希望荘

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著者 : 宮部みゆき
  • 小学館 (2016年6月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864435

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希望荘の感想・レビュー・書評

  • 杉村三郎シリーズ第4弾!

    家族と仕事を失った杉村三郎は、東京で私立探偵事務所を開業する。
    ある日、亡き父・武藤寛二が生前に残した「昔、人を殺した」という告白の真偽を
    調査してほしいという依頼が舞い込む。
    依頼人の相沢浩司にによれば、父は母の不倫による離婚後、息子と再会するまで
    30年の空白があった。果たして、武藤は人殺しだったのか。
    35年前の殺人事件の関係を調べていくと、昨年発生した女性殺人事件を
    解決するカギが隠されていたー。「希望荘」より

    杉村が4つの事件の謎を解く連作短編集。
    ・聖域
    ・希望荘
    ・砂男
    ・二重身
    460頁という結構ボリュームのある本書に4つの短編。
    一話一話がとても丁寧に描かれていて読み応えがあった。
    本作は、前作「ペテロの葬列」で、妻の不倫が原因で離婚。
    義父が経営する今多コンツェルンの仕事を失った杉村の「その後」を描いている。
    杉村ファンの私は、あの結末にショックを受けその後どうなるんだろう…って心配してた。
    だからその後を知る事が出来たのは凄く嬉しかった♪
    冒頭は、東京の北区の築四十年の完全〝しもたや〟で杉村探偵事務所を開いていた。
    途中の事件では、離婚直後は山梨の実家に戻って半年位働いてたんだってわかる。
    そこで事件…謎…に巻き込まれてそれがきっかけで東京で探偵事務所を開く
    決意をしている事も明かされている。

    杉村の相変わらず穏やかで優しく、気弱にも感じられる雰囲気。
    鋭い洞察力に心の芯に温かさや大きな優しさを抱いてる姿やっぱり素敵です
    そして、下町の温かい人情溢れる人々に囲まれている。
    大家の竹中夫人。睡蓮のマスターの水田さんまで…(笑)
    そして、力強い味方「オフィス蛎殻」の社長さん。
    竹中夫人の三男のトニー
    これから助手として活躍するのかなぁ…次作は長編が良いなぁ。

    全てのお話が、う~んあまり幸せは言い難い人々が事件を起こしてしまう。
    何とも救いのないお話ばかりで、切ないのに読む手が止まらなかった。
    宮部さんの筆力によってかなぁ…決して読後感は悪くなかった。
    とっても不思議です。
    人生は全く平等ではないという事を改めて突き付けられた気がしました。
    人は自分の人生を生きるしかないのですよね。

  • 杉村三郎シリーズ、4冊目。
    短編連作というか、中編連作というか。
    離婚の衝撃の、その後、を描いています。

    社誌の編集をしていた杉村は、時おり巻き込まれて調査のような仕事もしていました。
    財閥令嬢の妻と離婚して職も失い、今は私立探偵になっています。

    「聖域」
    亡くなったはずの女性が目撃された事件。幽霊なのか?
    杉村が調べていくと、じつは‥
    娘を訪ねてアパートに行くと、そこにいたのは?
    頼りなげな杉村だが、既にご近所さんに親しげにされ、かっての勤め先で常連だった喫茶店のマスターまで近くに店を出しているという。
    あたたかな環境にほっこり。

    「希望荘」
    息子からの依頼で、老人ホームで亡くなった父親が生前、殺人をしたかのような告白をしていたという。
    本当なのか‥?
    起きていたことを淡々と順々に調べていく杉村。
    希望という名は皮肉なのか、何なのか‥

    「砂男」
    離婚後、一度故郷の山梨に帰っていた杉村。
    もともと結婚には反対されていて、口の悪い母親には当たられるのが強烈‥でも、こういう人はいる気もします。
    周りは仕事口を探してくれて。
    行方不明になった人物の謎を解いたことから、蛎殻という名士に見込まれ、調査員になるよう勧められることに。

    「二重身(ドッペルゲンガー)」
    古い建物にあった杉村の事務所は震災で倒れ、広い屋敷に間借りしています。
    家の様子をうかがっていた黒ずくめの少女は?
    東日本大震災が起きてから、行方がわからないという男性がいた‥

    基本は現実味のある設定ですが、普通は起こらない、思いもよらない展開になるのが、さすが宮部さん。
    日常の中に潜む悪意というか、最初は悪人というほどではなかったとしても、状況に応じてやることがだんだん‥
    何考えてるんだかという人物がいろいろ登場します。
    人間は勝手な思惑でぶつかり合うものなんだねー、と。

