私たちには物語がある

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著者 : 角田光代
  • 小学館 (2010年4月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093881036

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私たちには物語があるの感想・レビュー・書評

  • 私は決して書き手にはなれず、永遠に読み手であるばかりだ。
    しかし私の敬愛する角田さんは、書き手であると同時に読み手でもある。
    しかも書き手としてのおごりなど微塵も見せることなく、純粋に本を愛する読み手として彼女いわく“感想文”をつづる。

    彼女が読書家であり続けているということは有名な話ではあるが、この本を読んで改めて彼女の幼いころから変わることのない読書に対しての貪欲な思いを知ることができた。
    私は常日頃からこの世界には膨大な数の読むべき本がある現実に途方に暮れるばかりの思いを抱いているが、彼女も同じ思いを持っているとは一ファンとしてなんとも嬉しいこと。

    ただ一つ厄介なのは、彼女が“面白い”と思ったこの感想文を読むことによって、私のウェイティング・リストがさらにさらに長く長くなってしまったことである。
    ああ、時間が全く足りない!

    また、この本を読んでもう一つの思いを抱いた。
    この本はほとんどが現代小説の書評が中心であるが、太宰や川端と言ったいわゆる文豪についての書評も含まれている。
    そういえば角田さんは初期のころは純文学を書いており、自分の文体にこだわっていた。それが30代頃からあえて個性のない文章を書くようになったと言っていたはず。
    確かに最近はエンタメ系に比重を置いてきているし、それによって彼女の作家としての地位が確固たるものになった。
    しかし、彼女の文豪たちの作品への深い理解と尊敬の念を知ってしまうと、ああ、もっともっと角田さんがこだわってこだわりぬいた個性の塊のような文体で彼女の作品を読んでみたいななどと思ってしまう。
    これはぜいたくな望みだろうか・・・。

  • 例えば、
    恐ろしく分厚い本に目が留まり、
    書棚から(よいしょ)っと抜き出した時などに、ふと。

    これからこの本を読破するとなると、
    何日そこに留まることになるだろう。
    誰かがこしらえた、
    架空の世界に、
    今を生きる私のほんとうの時間を
    どれだけ置いてくることになるだろう?

    なんて、
    アホな事をつい、毎回考えてしまう。

    生きる本当の時間をどう使えば正しいのか?
    についての答えはわからないが、
    この本のなかに費やすとするのなら、
    それが私にとっての、最高に幸せな(正解)であるような気がして、つい、ニヤニヤしてしまったりするのだ。

    え~と。

    角田さんのこの本は、書評集である。
    (本人は感想、と述べてはいるが。)

    読み終えて、
    普通の書評集とちょっと違うかな?と、思ったのは、
    読ませる力がとても強くて、
    どの本も面白そう!と、思ったのに、
    チェックをせずに終えた所。

    一冊の本がひとつの島だとすると、
    (この島に行ってみたい!)という希望より、
    こんな島がたくさん存在するなんて、
    本の世界って、やっぱ面白いなぁ~
    なんて、
    角田さんの
    びんびんと伝わる読書愛が
    時計の存在を失っても実は許される、(物語)が存在するこの世界の素晴しさに、改めて感動した所かな。

    とても多くの本を紹介してくれているので、
    これまでに読んだ事のある本との再会も嬉しいし、
    まったく、知らないジャンルの本の鍵も
    ジャラジャラ頂いたりして、
    本の世界のフィールドの広さを改めて思い知った。

    爽快な旅でもしてたかのような気分になれた感想集。

  • 「男の爪は硬く、女の二の腕は冷たくてやわらかい。男女同権のささやかな犠牲として、そうしたどこか艶めかしい『異』も、消えつつあるように思う。」(向田邦子)

    川端康成、太宰治、「ライ麦」、どれも作者と同じような気持ちで遠ざかっている本たち。また読んでみたいという気持ちになる。
    さて自分がどれだけ成長したのか変化したのか試されてるぞ。これは。

    それにしてもこの本のとりとめのなさに集中力が続かない。
    ブクログのレビューを読んでいるような気分にもなる。
    新聞や雑誌掲載のせいか堅苦しくて抽象的すぎて、読んだことのある本さえ「え?そう?」という気持ちになる。
    週末の新聞の書籍紹介頁が好きだし、そこに知っている作家さんが本を紹介していると読むのが楽しい。連載だと翌週も楽しみなんだけどな。
    でも、この本のようにそれがひたすら続くと辛くなる。
    NHKの連続ドラマを一気にみせられたときに似ているのかも。

    それでもジワリジワリと読みたい本が増えていく。
    開高健の新刊だって!きゃー。
    佐野洋子、伊藤比呂美、ジュンパ・ヒラリ。繰り返し出てくる作家さんがいて角田さんの本棚に触れた気がする。

    「本がおもしろいものだということは、小学校に入る前から知っている。つまらない、とか、難解だ、とか、相性がどうも合わない、とか、そういうことも含めて、おもしろいことを知っている。なのに不思議なのは、おもしろい本に出くわすたび、『こんなにおもしろいなんて!』と、ぶったまげてしまうことだ。」

