看取りの医者

著者 :
  • 小学館
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093878739

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  • 訪問診療専門クリニックを開業している医師が、自身が看取った患者さんの最期までの事実を元に書かれた内容と、自宅で亡くなるという事について自らの考えをはっきりと書いている本。

    すでに高齢の親と、自分の老後の準備を始めなければならない年齢で、常に不安に感じていた事が現実として迫って来ているのだと感じざるを得なかった。自分自身、家で身内を看取った経験がなく、気持ちの面や金銭面で親を在宅のまま看取るという事は難しい。また自分自身の最期を家で迎えたいと考えたとしても、家族に迷惑を掛けてしまいそうでそれもたぶん言えない。著者の考えのような医師が増えて、昔のように家で最期を迎える事がそんなに難しい事でなくなればいいのにと思う。

    医療について決して優しいシステムではないと思われるこの国で、厚生労働省の国民医療費抑制策はあまりに冷たい。医者にとっては負け戦だからと、治る見込みがないと判断した患者の入院を断るなど言葉も出ない。また歳を取れば体が弱くなるのは当然の事でもあるのにと、どうしても冷たく感じてしまう。患者側に立って考えられる人が医者なのではないかと思うのだが。死に場所をなくしてしまう不安まで抱えたくない。面倒な問題は山積みにされたまま解決する事なく先送りされ、その結果としての切り捨てだけはやめてもらいたい。

    難しい医学用語と思われる言葉も丁寧に説明されていて、とてもわかりやすく読める本。若い人もいつかは必ず高齢になるのだから、今より深刻になるであろう高齢化に備えて読む事をお勧めする。

  • ドラマ化されたので 読んだが、原作の方が 良かった。
    医者って 本当は やりがいのあるお仕事なのに 今のドクターは 他人の痛みがわからない人が多すぎる。こんな 素敵なお医者様に 出会いたいし、ホント 看取ってもらいたい。

著者プロフィール

看取りの医者。1964年、茨城県龍ヶ崎市生まれ。1992年、筑波大学医学専門学群卒業後、筑波大学附属病院や県内中核病院で地域医療に携わる。2002年、筑波大学医学専門学群博士課程を修了し、訪問診療専門クリニック「ホームオン・クリニックつくば」を開業。翌2003年に医療法人社団「彩黎会」を設立。主に高齢者や終末期患者の訪問診療医として緩和ケアを重視し、患者が生を燃やし尽くす最後の日々を満ち足りたものにする手助けをしている。これまで立ち会った最期は2700例を超す。2009年に出版した『看取りの医者』(小学館)は、大竹しのぶ主演でドラマ化もされた。

「2023年 『70歳からの正しいわがまま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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