野の風

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著者 : 辻内智貴
  • 小学館 (2006年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (108ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093876513

野の風の感想・レビュー・書評

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  • 都会暮らしで壊れ始めた家族。
    お父さんはひたすら商社マン。家事にパートに大忙しのお母さん。
    小学生の息子は心は壊れ始める。

    父方のおじいちゃんが危篤となり、田舎へ向かう家族。
    お父さんも昔、おじいちゃんの息子だった。

    田舎で心を開き始める息子。
    おじいちゃんは脳死。維持装置によって生かされる状態。

    苦悩の末に、お父さんはおじいちゃんの人工呼吸器に手を伸ばす。


    医療や繁栄はかつて、愛だった。しかしいまではそれが膨らみすぎて大きな欲望になっている。
    もっと長く生きたい、もっと豊かになりたい、そんな欲望のままに社会という生命維持装置に我々は生かされているのではないかと問いかける小説だった。

    それは愛じゃない!欲望だ!って言われても正論過ぎて何も言えないなあ。
    難しいテーマ。それだけにはっきりとした答えを最後にだしてくれてもいいのではと思ってしまった。

    もやもや感とじわじわくる痛みが残った。
    最後の10ページくらいの短編もじわっとくる痛快さがあった。

  • 42歳で営業部の部長として奔走する勇一は仕事ばかりの日々を送っていた。あるとき父が入院した報せを受け妻と子ども3人で故郷の広島へ帰ることとなる。
    人にとって幸せな日々とは何か、一旦立ち止まって考えてみることを薦めてくれている気がした。
    大好きな本のひとつ。

  • 接待の最中の妻からの電話で父の危篤を知った主人公は、翌朝、妻と不登校になった小学生の息子を連れて、広島の実家に帰ることになる。妻との間にも息子との間にも、大きな溝ができてしまっていることに気づいた主人公は、父親の危篤をきっかけにこれまでの自分の人生を振り返る。
    この本の主題は、いつの間にか見えなくなってしまった、本当の自分探しなのかもしれない。いい本です!

  • 相変わらず読んでいて気持ちの良い文章を書く辻内さんなのである。 4つの話からなる短編集だが、表題作は後半がちょっとピンと来ず。 人が生きていくために必要な哀しみと記憶を描く『帰郷』と、他人にとっては何気ない日常の風景だが自分にとっては掛け替えのない生きるよすがのようなモノを描く『花』が印象に残る。

  • 脳死を「生」と言えるのか…

  • 物語の導入部分が少なく、いきなり結末!みたいな構成。主人公が脳死の父に語りかける時の「…」の多さが奇妙。

  • 図書館で借りたもの。
    表題作より、2本目の短編のさっぱりした爽やかさのほうが好きかな、と思います。

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