- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093864633
作品紹介・あらすじ
『神様のカルテ』シリーズ外、初の長編!
「お前は、ただの物知りになりたいのか?」
夏木林太郎は、一介の高校生である。夏木書店を営む祖父と二人暮らしをしてきた。生活が一変したのは、祖父が突然亡くなってからだ。面識のなかった伯母に引き取られることになり本の整理をしていた林太郎は、書棚の奥で人間の言葉を話すトラネコと出会う。トラネコは、本を守るため林太郎の力を借りたいのだという。
痛烈痛快! センス・オブ・ワンダーに満ちた夏川版『銀河鉄道の夜』!
【編集担当からのおすすめ情報】
300万部超のベストセラー『神様のカルテ』著者、
初のファンタジー長編!
感想・レビュー・書評
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レビューを拝見して知った本です。
ありがとうございます。
『夏木書店』という古典文学を扱う古書店を一人で営んでいた祖父を亡くした引きこもりで、本をこよなく愛する高校生、夏木林太郎は引き取ってくれる叔母はいますが、天涯孤独の身となります。
そこに特殊な条件に該当した人間でなければ姿が見えないヒトの言葉を話すトラネコが現れます。
そして、そのトラネコと一緒に第一の迷宮から、第二、第三の迷宮を訪ねる冒険譚です。
各迷宮には、その迷宮ごとに現れる人物と本についての禅問答のようなことを毎回します。
第二の迷宮からは、林太郎のクラスメイトで学級委員の柚木沙夜も仲間に加わります。
そして冒険は終わったと思いきや、最後に沙夜がさらわれてしまい、林太郎は最後の冒険をして、各迷宮で出会った人物が林太郎と出会ったことによってどう変化したか知るところとなります。
”どうせ登るなら高い山に登りなさい。絶景がみえる”
”「本には心がある」人の思いが込められ、大切にされ続けた本には心が宿るようになる”
”「人を思う心」それを教えてくれるのが本の力だと思うんです。その力がたくさんの人を勇気づけて支えてくれるんです。”
等の言葉が印象に残りました。
私も、もっと古典文学をじっくり時間をかけて、かみしめて読みたいと思いました。
できれば、沙夜のようにアッサムティーにミルクとお砂糖をたっぷり入れて。-
まことさん
おはようございます。
いいね!有難う御座います。
私も、まことさんが感銘を受けた3つの言葉は、すごくいいと思いです。
こ...まことさん
おはようございます。
いいね!有難う御座います。
私も、まことさんが感銘を受けた3つの言葉は、すごくいいと思いです。
こんどアッサムティーにミルクとお砂糖をたっぷり入れてみたいと思います。
やま2019/11/09 -
2019/11/09
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あれ?私って、何で本を読んでいるんだっけ?
いつのまにか本を惰性で読むようになってしまった、本を読む理由がわからなくなった…
そんな人にこそおすすめなのがこの「本を守ろうとする猫の話」!
さくさくと読みやすいけれど、ゆったりとなぞっていたい、心につねに灯していたい名言が沢山あります。
主人公の林太郎と共に、本を読む理由を、本が何を教えてくれるかを、改めて迷宮の中で考えてみませんか?
幼い頃に両親が離婚し、さらに母を亡くし、夏木書店を営みながら育ててくれた祖父も亡くしてしまった林太郎。
林太郎は本が好きで、引きこもりがちで臆病な高校生の男の子。祖父が亡くなってからいよいよ引きこもり、ずっと学校にも通っていない。
そんな林太郎の前に現れたのが、しゃべるトラネコ。名前はまだない(というか最後までない)。
トラネコは林太郎に、本を救ってほしいと頼む。
慌てる林太郎。
了承したわけじゃないのにグイグイ引っ張っていくトラネコ。
いつのまにか林太郎とトラネコは異次元におり、トラネコはこれから迷宮にゆくのだ。そこで本を救ってくれ。救えなかったら帰れないと言う。
超危険な行為である。
やはり慌てる林太郎に、なぜか落ち着いて、お前なら大丈夫だと信じている様子のトラネコ。
ツッコミ役が必要なのでは?という展開にもかかわらず、トラネコの醸し出す威厳がその必要はないと文字からオーラを放っている。
さてはて、トラネコと林太郎は迷宮から無事帰ってこれるのでしょうか?