    大人しく真面目でのほほんとしているようで~実は結構変わり者かもしれない杉村。
    杉村の味方がだんだん増えていく のが、救いとなっていますね。

  • 今年最初の作品。ゆっくり読ませていただきました。杉村さんは、私立探偵事務所を開き様々な事件と関わるようになっていきます。探偵なので、関わり方に限界はあるものの、彼の人となりがにじみ出ていてホッコリしたり、切なくなったり... どの事件もそれぞれに良かったです

  • 杉村三郎シリーズ4作目。

    「聖域」
    「希望荘」
    「砂男」
    「二重身」

    ペテロの最後、私はちょっとほっとしたんです。三郎のお母さんみたいな強烈な感情はもちろんないし、菜穂子の事は嫌いじゃない。ペテロで起こったことも、どうしても世間一般的な不倫と同じように思えない…。そして桃子もかわいい。でも、どうしてもこの夫婦を見てるのが辛かった。傷だらけになったけど、これでようやく2人の手元に自分の人生が戻ってくるのだと思ったから。


    そして、待望の続編。
    2009年1月のあの結末から2011年の震災後まで、4つの事件を追いながら、彼がどのように過ごしてきたのか少しずつわかってきます。
    菜穂子は再婚はしていないみたい。桃子とは離れながらも温かい交流が続いてる様子。

    園田編集長が好きだったので、彼女がいないのは残念だけど、親族との親交がまた始まり(なかなか毒舌揃い…)、睡蓮改め侘助のマスターとなった彼(思い浮かぶのは、完全に本田博太郎さん)が何故か側にいて、竹中夫人という心強い人に目をかけられ…、坊ちゃんに探偵としての腕を見込まれる。

    これから、どんな人と出会うのか…。


    事件や犯人そのものよりも、他の登場人物の毒気にあてられるところに、ああ、杉村三郎シリーズだなぁ、戻ってきたーと感じ入りました。

  • 長いこと図書館で予約をしていてようやく届き読了。

    ペテロの葬列は正直序盤が長く話が盛り上がるまで遅く感じ読み終わるまでに時間がかかったけれど、これは連作短編ということもありテンポよく読めた。一つ一つの作品の長さがちょうどいい。

    前作のラストは衝撃的過ぎ、感情移入して読む私としては菜穂子に対してとても強い嫌悪感を抱いたのだけれど、この作品では三郎の家族に強い怒りと嫌悪感を抱いた。
    社会を知らないあまちゃんと言われようが、あの家族の態度には理解できないし共感できない。何かもっと接し方あるんじゃないの?と思ってしまう。
    それが人間らしいといえばらしいのかもしれないけれど、私はどうにも好きになれない。
    兄嫁はとくに。でもいるよなこういう人、とも思う。
    そこがやたらにリアルで多分私の琴線に触れるのだろう。

    事件としては帯にあったような「絶望」とまでのものは感じなかった。
    短編だからかそこまで難航することなく事件が解決して行くのでミステリとしては弱い印象。
    ただ三郎のお人好しキャラというか、人情み溢れるキャラクターはとても好きなのでやっぱり読んで良かったなぁと思う。

    事件を引き寄せてしまう、とそこそこ悲観しているように見えるが探偵ならむしろ喜んで追いかけて行くほどの強さを持ってもらいたい。
    人の生死や、心の歪みなどに素直に反応する三郎だからこその弱さなのだろうが。

  • 杉村三郎シリーズの最新刊。
    離婚して独り身となった三郎は、紆余曲折を経て探偵事務所を始める。
    新たな人生を歩み始めた三郎の短編連作集。
    死んだはずのお婆さんが目撃される。幽霊なのか? はたまた何か事情があるのか? 三郎が丹念に事実を辿って行く中見つかることとはーー「聖域」。
    「昔、人を殺したことがある」そう告白して死んでいった父。苦労を重ねて来た父。そんなことがあったとは信じ難い息子からの依頼ーー「希望荘」。
    離婚後、山梨の実家に帰っていた三郎。探偵事務所を開設するきっかけになったエピソードーー「砂男」。
    東日本大震災から二ヶ月。三郎が借りていた築四十三年の事務所兼自宅は使い物にならなくなってしまう。新しく間借りした狭い事務所に、全身黒ずくめの少女がやって来る。「希望荘」の依頼人の息子の友達の友達だという。母の交際相手が震災の直前から東北に旅に出てしまい、行方不明なのだとーー「二重身」。

