墨田区吾嬬町発ブラックホール行き

著者 :
  • 小学館
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864572

作品紹介・あらすじ

あたし、一流のヘラ絞り職人になる!

小倉ひかりは、高校卒業後地元の洋菓子会社に就職したが、ある失敗をきっかけにそこを辞め、ツブラヤ絞に頼み込んで見習いとして入社する。ツブラヤ絞りは、父の安太郎が勤めていたが、ひかりが9歳のときに失踪していた。
ひかりは天才的なヘラ絞り職人だった父のことが知りたい、父に会えるかも知れないという思いで、同じ会社に入ったのだ。突然いなくなったことで会社に損害を与えた父を良く思わない社長の妻志麻や、娘のカスミは、ひかりに冷淡だった。しかし、ヘラ絞りに夢中になるひかりはめざましい上達を遂げ、皆から認められるようになる。
数年後の真冬のある日、ひかりにテレビ出演の話が舞い込む。それは、旋盤工の職人と同じ題材作りで対決してほしいというものだった。父が見るかもしれないと考え、引き受けたひかりは、その勝負に勝てるのか。
そして、宇宙の謎解明につながる大きなプロジェクトに関連する仕事が、ひかりに届く。今度は、同じヘラ絞り職人との対決に勝つというのが条件だった。勝敗の行方は?
さらに、父・安太郎の失踪には、ひかりの知らない衝撃の真実があった――。



【編集担当からのおすすめ情報】
「ヘラ絞り」とは、回転させた金属の板状素材を、ヘラと呼ばれる金属の棒を押し当てて少しずつ変型させ、必要とされる形に成形加工する技術です。
これまで目立たなかった女の子が、「ヘラ絞り」職人として成長し、信じられる仲間を得て科学の最先端のプロジェクトに関与するまでになる、モノ作り小説です。
また、父との再会を願うひかりの思いや、父の失踪の背景を通じて、「父と子」について考えさせてくれる、ハートウォーミングな感動作でもあります。

感想・レビュー・書評

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  • あの例の対決の場面読んでて、「これ知ってる!」と。
    そう、某番組のあの対決見てましたもん。ヘラ絞り職人対旋盤工の手に汗握る対決!すごかった。
    あのどきどきにこんなところで再会するとは。しかも今度は父親捜しを心に秘めた女子が職人ときたら、これはもう応援せざるを得まいて。まぁ、父親失踪のあれこれはちょっとアレだたけどそれでもやはり「職人」の神業を充分に堪能できる一冊。タイトルが少し残念かなぁ。

  • ヘラ絞りという馴染みのない金属加工工場を舞台にした青春小説。すごく熱中する類ではないけれど全体的には楽しめました。

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著者プロフィール

1962年、東京都生まれ。専修大学文学部国文学科卒業。1994年に『恋人といっしょになるでしょう』で第7回小説すばる新人賞を受賞してデビュー。著書に『キリの理容室』『料理道具屋にようこそ』『わたし、型屋の社長になります』『就職先はネジ屋です』『鋳物屋なんでもつくれます』『天職にします!』『あなたの職場に斬り込みます!』などがある。

「2023年 『お菓子の船』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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