どのキャラもほど良く個性的で面白い。
タイトルは「本を守ろうとする猫の話」だが、実際に本を守る役目を担うのは、他ならぬ林太郎だ。
トラネコは、まるでミヒャエル・エンデの「モモ」に出てくるカメのしゃべるバージョンと言ったところか。先導役のような立場で、謎が多い。
まあ全て明かされて終わりっていうのも、想像の余地がなくてつまらない。スパイス程度の謎は残しておいた方がロマンチックでいいのだ。
本作はファンタジーの側面もあり、少年の成長譚の側面もあり、するりと読め、読後感もいい。
けれど、林太郎の成長を通して、林太郎が本というものに向き合うところを描くことで、今の社会での本の価値や読書の在り方を取り巻く問題に対するアンチテーゼな側面も含まれていたと思う。
アンチテーゼというと過激な印象を与えてしまうが、その問題提起の仕方はとても爽やかかつ鮮やかだ。
林太郎は本当に、本を、読書を愛している。
そしてこの物語を描き上げた著者も、とても本を愛しているのだろうと、強く感じられた。
最初に、この本は本を読む理由がわからなくなった人におすすめと言ったが、本を愛する人にも、強く薦めたい。
やっぱり読書って、本って、最高だ!愛してる!
この気持ちを忘れずに生きていきたい。
いい意味で本に溺れたい。もちろん、心の錨は下ろしながら、ね。 -
神様のカルテでお馴染みの夏川さん。
文章がとても優しい。
今作は4つの本にまつわるファンタジー連作でした。
読書の好きな方なら、ちょっと考えさせられる内容です。_φ(・_・
本を作る、売る、読む…
紙の本が売れなくなった今を象徴するような4人の
敵とディベート的な対決で解決する。
ちょっと哲学的なお話でした。
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みんみん
いやー楽しかったねー
来年もよろしくね
良い本に出合ったらちゃんとお裾分けするんやでw
1月はさらにブクログに顔出せな...みんみん
いやー楽しかったねー
来年もよろしくね
良い本に出合ったらちゃんとお裾分けするんやでw
1月はさらにブクログに顔出せなくなると思うけどいい子にして待ってるのよ2022/12/30 -
メロリン楽しい一年だった〜♪
まさか本で語り合う日がくるとは!
良い本たくさん見つけるぞ(^_-)
よいお年を〜‼︎
メロリン楽しい一年だった〜♪
まさか本で語り合う日がくるとは!
良い本たくさん見つけるぞ(^_-)
よいお年を〜‼︎
2022/12/30
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名言が沢山!この本の名言は大好きです。
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本とは何か?という問いを、林太郎と同様に投げかけられている気分で読み進めた。
商業主義に走らず、本そのものが持つ素晴らしさを追い求めようとするのは、作者の夏川さんの思いなのかな。
ファンタジーな部分に入り込めないところはあったけど、テーマ自体は好きだった。 -
本が好きな方に贈るファンタジー物語。ファンタジーはとても素敵なお話しなんですが、やっぱり夏川草介さんは、神様のカルテをはじめとする医療系がいいかな。
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「神様のカルテ」シリーズで馴染んだ筆者の文章が心地よかった。カルテでは物語を通してコーヒーの匂いがしたけど、このお話にはアッサムティーが注がれていた。
各章に登場する「閉じ込める者」「切りきざむ者」「売りさばく者」が本についてそれぞれ話すことは、自分にも思い当たるところがあった。主人公がそれらに向き合う姿を見ていると、筆者が日頃思っていることが直接伝わってくるようだった。
最後の20ページくらいまで、結末がどうなるのかわからなくてハラハラした。
医療系でないお話もこんなに温かくて、夏川草介さんの本はこれからも逃さず読んでいきたい。 -
すごく読みやすかった。
読書ブランクになった時に読みたい本。