    ところどころに描かれる三郎と、小学四年生になった娘・桃子との交流が切ない。
    「娘とつないだ手を離すとき、私はいつも、自分のなかで何かが剥がれるのを感じる。それはたぶん、傷がふさがってできたかさぶただろう。そしてまた少し血が流れる」

    現代を深く切り取る、宮部みゆきの真骨頂。

  • 杉村三郎シリーズ。離婚し、義父の会社を辞め、探偵事務所を開業。場所は大地主竹中家の賃貸物件。ついでに前の会社の1階にあった喫茶店「睡蓮」のマスターも近くに引っ越し開店するという。好きな登場人物だったのでうれしい。連作短編で、1話1話は短いものの、やっぱり宮部作品は重いことや怖いことも書き込まれているなと思った。でも主人公杉村三郎は離婚でうじうじしていないし、毎回思うけど、重い事件に遭遇しても結構淡々としているところが読みやすい。

  • 杉村三郎シリーズ。
    衝撃の離婚からのその後のおはなしが4つ。

    いきなり私立探偵事務所なんて始めてるので、あれ?こんな流れあった?となるけど、そのあたりのいきさつは3話目で明らかになります。
    調査会社の下請けをしつつ、警察には相手にされないような気がかりや人探しの相談事を請け負ううちに潜んでいた闇を明らかにしてしまう、というようなおはなしでした。

    ちょっとぞくりするような、そして露わになる感情は分かりたくないけど分かってしまうような人間の嫌な部分をついてくる。
    登場人物が結局みんないい人みたいな話よりは読みごたえがあるけど、ほんとやりきれなくて切なくなっちゃうよね。
    今日は折しも東日本大震災から5年半とニュースでもやっていたけど、あの直後の津波の恐怖やら原発事故の混乱やら作中にも登場して、なんか自分のなかでの風化具合に凄いいたたまれないし情けない。

    まあそれでも、杉村さんがそれなりに前向きに頑張ってるのが良かったな。娘さんとも仲良くやってるみたいで安心した。

  • 宮部みゆきってだけで期待しまくって読んだせいか、あんまり淡々とした感じで宮部みゆきのあのスリリングな感じが全くなく、宮部みゆきらしさの欠けた内容でした。

    ほんわか系のサスペンスといいますか、なんとも物足りないものでした。

    図書館でも予約ランキングに入っており、すごく期待しただけあってとってもがっかり。。。

    とくに宮部みゆきがいつもラストに綺麗に伏線片付けていく感じがたまらなく好きな私は、ラストにとてつもなく期待したためにどーもパッとしない感じでした。。?

  • 杉村三郎シリーズ。相変わらず、ほのぼのしたような、のんびりしたような文章なのに、結末がちょっとほろ苦い。前作のように長いのより、これぐらいの短編の方がメリハリがあっていいかも。

  • 杉村三郎シリーズ。
    離婚後故郷に帰り、そこで事件に巻き込まれた後探偵事務所を開くようになった経緯や、探偵としてかかわった事件のいくつか。
    どの話も面白かった!
    杉村三郎という少し頼りなげだけど心持の温かい探偵像が良かった。
    離婚も時には糧に!がしみじみと心憎い。
    続編が楽しみ。

  • 杉村三郎が私立探偵となり、身近な依頼を解決出来てしまった感じの4話。
    その中でも題名になっている「希望荘」は心にしみるストーリーでした。

    警察が動いてくれないけど調査して欲しい件って、依頼人にはさまざまな理由があるものですね。

  • 「君はおじいちゃんを自慢にしていい」幹生は言った。「でも、もういない」
    これほど深い喪失感を、これほど端的に表す言葉を、私はほかに知らない。全部ひらがなで書けるこの発言の幼さにも胸を打たれた。
    この文章にすごく魅かれた。短い文章なのに、物凄く印象に残った部分だ。

  • それなりにおもしろかったけど、やっぱり宮部サンは長編が好きだな。
    ペテロがかなり読みごたえがあったので、ペテロと比べるとどうしても、、物足りない。
    個人的には砂男がゾクッとして良かった。

