芝浜: 落語小説集

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 93
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864497

作品紹介・あらすじ

「落語の人情世界」を本邦初のノベライズ

時代小説の第一人者が、「落語の人情世界」を本邦初のノベライズ。
夫婦の愛情を温かく描いて、屈指の人情噺として名高い「芝浜」のほか、登場人物がすべて実直な善人で、明るい人情噺として人気の高い「井戸の茶碗」、船場の商家を舞台にした大ネタ「百年目」、一文無しの絵描きが宿代の代わりに描いた絵から意外な展開となる「抜け雀」、江戸末期の名脇役だった三世仲蔵の自伝的髄筆をもとに作られた「中村仲蔵」を収録。
いずれも、人情世界を温かく描いて、落語ファンからも人気の演目です。

【編集担当からのおすすめ情報】
本邦初、落語のノベライズです。
屈指の人情噺として知られる「芝浜」ほか、「井戸の茶碗」、「百年目」、「抜け雀」、「中村仲蔵」など、人情世界を温かく描いて、落語ファンからも人気の演目です。

感想・レビュー・書評

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  • 落語を聴いた方が面白い気もするが、「芝浜」「井戸の茶碗」「抜け雀」「中村仲蔵」の4作は、それなりに面白かった。

  • 『#芝浜 落語小説集』

    ほぼ日書評 Day649

    お馴染みの落語ネタをノベライズした本。知ってる噺ばかりだから、小説仕立てにすることで、どんな意味があるのか?と思っていたのだが、実際読んでみると意外に面白い。
    心理描写的なところは、やや説明ぽさが目立ち、上手い演者がさりげなく仕草で感じ取らせる落語ならではの方が個人的には好みだが、逆にファクト説明的な内容は、ああそういうことだったのか!と気づきも多い。

    たとえば『井戸の茶碗』の屑屋さんの住まいが、今のアークヒルズのあたりとか、『抜け雀』の絵師は狩野派に属するながら伊藤若冲を学びたいと願い出たために父から破門されたとか、地の文を読んで、疑問に思った箇所はググって…というプロセスも踏めるので便利である。

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  •  どの話も落語では有名なんだろうけれど、芝浜以外はお恥ずかしいながらご存じありませんでした。どれもいい話だけれど、最後、落ちの一行ですとんと余韻を切られるようでして。これが落ち着くということなんですかね、などと…
     時代小説で好きなのは衣食住を細やかに描かれているところ。食べ物、着るもの、タバコを吸う仕草とそんなところの描写が読んでいて心地よくなる。筆力の問われるところで、この本では申し分ありません。
      いい女房がいてこそ男が上がるということを身に染みているのでございます。多くの女性に読んでほしいものです。なんて言ったら今の時代はそうじゃないんだと叱られそう。

  • やはり落語の面白さは口演にあるという当たり前のことを確認!

  • 落語小説集~<芝浜><井戸の茶碗><百年目><抜け雀><中村仲蔵>~落語も一力さんに料理されると面白くなくなる

  • 落語を文字にしようとする一力さんの力量は見事。確かにそのなかに人々は生きている

  • 寝る前に一つずつ読むのにちょうどいい感じ。いい気持で寝られる。
    けど、生の落語で聞きたいね、やはり。

  • 芝浜

    井戸の茶碗

    100年目

    抜け雀

    中村仲蔵

  • 内容紹介
    時代小説の第一人者が、「落語の人情世界」を本邦初のノベライズ。夫婦の愛情を温かく描いて、屈指の人情噺として名高い「芝浜」のほか、登場人物がすべて実直な善人で、明るい人情噺として人気の高い「井戸の茶碗」、船場の商家を舞台にした大ネタ「百年目」、一文無しの絵描きが宿代の代わりに描いた絵から意外な展開となる「抜け雀」、江戸末期の名脇役だった三世仲蔵の自伝的髄筆をもとに作られた「中村仲蔵」を収録。いずれも、人情世界を温かく描いて、落語ファンからも人気の演目です。

  • 週刊ポスト2011年32号、2012年19号、2015年2〜5号、15〜18号、33〜36号のものに加筆修正して、2016年9月に小学館から刊行。人情、武家ものの5つの江戸落語小説。語り口に一力節が入っていますが、オチまでそのまんまの江戸落語でした。一力さんの落語を聞いたような気になります。講談ぽいところも。井戸の茶碗、百年目なんかは、上方落語でも演目になっていて、古今亭一門の方や、桂米朝さんなんかの噺を思い出しました。で、一力さんは、江戸の人なんやなぁとあらためて気づかせて貰いました。

  • 2011年から15年にかけて「週刊ポスト」に掲載された5噺の単行本化

    ご存じ人情噺の芝浜、井戸の茶碗、百年目、抜け雀、中村仲蔵のストーリーに、筆者一流の風味付けというか肉付けをしているが、古典落語の紹介でもなければ、そこを発展させて新たな物語を展開させたわけでもなく、筆者の力量からすると中途半端な印象が残ってしまった。

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著者プロフィール

1948年高知市生まれ。都立世田谷工業高校卒。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空関連の商社勤務等を経て、97年「蒼龍」でオール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で直木賞を受賞。江戸の下町人情を得意とし、時代小説界を牽引する人気作家の一人。著書多数。

「2023年 『草笛の音次郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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