一年に何百冊読んだ、
速読で多くの本を読む、
売れる本だけを作る、
それが果たして正しいのかどうか…
たくさん本を読んでいるからといって偉いわけじゃないよなぁってTwitterやってると思ってしまうことがあったり、速読はビジネス書を読む時にはいいかもしれないけど小説向けではないと自分では思います。
その社会のニーズに合わせた「求められている本」を作るということに対してはちょっと難しかったです、、悪いことじゃないと思う。
本の力ってなんなんだろう…
小説ばっかり読んでも意味ないって言う人もいるけど、小説も自分の役に立つんだって言える人になりたい。 -
トラネコのトラと林太郎 二章からは紗夜も加わり、共に書の迷宮で色々な問題を解決していく。
「本を閉じ込める者」 「切りきざむ者」 「売りさばく者」
じっくりと読む読書スタイルが理想だけど
確かに時間がかかるのは気になる。
図書館で借りることのできた本には返却期限があり、購入した本は後回しになり積読…
四章 林太郎の言葉「人を思う心」を本は教えてくれる それが本の力それがたくさんの人を勇気づけて支えてくれる。
私にとっても読書は色々学べて勇気づけられる楽しい時間それが良い。 -
旅先でふと書店に立ち寄ったときに、数ある本の中で平積みになっていた本作のタイトルと表紙に惹かれて買ってみた。(なぜ惹かれたのかは分からない)
昨今、SNSをはじめインターネットが爆発的に普及していることもあり、好んで本を読む人は明らかに減ってきているように思う。加えて、要約サイトや箇条書きされている重要な箇所だけ流し見するなど、それは本当に読んだと言えるのだろうかと疑問に思うこともある。
また、ビジネスの世界では「本を読むからにはアウトプットするべき」「行動につながらなければ読んだ意味がない」という発言も多く見られる。
確かにせっかく自分の時間を投下するのであれば何かしら実になるものとして昇華したい気持ちも分かる。(皆忙しく、効率を求めている)
ただ、個人的に本というものの本質はそこではないような気がしており、以前からずっとモヤモヤを抱えたままだった。
本作にはそんなモヤモヤを解消してくれる一つの答えが記されており、読んだ後にじんわりと心が温まるような作品だった。 -
本の大切さと、本を読みそれを元にどう生きるのか?
人を思う心が大切。
人は支え合って生きて行くものと教えてくれます。
この本は夏川草介の『銀河鉄道の夜』だと思いました。
本好きな自分は、今まで通り、気にいった本を読んで行こうと思います。
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読み終わった最初の感想としては、本とは?本を通して何を得ようとしているのか?を振り返り考えてみようと思いました。
大まかな物語の概要としては、引きこもりの高校生の元に現れた不思議な猫と共に、本の危機を救っていく内容です。一見ファンタジーのようにも見えますが、本に迫る危機が現代の書物を取り巻く環境と同じであり、現実問題としてどうあるべきかを考えさせられます。速読や要約であったり、売れる本を作ることが重視されつつある環境であったり…。
速読や要約は、時間がない中で内容を把握したい場合の方法としては良いと思いますが…時間をかけて読むことで、より内容を理解し自分の中に落とし込めるのでは?と訴えかけているように思えました。
また、本を読むことの意義についても考えさせられる内容となっていました。
数を読む・読むという行為が目的となっていませんか?本を読むことで、何を得ようとしていますか?得られたことを、自分の生きている中に活かしていきませんか?と語りかけているようでした。
ふと振り返ると、時折思い出したかのように読み終わった本を再読することがあります。それは、その本の何かが自分の琴線に触れ、再度触れたい・学びたいと思ったために起こした行動なのかなと思いました。
本を読むことが好きな方は、一読する価値はあるかなと思いました。 -
読書ってそうだよな