  • シリーズいつもながら面白くてどんどん読んでしまいつつそこはかとなく落ち込む読後感
    楽しみました。

    短編集なのもあって元妻の実家だの大家だのさまざまな資産家の人がいつも以上に出てくる
    貧しめな読者にとってはそこがおとぎ話みたいな感触で、独特な魅力のあるシリーズだなあと思うのですが
    長年顔出しでベストセラー作家をされてる作者さんは考えてみれば圧倒的に資産家側の人なんだろうし
    作者さんにしてみると資産家の人々の生活が身近なもので、カップ麺しか食べてない老女をリアルに描くほうが想像力を必要とすることなのかなあ…とかあまり関係ないことを考えてしまいました。
    読んでてついつい、貧富とは……みたいな遠い目になるシリーズであることよ
    蠣殻さん萌え

  • STORY BOX2014年12月号〜2016年5月号の17か月に渡って掲載された3編とオール讀物2015年6、8月号に掲載された1編の中編。「砂男」の改題前の「彼方の楽園」は連載中に既読。杉村三郎は公平で、実に好ましい。陰惨さのない「聖域」が好きです。「希望荘」も救いがあり良いです。4編とも話に無駄が無く、夢中になりました。

  • 彼女の周りには調査役がいるんだろうなぁ~『聖域』近所の50代後半の一人暮らしの女性は,薬局の柳さんに相談し,アパートの階下の老齢の女性が死んだはずなのに,上野で車椅子に乗っているのを見掛けたと言い,調べてくれと言う。手付け金は5千円。巡回管理人・家主と辿り,前の住所を割り出して訪ねていくと,聖域に通う女性3人がいるが,女性の娘は行方不明だ。残されたブックカバーから上野の洒落た雑貨店に行き着き,上野のホテルに長期滞在している二人を発見する。『希望荘』池袋で洒落たイタリアン・レストランを営む男から,生前「人を殺した」とスタッフに言い続けていた父の真実を探ってくれと依頼された。昭和50年に魔に憑かれて取り返しのつかないことをしたと言い続けたが,妻の浮気で工場を追い出された男は,工員として職場を転々としていたが,城東区・昭和50年というと,運送会社に勤めていた女性が運転手に交際を迫られて断ったために殺された事件らしいが,犯人は仲の良かったアパートの住人に付き添われて捕まり,服役も終えているが,別人だ。ぶつぶつ言いながら誰に聞かせたかったのと云うと,クリーニングスタッフ…。『砂男』杉村三郎が探偵業を始めた訳は…。大学進学をきっかけに山梨から出て行った三郎は,出版社に勤め始め,結婚して財閥系の冊子の編集室に転身。娘も出来たが,編集室を辞めさせられた女性が逆恨みし,三郎の妻と娘を誘拐する事件やバスジャックに巻き込まれ,妻の不貞で離婚・退職・帰郷した。産地直送の市場に勤めたが,配達先の20代半ばの蛎殻昴氏が時々訪れる斜陽荘に呼ばれ,蕎麦屋の男が東京に住む妻の友だちと駆け落ちしたらしいのだ。調査の手伝いを依頼された。男は中学2年の時,父が出張でいない夜,家に火を付けて母と妹を殺した疑いがあるのだが,それが20年経った姿と重ならない。妻の妊娠を知って,一晩中家の裏で身体を抱えて嘆いたという証言。相手の女性がクレジットカードを利用し,居所が割れた。真相は…。『二重身(ドッペルゲンガー)』四谷でカジュアル・アンティークショップを営む中年男性が震災後に失踪した。付き合っていた子持ち中年女性が嘆くのを見ていられない単位制高校に通う女子が捜してくれと言ってきた。地震で事務所が傾き,大家の家の一角を借りた。震災から二ヶ月,店を始末することが決まり,店を守っていたアルバイトの松岡も仕事を失う。松岡は店主の恋人の娘に無理矢理,万引きをやらせた知り合いにブランドの指輪を処分する手伝いをやらせようと接触してきた…~一人で考えて調べて書いているとしたら驚異的だ。ぼんくらシリーズも読んだが,回りくどいが実際の犯罪捜査とか失せ者探しは時間が掛かるだろうし,勘が働かないと手掛かりを掴めないかも知れない。この作品の前後作ってあるのだろうか??

