左京区桃栗坂上ル

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 319
感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864701

作品紹介・あらすじ

ときめく「左京区」。誰もが恋したくなる!

舞台は京都、主人公は不器用な理系男子たち――。
みずみずしい恋愛もようで人気の「左京区」シリーズ、5年ぶりの新作。

父親の仕事の都合で引っ越してばかりだった璃子は、4歳の時、引っ越し先の奈良で果菜と出会う。
二人はすぐに仲良くなって、八百屋を営む果菜の家で毎日のように遊んだ。それに時々つき合ってくれたのが、果菜の兄だった。

幼い璃子は、ある日こんなことを言った。
「わたし、お兄ちゃんのおよめさんになる」

やがて璃子は埼玉へ引っ越し、果菜たちと離ればなれになるのだが、高校進学のタイミングで大阪へ来て、再会を果たす。

璃子はそれから「お兄ちゃん」のいる大学へ進学。
4回生になった兄は、大学院進学をひかえて研究に追われていた。

穏やかな学生生活が続いていたが、ある秋晴れの日、二人にとって大きな事件が起きる。

『左京区七夕通東入ル』『左京区恋月橋渡ル』につづく5年ぶりの「左京区」シリーズ最新作は、愛があふれる最高傑作。乞うご一読!

感想・レビュー・書評

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  • 左京区シリーズ完結
    焼き鳥
    赤飯
    京野菜
    歩きとおす
    出産

    安藤くんの恋の物語
    徹夜で研究とか夜通し歩いて帰るとか…
    学生時代懐かしい
    図書館本

  • 「桃栗三年、柿八年」
    「おいしい実を食べたいなら、じっくり時間をかけて育ててやらなあかん」
    一目惚れの運命的な恋もいいけれど、長い時間をかけて育んだ愛には格別な美しさがある。

    璃子が4歳の時、カラスに襲われそうになったところを安藤に助けられ、「お兄ちゃんのおよめさんになる」と言ったところが始まりだった。
    それからすぐに璃子の家が引っ越して離れ離れになってしまうが、その縁はゆるくも確かにつながっていた。
    京都への修学旅行で一人抜け出して奈良に行ったときは、果菜は璃子の成長した姿に気付かなかったが、安藤は気づいてくれた。
    そういう小さな出来事をいくつもいくつも積み重ねていく。

    左京区シリーズで一番の傑作なのは間違いなしで、物語のスケールからして安藤がシリーズの主人公なんじゃないかと思えてくる。
    すでに恋を知っている龍彦と山根が、安藤と璃子を見て「そういうことか」と納得するところにはシリーズとしての面白さを感じた。

    生き物を扱う研究をしている璃子がワニのリードを外して目を離したり、吹き矢を人間に当てたりといったところは気になったが、瀧羽麻子の実力が作品を重ねるごとに上がっているのは確か。

    これまでの作品では印象的なシーンが少なかったが、本作では先ほどの修学旅行の再開とか寮でのバーベキューとか、いくつか見ることができた。
    瀧羽麻子の作品には必ず自転車の二人乗りのシーンが出てくるが、今回はスクーターで、これも過去最高の出来。
    日常のちょっとだけ特別な出来事を描写するのがうまい。

    これで主要な理系男子3人の恋が描かれたわけで、左京区もこれで終わりかと思うと少し寂しい。

  • あぁ、学生っていいな。
    ま、自分が学生時代には気づかないもんだけど。

  • 何て温かくてピュアな物語なんだろう♪
    左京区シリーズでお馴染みの理系男子三人。理学部たっくん、工学部山根くんに続く農学部安藤くんの恋のお話。
    父の転勤で京都を離れた璃子は高校生になり今度は大阪へ引越し、幼馴染みの兄である“おにいちゃん”安藤くんと再会。

    穏やかに静かにゆっくりと二人の距離がちぢまり想いが育っていく様子に優しい気持ちになりました。
    安藤くんの所属する「植物バイオ科学研究室」と璃子の「動物多様性科学研究室」の話も面白かった。
    他のシリーズとリンクしていて違った視点も楽しめ、ラストは本当にじ~んとしました。
    温かい読後感です。

  • 今までのシリーズの完結篇

  • 左京区シリーズ第三弾。
    第一弾、七夕通東入ルは龍彦と花ちゃん
    第二弾、恋月橋渡ルは山根君と美月さん
    で、第三弾、桃栗坂上ルは安藤と璃子ちゃん。
    いかにも京大、いかにも理系院生の感じがよく出てる。

  • 仲良し理系3人組の最後の1人、安藤くんのストーリー。7歳の時、3つ年下の妹に出来た親友、璃子ちゃん。お兄ちゃんと慕われ、妹のような存在だった。間も無く璃子の引越しで離れるが、その後も妹とは親友として親交は続く。同じ大学に入学した璃子との関係が、いつお兄ちゃんから彼氏となるのか?おっとりした2人が爽やかでとても大好き。思えば一作目の時にはすでに2人の恋は始まってたんですね♡龍彦と花ちゃんのおのろけもチラッとあるのが嬉しい。そして山根のサプライズも!シリーズもこれで終わりかな?寂しいな〜

  • 心が暖かくなった。
    最初から最後まで、心地の良いやわらかい感じのするお話だった。
    人と人との繋がり、人を想う気持ち、温まる想い、芽生える命、心がふわっと暖かくなった。
    読んでる間も読み終わった後も、後味の良さがあった。

  • シリーズだけど、このお話から読んでも大丈夫です。理系の大学生って、ほんとに忙しくて大変そう!

    前作のシリーズも読み返したくなりました。

  • 久々の左京区。別シリーズかと思ったら繋がった。理系男女のほんわか恋愛が可愛らしい。前の2作も読み返したい。

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著者プロフィール

1981年、兵庫県生まれ。京都大学卒業。2007年、『うさぎパン』で第2回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞し、デビュー。
著書に『ふたり姉妹』(祥伝社文庫)のほか、『ありえないほどうるさいオルゴール店』『女神のサラダ』『もどかしいほど静かなオルゴール店』『博士の長靴』『ひこぼしをみあげて』など多数。

「2023年 『あなたのご希望の条件は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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