まさに現代社会にメスを入れる作品だった。仕事やネットの普及やらで失いかけてる人が人を思いやる事、時間。昔の人よりかは欠けてると自分でも思う。時代が変化しても大切なことは変わらないのだと。分かってても…そんな時に力になってくれる物語。いい読書時間ができた。
好きなフレーズ引用
どれほど多くの知識を詰め込んでもお前が自分の頭で考え自分の足で歩かなければすべては空虚な借り物でしかないのだよ
孤独に屈するなかれ
お前の友を助けに行く旅だ
悩む者とともに悩み苦しむ者とともに苦しみときにはともに歩む態度を言うのだ
春の日差しはどこまでもまばゆくて身軽な制服の背中は光の中ひ溶けていくようだ
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すごく哲学的な感じで、読んでる時に「星の王子さま」を思わせるような雰囲気。本の中にも実際に「星の王子さま」が登場し、本が出てくる本って面白いなと思った。
林太郎が猫のトラネコと共に本を助けにいく話。
第二の迷宮が一番面白く感じた。とにかく深くてその哲学が理解しきれないところもあった、、けど、音楽と本、山と本についてのところは考えたこともなく、おもしろかった。
迷宮にでてくるそれぞれの敵は中々考えが鋭く通っていて、考えなが読んでいてもその哲学を崩すことはなかなか難しかった。 -
今月は何冊読んだか?感想書いた割合は?そんな事を気にしつつブクログをつけているオロカモノの自分には、かなり突き刺さる内容である(仕事柄沢山の本に触れるべきだとは思うのだが)。
とにかく沢山読みたい!古典は手を出したが途中で挫折したから要約本やネット検索で決着!ベストセラーが大好き!…こういった人は自分も含め結構いるだろうし、別にそれでも構わないと思う。
けれど、「違う本との向き合い方もあるよ」、「そんなにガツガツした消化不良の読書ばかりが読書ではないよ」と教えてくれている気がする。
時間に追われる現代人だが、本を読む時くらい追われるようにしなくてもいいのかも。2019.8.15 -
本好きの男子高校生がトラネコと出会い、本の世界で学者たちと対峙するファンタジー小説。
速読術などが勧められている現代に対して、一冊一冊を大切に読む事の大事さを気づかせてくれる。 -
しばらく小説離れしていたリハビリには最高の1冊でした。
本を愛する人へお勧めの、児童書のような読みやすさで、それでいて対話もできる良書です。
忙しい日々の中では、じっくり向き合う読書からは遠のきがち。時には仕事や生活に役立つ知識も手に入れたい。
そう思うにつけ、より短時間で、より速く読みたい。
そんな人も多いからこそ、要約本も売れるのでしょう。私も漏れずに手を出したことがあります。
読書と登山は似ている、と思う。
それは本書でも書かれていた。
"愉快な読書もよい。けれども愉快なだけの登山道では、見える景色にも限界がある。道が険しいからといって、山を非難していてはいけない。一歩一歩喘ぎながら登っていくこともまたひとつの登山の楽しみだ"
"どうせ登るなら高い山に登りなさい。絶景が見える"
読み継がれている本は含蓄に富んだものが多い。
本を読む筋力のようなものも求められるため、忙しい時程離れがちです。運動不足でいきなり挑戦できるものではない。それでも、時間を捻出して日々できる運動をしながら挑戦するだけの価値のあるもの、であることを久しぶりに思い出させてもらったような気がします。
本は、本当にいいですよね。
「時代を超えてきた古い書物には、それだけ大きな力がある。力のあるたくさんの物語を読めば、お前はたくさんの心強い友人を得ることになる」
「本には大きな力がある。けれどもそれは、あくまで本の力であって、お前の力ではない」とは祖父の言葉。
共感しつつ、染み入ります。
手早く電子書籍も読みますが、「紙の本を時間をかけて読む」という過ごし方をしたくなる。
まさに今読めてよかったです。 -
神様のカルテは読んでないし、この本が世界35ヵ国以上で翻訳出版されてるのも知らなかった。単純に題名買いしたけど、買って良かった、読んで納得。本を愛するとは?、本とは?本のチカラとは?と書かれた箇所が特に好き。もう一度読みたい。古典が読みたくなりました。