  • 杉村三郎シリーズ短編集。予想通りというかなんというか、探偵始めたのですね杉村さん。そしてまさかマスターが本当についてきてしまうとは(笑)。
    どの物語も読み心地はほんわかムードではあるけれど、事件は決してほんわかしていなくて。派手さはないものの、かなり重く感じられるものも多いです。だからこそ、杉村さんの温かくけれども飄々とした姿勢がいいんだろうなあ。
    お気に入りは「砂男」。うーむ、このテーマは同じく宮部さんのとある作品に似ている気もしたのだけれど。なおさら哀切に感じました。「まともな人間」っていったい何なのでしょうね。善とか悪とか、そんな単純な言葉でくくることのできないのが悲しいなあ。

  • 杉村三郎シリーズ4。前作で離婚した杉村さんが探偵となる経緯を絡めつつな連作短編集。
    宮部作品によくでてくる下町のお金持ち一族が杉村三郎シリーズにも登場。探偵杉村さんに何かと便宜を図ってくれます。
    どの話もこのシリーズらしく毒気があり読んでいてどんよりしつつもおもしろかった。その中でも杉村さんが探偵となる事件を扱った「砂男」がおもしろかったです。

  • 杉村さんシリーズ待ってました。そしていよいよ探偵業開業!…と思いましたがブランクがあったのですね。ん?蛎殻ってナンダッケナ?と思ったらちゃんと後で解説(?)の一編が出てきました。
    もう、ちょっと遠いところにいる疎遠ないとこか甥っ子を見守るような気持ちで読んでましたね。がんばれ杉村(笑)

    杉村自身の家族のこともそうですが、今回は家族の関係性ということを考えさせられる話が多かったですね。

    かなりヘビーな案件もありましたが、依頼人がご近所さんや高校生が多く、探偵業もまずは手慣らしといった感じでしょうか。母屋のトニー(だったけ)これからも重要登場人物になりそうな予感。
    たまに音信のある親戚の気持ちで、今後の杉村も見守っていく所存です(笑)

  • 前作の衝撃のラストから待ちに待った新刊。波乱万丈な人生を送りつつも、杉村さんが元気そうで良かった。シリーズも長くなってきて、自分でも思いがけず感情移入していたらしく、前作のあの終わりがショックで。
    人が今いる場所からいなくなるという共通項を持つ事件。それは自発的であったり、やむを得ずという事情があったり、事件性があったりと様々ではあるけれど、そこにいたという事実も人の記憶も変えられないという事はそれが物語になるんだなあと思った。
    杉村さんの体験を思い起こさせるような事件の連続で、特に表題作の「希望荘」は明るく見えるタイトルながらも杉村さんの人生を感じる切なさもあり。何度も見られた、桃子ちゃんとのやり取りもきっと成長にしたがって変わってくる事を想像すると、見たいような見たくないような…。
    また気長に続刊を待ちます。

  • シリーズ第4弾。
    衝撃の結末から、私立探偵として再スタートした姿を描く。
    杉村三郎の元気な現状を読めてよかった。
    人の身勝手さ、悪意、心の闇など、相変わらずざらざらして、読後感は決して良くない。
    それでも、杉村の人の好さが中和してくれる。
    震災をこう描くか、という驚きがあった。

  • 宮部みゆきは上手いなぁ。外れがない。この杉村シリーズはなかなかほろ苦くて、読むのが辛いところもあるが、近所の人やかぞくの人とのやりとりがほっとする。

  • 図書館で借りた本。4話の短編集。杉村三郎シリーズ。離婚後に杉村探偵事務所を開き、喫茶店睡蓮のマスターも杉村の事務所近くに引っ越してきて侘助という店名で店をオープンさせていた。以前のリーマン時代とは違い本格的に探偵で生業を立てる。4話の中では砂男が胸糞悪くて好きかな。程よい長さの短編集なので読みやすい。

  • 杉村三郎三部作が終了し、探偵業を営むその後が描かれています。その模様が短編で展開していく話も面白いし、いろいろな事項や人物が今後どうつながっていくのか、楽しみでもあるけれど、一番興味深いのは離婚した妻と桃子ちゃんのこと。この作品の中でもちょくちょく触れられますが、気になる。それにしても三郎さん、30代とは思えない。

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探偵・杉村三郎シリーズ、待望の第4弾!

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失意の杉村は私立探偵としていく決意をし、探偵事務所を開業。ある日、亡き父・武藤寛二が生前に残した「昔、人を殺した」という告白の真偽を調査してほしいという依頼が舞い込む。依頼人の相沢幸司によれば、父は母の不倫による離婚後、息子と再会するまで30年の空白があった。果たして、武藤は人殺しだったのか。35年前の殺人事件の関係者を調べていくと、昨年に起きた女性殺人事件を解決するカギが……!?(表題作「希望荘」)
表題作の他に、「聖域」「砂男」「二重身(ドッペルゲンガー)」の4編を収録。

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