犬に埋もれて

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著者 : 久世光彦
制作 : なかやま あきこ 
  • 小学館 (2006年8月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (104ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093876216

犬に埋もれての感想・レビュー・書評

  • <思いがけない優しさを感じた>

     久世光彦の著作は何冊か読んできたが、根底に文学的知識の確かさや理解の深度が感じられる、びりびりと才気走ったイメージの本ばかりに当たってきた。だから、久世氏が最後に世に送り出そうとして果たせなかったのが動物小説だったと知った時、そこにはこちらの誤解もあるのかもしれないけれども、驚きが先に来た。
     愛くるしいポメラニアンたちの写真とともにおさめられた、未完の『夕すげ物語』。それは、飼い主に先立たれ、これから自分たちで生きていこうとする犬たちのストーリーだった。
     可愛いのである。
     それでも、いたいげな決意というよりはなにかちょっぴり性格の悪さのようなものを感じさせる語りが、ただ愛くるしい動物物より面白そうだった。面白そう、というのは、書き始めたところで筆がおかれてしまったからである。面白くなるのはこれからだったろう。
     他にも愛する犬についてのエッセイや対談を読むことができるし、プロットメモや写真は充分に魅力的。犬を飼う人にはじわっと来るものがあるはずだ。その一方で、この手の本では犬好きな人なら胸をわしづかみにされるようなエピソードでも、そうでない人間から見ると「犬バカだなぁ」としらけてしまう場合が多々あるが、本書からは説得性が失われていない。情はしっかり伝わるけれど、その身贔屓がどこかクールにつきはなして表現されてもいる。「誰かを愛している自分」を、あえてつきはなして見る視点があってこそ、愛情物語は面白くなる。
     しかし、ちょっと何か物足りないなというところで、本は終わってしまっている。やはり、これは未完成なのだ。
    『夕すげ物語』が完成しなかったのは惜しまれることだ。だが、久世氏が芯から優しい気持ちになって犬に埋もれた時、彼に逝かなければならない刻が来てしまったような気もして、寂しく本を置いた。思いがけない優しさと、犬たちへの愛にあふれた一冊なのは確かである。

  • 初代のポメラニアンが死んでから、次々と迎え入れた犬もポメラニアン。取材を受けた時も、家族写真も、常にポメたちとカメラの前に。

    相変わらずの久世節で突き放した書きかたをしたり、なんだか艶っぽさをほのめかしながらも、犬にでれでれなことは隠しようもない。

    久世の死により未完となってしまった、犬を主人公とした小説も掲載されている。これは読んでみたかったな。

  • 久世さんの作品は、内田百閒からたどり着いた。

    いや、違うわ。
    『簫々館日録』だった。けどこれは読破していない!

    そして、犬が好きだから、絶筆だから、って理由で手に取ったんだった。

    けど、
    なんとなく不完全なところと、無理矢理刊行した感が満載で、ちょっとあははと思ってしまった。

    ただ、内容が、犬(久世さんの愛犬がモデル)が飼い主を失って・・・という、写真付きの。
    そして未完のまま、急逝。

    身内にとっては(愛犬にとってもだと思いたい)皮肉な結末になってしまったのか。

    と、本編を取り巻くネタはいろいろと感じることがあった。

  • 070818貸出。
    ちょっとがっかり。
    でも犬が可愛い。なんだあれ。

  • 衝動借りした本です。ポメラニアンは夏刈りに限りますね。

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犬に埋もれてはこんな本です

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