本を守ろうとする猫の話

著者 :
  • 小学館
3.42
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本棚登録 : 3441
感想 : 374
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864633

作品紹介・あらすじ

『神様のカルテ』シリーズ外、初の長編!

「お前は、ただの物知りになりたいのか?」
夏木林太郎は、一介の高校生である。夏木書店を営む祖父と二人暮らしをしてきた。生活が一変したのは、祖父が突然亡くなってからだ。面識のなかった伯母に引き取られることになり本の整理をしていた林太郎は、書棚の奥で人間の言葉を話すトラネコと出会う。トラネコは、本を守るため林太郎の力を借りたいのだという。
痛烈痛快! センス・オブ・ワンダーに満ちた夏川版『銀河鉄道の夜』!

【編集担当からのおすすめ情報】
300万部超のベストセラー『神様のカルテ』著者、
初のファンタジー長編!

感想・レビュー・書評

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  • なぜあなたは本を読むのですか?
    ...
    惰性というか、ノルマというか、他にすることがないというか...
    そんなネガティブな理由が|ω・` )チラットでも頭をよぎったアナタ。
    アナタですよ、ア・ナ・タ(*・・)σ

    すぐに本書を手にすることをオススメします!

    ( 'ω')エッ…
    お前も手にとったんでしょ!って?
    えぇ、そうですよ。

    読み終えたからオススメするんです。

    <あらすじ>
    高校生の夏木林太郎が祖父の古書店で人間の言葉を話すトラネコに出会い、本の世界の危機を救うために4つの迷宮に挑む物語です。

    本の世界の危機とは何かというと、それぞれの迷宮に住む人物が本に対して偏った考え方を持っていることです。例えば、第一の迷宮では、本をたくさん読んだ者が偉いと考える人物がいます。第二の迷宮では、本を速く読むことを追求した人物がいます。第三と第四の迷宮では、それぞれ別の問題が待ち受けています。

    林太郎はトラネコと共に、これらの人物と対話しながら、本に対する自分の考え方や感じ方を見つめ直していきます。そして、本当に本を愛するということは何なのか、本を読むということはどういうことなのか、改めて考えさせられる物語になっています。

    この本は「私は本が好きだ」という方におすすめです。読んでいて「本」というものに対して深く感じることができます。また、「猫」と「本」という組み合わせも魅力的です。トラネコは林太郎に色々な助言やヒントを与えてくれますが、時には厳しくもあります。

    『神様のカルテ』シリーズ外、初の長編!

    「お前は、ただの物知りになりたいのか?」
    夏木林太郎は、一介の高校生である。夏木書店を営む祖父と二人暮らしをしてきた。生活が一変したのは、祖父が突然亡くなってからだ。面識のなかった伯母に引き取られることになり本の整理をしていた林太郎は、書棚の奥で人間の言葉を話すトラネコと出会う。トラネコは、本を守るため林太郎の力を借りたいのだという。
    痛烈痛快! センス・オブ・ワンダーに満ちた夏川版『銀河鉄道の夜』!

    【編集担当からのおすすめ情報】
    300万部超のベストセラー『神様のカルテ』著者、
    初のファンタジー長編!

    メディア掲載レビューほか

    本を守ろうとする猫の話

    デビュー作『神様のカルテ』がヒットし、シリーズ化された著者の長編ファンタジー。

    主人公の高校生夏木林太郎は「夏木書店」を営む祖父と二人暮らし。その祖父が突然亡くなり、店をたたもうとしていた時、店の奥で人間の言葉を話すトラネコと出会う。トラネコは、本を愛することができない“敵"から、本を助け出すため、林太郎に協力を求める……。

    世の中を勝ち抜くために“正論"のように聞こえる理屈を語る“敵"は手ごわい。読者は何が真実なのかわからなくなる。その“敵"に、本のすばらしさを伝える林太郎の姿は、物語が進むほどに凛としていく。成長していく林太郎とともに、読者は「何故、何のために、本を読むのか」を熟考し続けるだろう。読後、「夏木書店」に立ち寄りたくなるに違いない。

    評者:相原透

    (週刊朝日 掲載)

    内容(「BOOK」データベースより)

    高校生の夏木林太郎は、祖父を突然亡くした。祖父が営んでいた古書店『夏木書店』をたたみ、叔母に引き取られることになった林太郎の前に、人間の言葉を話すトラネコが現れる。21世紀版『銀河鉄道の夜』!

