青森ドロップキッカーズ

著者 :
  • 小学館
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感想 : 74
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093878999

感想・レビュー・書評

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  • いじめられっ子の中学生・宏海と、中途半端な不良の雄大。そしてトップを目指して氷上で闘うアスリート姉妹、柚香と陽香…。見た目もキャラもまったく違う凸凹な4人が、カーリングホールで巻き起こす、このうえなく爽快で泣ける青春小説の決定版(「BOOK」データベースより)

    表紙のイラストからもう爽やかさ全開なんだけど、中身ももちろん爽やか!
    ストーリー内で語られる、なによりフェアなカーリング精神にもぐっときます。
    カーリングホールのアイスメイクをする人はアイステクニシャンと呼ばれる、とか、プチ情報が得られるのもよいな。
    登場人物の頑張りを見る内に、バンクーバーの興奮も甦る一冊。

    〈憂えている誰かに三人が寄り添えば、優しい気持ちは四人分になる〉

    四葉のクローバーを軸に語られるテーマも素敵でした♪

  • カーリングが盛んに行なわれている青森で全日本優勝を狙うべく、長野より有望な選手を招いて新たに女子のチームを作ることになりました。青森で社会人として働きつつ自分達のチームを作っていた、沢井柚香・陽香姉妹はそのチームに移ることになったものの、長野からやってきたメンバーとは実力差があって、苦悩することに。一方、同じ青森の地で、中学三年生の苗場くんはクラスでいじめに遭い現実逃避を繰り返していました。そんな苗場君が、カーリング教室で、沢井柚香と出会いカーリングの面白さを知ります。苦悩する人々がカーリングを通して成長し、丁寧な描写によってカーリング競技の面白さや姿勢に触れられる作品です。登場人物が個性豊かで、読後感が爽やかでおすすめです(2010.2.28)

  • 雄大かっこよかった
    ばあちゃんがすごい

    一人で食べるパンよりも
    あなたと半分ずつにした
    パンのほうがおいしいね

    大切な記念の植樹だから、生命力の強い雑草がいい。それに四ツ葉を見つけたら、いいことが起きるらしいんだ

    おまえのおばあちゃん、俺のこと、許して・・・・・・・・・くれるかなぁ・・・

    ラジオに、下らねぇ投稿してんじゃねえよ

    あたりめえだ。また一年間も、片思いでいられっかよ

  • 2010/08/13 カーリングのルールが少しだけわかった。しかししばらくオリンピックもないな・・・

  • 今年の2月に青森に行った時、書店に大々的にこの本の宣伝がされており、気になっていました。
    先日読んだ同作家の『津軽百年食堂』がおもしろかったので、この本への期待もひとしおです。
    『津軽百年食堂』は弘前が舞台でしたが、こちらは青森市が舞台。
    私にもなじみのある、アスパムやアウガ、平和公園や合浦公園などが登場して、なんだかくすぐったい思いがしました。
    青森市民ならなおさらのことでしょう。
    ただ、実在する場所や建物について、かなり説明的な表現が加えられている点が、物語の流れに水を差しているようで、気になりました。

    カーリングに取り組む若者達の話です。
    青森は、すっかりカーリングで有名になったことですし、著者はスポーツライターなので、(これはいける)と思ったのでしょう。
    知っているようで知らないカーリング競技について、ルールとやり方が解説されているため、確かにわかりやすいのですが、あまりにもブームの波を意識している気がして、ちょっと斜に構えてしまいました。

    『津軽百年食堂』は、3世代の恋愛物語ですが、こちらはスポーツにかける青春物語。
    中学生のいじめも描かれますが、いじめる側の心理描写が足りずに少しバランスの悪さを感じました。
    予定調和内にある安定した恋愛ものと違って、どんな風に展開するか分からないスポーツを描くには、まとまりがよすぎ、悪く言えば都合のよい展開すぎて、ハラハラドキドキする描写が足りなかったように思います。
    今回も、各項ごとに語り手を変える手法をとっていますが、『津軽百年食堂』の語り手が時代の違う親子3代だったのに対し、今回は同時代の別人の間で視点の変換を行っているため、少し状況がわかりづらく感じました。

    また、『津軽百年食堂』でも感じていたことですが、全編を通じて一切津軽弁が使われていない点には、どうしても違和感をぬぐいきれません。
    実際に青森で耳にする言葉を知っている私には、どうしてもリアルさを感じられませんでした。
    作者は全国的に読まれる作品を心がけて、会話を全て標準語にしているのかもしれませんが、津軽の話を描く時には津軽弁を無視することはできません。
    地元の人はどう感じるのか、聞きたいところです。

    『津軽百年食堂』がとても気に入ったため、事前の期待値を上げ過ぎてしまっていたのだと思いますが、概して、全般的に物足りなさの残る作品でした。
    ただ、カーリング精神の潔さは素晴らしいと思いました。
    「カーラーは、思いやりを持ち、常に高潔である」

  • 2010.06
    いじめられっ子と双子の姉妹とカーリングの物語

  • 作品紹介を読んで、いじめられっ子がカーリングに出会って成長する話ね、と思って読み始めたんだけど、それは半分だけ。
    もう半分は、社会人アスリートの話。

    中学生でも、社会人でも、人に傷つけられたり、人を傷つけたり、立ち止まったりうつむいたり、でも、人に癒されて歩き出せたりもするよね、というお話は、すごくまっとうでわりと面白く読めたけど、これ、YAじゃなくて、青春が懐かしい大人向けかもしれないなあ。

    宏海と柚香の視点が交互に入れ替わってストーリーが進むのに、イントロとその次だけ、おばあちゃんと岡島さんの話なのは、疑問。
    わたしが中学生だったら最初の2ページで「多恵」が「還暦をすぎた女性」とわかった時点で、読むのをやめていると思う。おばあちゃんの話は後で効いてくるから大事なんだけどね。

  • <内容>いじめられっ子の中学生・宏海と、中途半端な不良の雄大。そしてトップを目指して氷上で闘うアスリート姉妹、柚香と陽香…。見た目もキャラもまったく違う凸凹な4人が、カーリングホールで巻き起こす、このうえなく爽快で泣ける青春小説の決定版。

  • ライトノベル。登場人物はステレオタイプの典型。みんな良い人。さわやか系。うまく書けてるとは思うけど、これって、テレビ青森開局何十年記念スペシャルドラマか何か? それともカーリング協会の企画? 別に非難する気はないけど。

  • ここ数年で一気に有名になったスポーツ、カーリングをテーマにした青春小説だ。
    物語は主に、いじめられっ子中学生の宏海と、カーラーとして実力をつけはじめた柚香の視点が交互に入れ替わって展開する。
    ステレオタイプな物語だけど、単純なだけに安心して読める。
    最後に「津軽百年食堂」の主人公がカメオ出演してにやっとした。

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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