和を継ぐものたち

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著者 : 小松成美
  • 小学館 (2006年9月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093876773

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和を継ぐものたちの感想・レビュー・書評

  • 日本に固有のさまざまの伝統芸能にあるいは工芸の世界に生きる人々、小松成美「和を継ぐものたち」小学館には22人の伝承の芸に日々研鑽する各界の人たちが登場する。

    棋士、津軽三味線、篠笛、弓馬術、和蝋燭、薩摩琵琶、狂言、能楽、漆工芸、釜師、香道、落語、扇職人、文楽の人形方、尺八、鵜匠、刀匠、木偶職人、書道、纏職人、筆職人、簪職人と、
    世代は20代から60代にまたがり、若手から中堅・ベテランが22名登場するが、それぞれの一筋の道を貧く姿勢には軽重もなければ遜色もない。舞台の表現世界に久しく関わってきた私などには、想像の埒外にある見知らぬ世界、和蝋燭や茶の釜師、からくり人形の木偶職人や火消しの纏職人らの語るところに、大いに興も湧き惹かれるものがあった。

    たとえば、からくり人形師の玉屋庄兵衛は江戸の享保時代から300年近く続く名跡であり、その伝統の技を今に伝えているという点では現・庄兵衛氏は世界にただ一人のからくり人形師ということになる。当時隆盛を極めたそのからくり人形が、御三家筆頭の尾張藩をメッカとし、国内需要の9割方も尾張地方で作られていたというから驚かされる。木曽のヒノキや美濃のカシ、カリンなど、人形の素材たる木材の集積地だった所為もあるのだろうが、代々受け継いできた門外不出の技の占有ぶりをも物語ってあまりある。

    ともあれ本書は、この国のさまざまな伝統技芸の世界に、その職人たちの生の言葉を通して触れえるのがすこぶる愉しい。

  • 日本の言語や文化に関連した職はこれからの時代必ず生き残れる。むしろそれしかないのではないか。

  • 家元、というのは物心ついたときから
    家を継ぐというプレッシャーのようなものがあるのかな、と
    勝手に想像していたら、そうではなかった。

    まさに十人十色。

    でも、全員に共通しているのは
    「自分なりに考えてみる」ことかもしれないと思いました。

    「この流派はこうだから」ということに逃げて、
    ただ伝えられたとおりのものを作ったり演じたりするのではなく、
    「今の時代にはどんなものが求められているのだろう」
    「自分だからこそ出来ることは何だろう」ということを
    自問自答しながら道を極めていく、そういう姿勢を持っている人が
    一流の家元として、和を継いでいくのだろうと感じました。

    印象に残っているのは、和太鼓奏者の人と、扇子職人さん。

    インタビュアーの質問が画一的だったり、的外れだったりするのが
    少し気になって、正直読み流してしまった部分もありましたが、
    普段知ることの出来ない、ものづくりの裏側を垣間見れるので
    面白い一冊でした。

  •  この手の和物の本は、「世界のグローバリゼーション化の反動で、和の文化に安易に退行して保守回帰している人達に、著者や出版社が戦略的なマーケティングで出版している」という先入観が有った。
     しかし、この本は良かった。著者の小松成美さんは和物の専門家じゃないのが残念だが(歌舞伎役者に取材しているけれど)、よく勉強されているし、対談相手の個性も引き出されているし、取り上げるジャンルが幅広い。普通、和物の本で取り上げる題材は、伝統芸能の演者・邦楽の奏者・職人くらいなんですが、『和を継ぐものたち』では、和物の本でも滅多に取り上げられない弓馬道家・香道家・鵜匠を取り上げているのが素晴らしい。個人的には、日本画家・華道家・茶道家・陶芸家も取り上げて欲しかったです。

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