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    夏川/草介
    1978年大阪府生まれ。信州大学医学部卒。長野県の病院にて地域医療に従事。2009年『神様のカルテ』で第十回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • レビューを拝見して知った本です。
    ありがとうございます。

    『夏木書店』という古典文学を扱う古書店を一人で営んでいた祖父を亡くした引きこもりで、本をこよなく愛する高校生、夏木林太郎は引き取ってくれる叔母はいますが、天涯孤独の身となります。
    そこに特殊な条件に該当した人間でなければ姿が見えないヒトの言葉を話すトラネコが現れます。
    そして、そのトラネコと一緒に第一の迷宮から、第二、第三の迷宮を訪ねる冒険譚です。
    各迷宮には、その迷宮ごとに現れる人物と本についての禅問答のようなことを毎回します。
    第二の迷宮からは、林太郎のクラスメイトで学級委員の柚木沙夜も仲間に加わります。
    そして冒険は終わったと思いきや、最後に沙夜がさらわれてしまい、林太郎は最後の冒険をして、各迷宮で出会った人物が林太郎と出会ったことによってどう変化したか知るところとなります。

    ”どうせ登るなら高い山に登りなさい。絶景がみえる”
    ”「本には心がある」人の思いが込められ、大切にされ続けた本には心が宿るようになる”
    ”「人を思う心」それを教えてくれるのが本の力だと思うんです。その力がたくさんの人を勇気づけて支えてくれるんです。”
    等の言葉が印象に残りました。

    私も、もっと古典文学をじっくり時間をかけて、かみしめて読みたいと思いました。
    できれば、沙夜のようにアッサムティーにミルクとお砂糖をたっぷり入れて。

    • やまさん
      まことさん
      おはようございます。
      いいね!有難う御座います。
      私も、まことさんが感銘を受けた3つの言葉は、すごくいいと思いです。
      こ...
      まことさん
      おはようございます。
      いいね!有難う御座います。
      私も、まことさんが感銘を受けた3つの言葉は、すごくいいと思いです。
      こんどアッサムティーにミルクとお砂糖をたっぷり入れてみたいと思います。
      やま
      2019/11/09
    • まことさん
      やまさん♪
      おはようございます。
      私も、高い山に登りたいと思いましたが、なかなかです(^^♪
      やまさん♪
      おはようございます。
      私も、高い山に登りたいと思いましたが、なかなかです(^^♪
      2019/11/09
  • あれ?私って、何で本を読んでいるんだっけ?
    いつのまにか本を惰性で読むようになってしまった、本を読む理由がわからなくなった…
    そんな人にこそおすすめなのがこの「本を守ろうとする猫の話」!
    さくさくと読みやすいけれど、ゆったりとなぞっていたい、心につねに灯していたい名言が沢山あります。
    主人公の林太郎と共に、本を読む理由を、本が何を教えてくれるかを、改めて迷宮の中で考えてみませんか?


    幼い頃に両親が離婚し、さらに母を亡くし、夏木書店を営みながら育ててくれた祖父も亡くしてしまった林太郎。
    林太郎は本が好きで、引きこもりがちで臆病な高校生の男の子。祖父が亡くなってからいよいよ引きこもり、ずっと学校にも通っていない。
    そんな林太郎の前に現れたのが、しゃべるトラネコ。名前はまだない(というか最後までない)。
    トラネコは林太郎に、本を救ってほしいと頼む。
    慌てる林太郎。
    了承したわけじゃないのにグイグイ引っ張っていくトラネコ。
    いつのまにか林太郎とトラネコは異次元におり、トラネコはこれから迷宮にゆくのだ。そこで本を救ってくれ。救えなかったら帰れないと言う。
    超危険な行為である。
    やはり慌てる林太郎に、なぜか落ち着いて、お前なら大丈夫だと信じている様子のトラネコ。
    ツッコミ役が必要なのでは?という展開にもかかわらず、トラネコの醸し出す威厳がその必要はないと文字からオーラを放っている。
    さてはて、トラネコと林太郎は迷宮から無事帰ってこれるのでしょうか?

    どのキャラもほど良く個性的で面白い。
    タイトルは「本を守ろうとする猫の話」だが、実際に本を守る役目を担うのは、他ならぬ林太郎だ。
    トラネコは、まるでミヒャエル・エンデの「モモ」に出てくるカメのしゃべるバージョンと言ったところか。先導役のような立場で、謎が多い。
    まあ全て明かされて終わりっていうのも、想像の余地がなくてつまらない。スパイス程度の謎は残しておいた方がロマンチックでいいのだ。
    本作はファンタジーの側面もあり、少年の成長譚の側面もあり、するりと読め、読後感もいい。
    けれど、林太郎の成長を通して、林太郎が本というものに向き合うところを描くことで、今の社会での本の価値や読書の在り方を取り巻く問題に対するアンチテーゼな側面も含まれていたと思う。
    アンチテーゼというと過激な印象を与えてしまうが、その問題提起の仕方はとても爽やかかつ鮮やかだ。

    林太郎は本当に、本を、読書を愛している。
    そしてこの物語を描き上げた著者も、とても本を愛しているのだろうと、強く感じられた。
    最初に、この本は本を読む理由がわからなくなった人におすすめと言ったが、本を愛する人にも、強く薦めたい。
    やっぱり読書って、本って、最高だ!愛してる!
    この気持ちを忘れずに生きていきたい。
    いい意味で本に溺れたい。もちろん、心の錨は下ろしながら、ね。

