カラカウア王のニッポン仰天旅行記

  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093871167

作品紹介・あらすじ

珍談・奇談の宝庫。明治外交史の知られざるエピソードも…。1881年(明治14)に世界周航したカラカウア王の随行記の中から、日本・極東の部分を抜粋。明治天皇との会見や外交交渉、失敗珍談の数々、東洋と西洋の文明や政治についての議論など、おもしろさは天下一品。当時の写真や絵画などの図版や天皇の手紙などの貴重な資料も満載。

感想・レビュー・書評

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  • 世界で最初に世界一周の旅をした王様はハワイの王様。好奇心旺盛なカラカウアがお供をちょっとだけ連れて旅立った。その従者の1人が書いた記録。欧米は技術はすごいけど、中身が薄っぺらだということに、カラカウア王もアジア諸国の元首なども気づいていた様子。日本−ハワイの友好条約、ロイヤルファミリーの縁組が成っていたら、歴史はどうなっていたことやら。 2009/2/12 読了。

  • 実は国を滅ぼさないように必死だったんだと思いますよ、この王様。
    その王様の様子を、雇われ西洋人がコメディータッチで見下しながら描きます。

  • 以前読んだ「世界を知る101冊――科学から何が見えるか」で紹介されていた本。
    科学とは関係無く、1881年に当時のハワイの王様だったカラカウア氏が随員のアームストロング国務大臣、侍従長のチャド氏、王付きの従者ロベルト氏などを引き連れて、世界一周の旅に出かけた時の様子を、アームストロング氏がつけていた日誌を元に一冊の本にしたもの。

    当初ポリネシア人の島だったのが、太平洋の要所ということでアメリカの影響を濃く受けていた。
    1778年には30万人いたポリネシア人が白人によってもたらされた病気のため、100年の内に45000人以下に減ってしまい、大きな産業だった砂糖きび農場で働く人も足りなくなったことや、アメリカとの不平等条約などもあり、カラカウア王は、世界一周の旅の中で労働者の呼び込みや、何と日本の皇族と姪のカイウラニ姫を結婚させて、アメリカの属国化から逃れようと考えていた。
    これについてはやんわりと断られたものの、日本での歓待については大層喜ばれていたよう。この時の日本が行った接待費は、現在で言えば数億円。外務省予算の7%もつぎ込んだようだ。

    面白いのは、アームストロング氏の王を小馬鹿にした言い方。そして、そうむきにならない王のおおらかさ。
    もしかしたら荒俣宏さんと樋口あやこさんの、翻訳がうまいこともあるかも。

    当時の日本の写真や風俗も誨見え、これも興味をひいた。

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