどなーと読む楽しみはあるけど、うーん。
    青春物語ということなのかな。

    人が学ぶのは、よい学位を得るためではない。よい職業に就くためでもない。道徳の涵養のためでもなく、人類の知の発展のためでもなく、学問そのものの愉楽のためですらない。人が学ぶのは、藤太よ、自分でものを考えるためだ。

    誰もがノーと言う日にイエスと言う。誰もが感情に身をまかせる日に冷静になる。それは口で言うは易しいが、おこなうは絶望的にむつかしいことなのだ。勇気がいるし、闘志がいるし、何より高い識見がいる。

    彼のことは「安物の万年筆」のエピソードしか知らなかったけど、かなり波乱万丈ー。

  • 門井さんの作品を初めて読んだけど、面白かったなぁ。
    ミステリーとしてより、歴史エンタテインメントとして爆笑してしまった。いろんな人物が登場するたびに「おいおい」とツッコミながら読了。一番の楽しみは語り手の阿蘇藤太が何者であるかなんだろうね。20世紀初頭の日本政治史に詳しい人ほど楽しめることうけ合い。

  • 歴史のおさらい。

  • 日露講和条約締結の前後を時代背景に、大学教授が連続して殺されるという事件と、それに絡む熊本の五高生阿蘇藤太くん(仮名)及び帝大の叡古教授のお話。

    発端であり柱となる殺人事件の犯人捜しと、仮名の主人公の謎があるのでミステリ、それも歴史ミステリにカテゴライズされるかもしれない。
    ただ、そんなミステリの部分はあまりに取って付けた感じ否めず、そちらがサイドストーリーのように感じる。おそらく主題は叡古教授が主人公藤太に伝える言葉の端々にあるのだろうし、その言葉を得た藤太が誰であるかがキモであるように思う。

    とにかくガジェットが多すぎて漠とした印象が否めない。明治中後期から昭和前期頃までの日本の政治史や外交史を頭の隅に置いて読むと分かりやすいかも。

  • う〜ん…

  • 最高学府で起こった事件から始まる連続殺人を巡るミステリ。……なのだけれど。本質はこれ、歴史ミステリかも。残念ながら私、この時代の歴史にはまーったく詳しくなかったので。あの人の正体が判明しても「?」だったのですが。そのあたりをよく知っている人なら衝撃なのかしら。
    でも個々の謎解きの部分は十分楽しめました。当時には考えも及ばなかったハイテクが駆使されるのも楽しく。なんといっても叡古教授の稚気が楽しいなあ。わざわざあんな暗号にしなくても(笑)。

  • 五高から東京帝大に進学希望の阿蘇藤太クンの出会う殺人事件の様々・・・といった意趣のミステリーなのですが、一筋縄ではいかない日露戦争~の日本の歴史の中で浮沈する華族や庶民の暮らしまで。何より歴史上の人物が次々と現れてくれるのはうれしい。藤太クンもただそれだけじゃないだろうなと思ったら、やっぱり・・・

  • まあ、歴史の中の近代を舞台にしながらきな臭い話しとミステリを展開しながらですが、なかなかミステリとしては好きな部類の展開でしたね。

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東京帝大叡古教授の作品紹介

日本初! 文系の天才博士が事件を解決!

それでも地球は動いている。――こう語ったイタリアの科学者の名前を冠した大ヒットシリーズがある。ミステリーの主人公には、かように天才物理学者や、天才数学者がしばしば登場する。たしかに、理系の天才は見えやすい。
しかしながら、天才は文系にも存在している。
中世の修道院を舞台にしたミステリー『薔薇の名前』で知られる哲学者ウンベルト・エーコなど、その一人であろう。
この物語は、そんな文系の天才が登場するミステリーである。
物語の主人公・宇野辺叡古(うのべえーこ)は、東京帝国大学法科大学の教授である。大著『日本政治史之研究』で知られる彼は、法律・政治などの社会科学にとどまらず、語学・文学・史学など人文科学にも通じる”知の巨人”である。
その知の巨人が、連続殺人事件に遭遇する。
時代は明治。殺されたのは帝大の教授たち。事件の背景には、生まれたばかりの近代国家「日本」が抱えた悩ましい政治の火種があった。

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