  • 神様のカルテでお馴染みの夏川さん。
    文章がとても優しい。

    今作は4つの本にまつわるファンタジー連作でした。

    読書の好きな方なら、ちょっと考えさせられる内容です。_φ(・_・

    本を作る、売る、読む…
    紙の本が売れなくなった今を象徴するような4人の
    敵とディベート的な対決で解決する。
    ちょっと哲学的なお話でした。

    • ひまわりめろんさん
      みんみん

      いやー楽しかったねー
      来年もよろしくね
      良い本に出合ったらちゃんとお裾分けするんやでw
      1月はさらにブクログに顔出せな...
      みんみん

      いやー楽しかったねー
      来年もよろしくね
      良い本に出合ったらちゃんとお裾分けするんやでw
      1月はさらにブクログに顔出せなくなると思うけどいい子にして待ってるのよ
      2022/12/30
    • みんみんさん
      メロリン楽しい一年だった〜♪
      まさか本で語り合う日がくるとは!
      良い本たくさん見つけるぞ(^_-)

      よいお年を〜‼︎
      メロリン楽しい一年だった〜♪
      まさか本で語り合う日がくるとは!
      良い本たくさん見つけるぞ(^_-)

      よいお年を〜‼︎
      2022/12/30
  • 名言が沢山!この本の名言は大好きです。

  • 本とは何か?という問いを、林太郎と同様に投げかけられている気分で読み進めた。
    商業主義に走らず、本そのものが持つ素晴らしさを追い求めようとするのは、作者の夏川さんの思いなのかな。
    ファンタジーな部分に入り込めないところはあったけど、テーマ自体は好きだった。

  • 「神様のカルテ」シリーズで馴染んだ筆者の文章が心地よかった。カルテでは物語を通してコーヒーの匂いがしたけど、このお話にはアッサムティーが注がれていた。
    各章に登場する「閉じ込める者」「切りきざむ者」「売りさばく者」が本についてそれぞれ話すことは、自分にも思い当たるところがあった。主人公がそれらに向き合う姿を見ていると、筆者が日頃思っていることが直接伝わってくるようだった。
    最後の20ページくらいまで、結末がどうなるのかわからなくてハラハラした。
    医療系でないお話もこんなに温かくて、夏川草介さんの本はこれからも逃さず読んでいきたい。

  • すごく読みやすかった。
    読書ブランクになった時に読みたい本。
    一年に何百冊読んだ、
    速読で多くの本を読む、
    売れる本だけを作る、
    それが果たして正しいのかどうか…

    たくさん本を読んでいるからといって偉いわけじゃないよなぁってTwitterやってると思ってしまうことがあったり、速読はビジネス書を読む時にはいいかもしれないけど小説向けではないと自分では思います。
    その社会のニーズに合わせた「求められている本」を作るということに対してはちょっと難しかったです、、悪いことじゃないと思う。
    本の力ってなんなんだろう…
    小説ばっかり読んでも意味ないって言う人もいるけど、小説も自分の役に立つんだって言える人になりたい。

  • 本の大切さと、本を読みそれを元にどう生きるのか?
    人を思う心が大切。
    人は支え合って生きて行くものと教えてくれます。


    この本は夏川草介の『銀河鉄道の夜』だと思いました。
     

    本好きな自分は、今まで通り、気にいった本を読んで行こうと思います。

  • 旅先でふと書店に立ち寄ったときに、数ある本の中で平積みになっていた本作のタイトルと表紙に惹かれて買ってみた。(なぜ惹かれたのかは分からない)

    昨今、SNSをはじめインターネットが爆発的に普及していることもあり、好んで本を読む人は明らかに減ってきているように思う。加えて、要約サイトや箇条書きされている重要な箇所だけ流し見するなど、それは本当に読んだと言えるのだろうかと疑問に思うこともある。

    また、ビジネスの世界では「本を読むからにはアウトプットするべき」「行動につながらなければ読んだ意味がない」という発言も多く見られる。
    確かにせっかく自分の時間を投下するのであれば何かしら実になるものとして昇華したい気持ちも分かる。(皆忙しく、効率を求めている)

    ただ、個人的に本というものの本質はそこではないような気がしており、以前からずっとモヤモヤを抱えたままだった。

    本作にはそんなモヤモヤを解消してくれる一つの答えが記されており、読んだ後にじんわりと心が温まるような作品だった。

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著者プロフィール

1978年大阪府生まれ。信州大学医学部卒業。長野県にて地域医療に従事。2009年『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同作は10年に本屋大賞第2位となり、11年には映画化もされた。著書に『神様のカルテ2』『神様のカルテ3』『神様のカルテ0』『新章 神様のカルテ』『本を守ろうとする猫の話』『始まりの木』『臨床の砦』『レッドゾーン』など。

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