  • 絵本や児童書を読んで、たまに小説らしきものを読むと、どうしても気になってしまうことがある。
    文章が美しいかどうかという一点だが、ここでひっかかるとどうにも先へ進めないのだ。
    美しいとはつまり、無駄がないということで、読みにくい長いセンテンスだったり
    同じ内容を、表現を変えて執拗に繰り返したりするのはもうダメなんである。
    特に、負の感情を呼び覚ますものはもういけない。
    リアルなものをあまり知らない年頃だったら、それも新鮮で面白かったろうが、日々怒涛のごとくリアルのまっただなかにいる身には、申し訳ないが「けっ!」なんである。
    そんなわけで、この作家さんの作品もほとんど触れたことがなかった。

    それが、ブクログのお仲間さんのレビューにひかれて、読んでみたのだ。
    ファンの皆様、謝ります。目からウロコでありました。
    この方、たいそうな読書家さんで、しかも心底本を愛していらっしゃる。
    形式上「書評」という形をとってはいるが、批判めいたものは感じられず、
    ただひとりの「本を愛する女性」としてのスタンスがとても心地よいのだ。
    内容も多岐に渡り、「川端康成」や「太宰治」などの純文学を語ったかと思うと、
    「ライ麦畑でつかまえて」や「若草物語」など、本好きの食指は自在に動いていて、
    しかもどの章にも、作家さんへの限りない敬愛の念があふれている。
    とりわけ、叔母にプレゼントされたある本が、子供の頃に読んだ時は全く面白くなかったのに、
    9年経って再び読んだ時に初めて本当の面白さがわかり、ものすごく感動したと
    いうエピソードでは、この著者に親近感を持ってしまった。
    自分自身にもそういう出会い方をした本が何冊もある。
    【相手が解決すべき問題ではなくて、こちら側が抱えるべき問題」なのだから、これからは少し守備範囲を広げてみようかとも思う。
    後半部分は残念ながら未読の作家さんが多くなったが、今度これを読んでみようという気になった作品もちらほら。
    良い本に出合えるきっかけを与えてくれる、そんな一冊です。
    ブクログのお仲間さん、どうもありがとう!

  • 読みたい本がまた増えた...orz...

  • 「こういうことを書くのは本当は恥ずかしいのだけれど、でも、書く」とワザワザ書かなくてもいいような事を、あとがき冒頭に書いてしまう角田光代って正直な人なんだろうなって思う。TVのインタビューなんか見ていても、ふんわりした語り口で、素直で誠実そうな可愛らしい中年女性という感じで、あまりにも「いい人」感出まくりで、こういうのって作家としてはどうなんだろ?と余計な心配をしたくなる。
    商業書評って基本的に褒めなきゃいけないから、「文才のあるいい人」な彼女にとっては天職なのかもしれない。でも、随所に唸らされる表現を見つけると、ああやっぱり作家の言葉遣いは違うし、単なるいい人じゃないのかもなってちょっと安心?というか納得する。

  • 角田さんの小説は2冊しか読んだことないけどなんとなく手にとってしまった書評。(ご本人は感想文とおっしゃてるけど)

    角田さんの小説を読んでうわーうまいなーと感じる部分が短いスパンにたくさん詰まっててすごく贅沢なものを読んでいる気分を味わえた。

    現代文学中心です。

    最近読んだ狐の書評では自分が読んだことある本が1冊も入ってなかったけどこの書評は3分の1ちょっとは読んだことある本たちでした。

  • とてもいい書評集。
    角田さんのことがますます好きになった。


    書評を読んでその本を読みたくなったらすぐに手に取って物語の世界に入り込む、読み終わったらこの本に戻ってまた次の物語に‥と交互に読んでいくのが一番いい読み方かもしれない。
    この本を読んでいると物語が読みたくて仕方なくなって、だんだん書評を読む心持ちじゃなくなってしまう。

    こんなに強烈に読書欲(と言っても間違いではない強い欲求)をかきたてる本は初めてかもしれない。
    面白いのに(面白いからこそ)、最後まで集中力が続かなくなると感じた本も初めて。


    読みたい本が無くなったらまた読もう。
    …まぁ、当分無理だけど。

  • 小説家の中でも本好きと有名な角田光代さんが10年余りの間に書き綴った〈本と読書をめぐるエッセー〉を一冊に収録。
    角田さんに勧められるとつい読みたくなっちゃうんですよね・・・。

    この方きっと人のいいところを見つけるのもとてもうまいんじゃないかと思います。 ぜひぜひおすすめです!

  • 書評というより読書への愛があふれている
    ブックガイド
    批判的な目線から見ていない上に、読んだことがない本が
    多くても
    とっつきやすいく、「読んでみよう」と思った。

    ああ、これでまた読みたい本が増えていく…

  •  角田さんの本読みの深さにひたすら感動。一冊の本を私の何倍も味わい楽しんでいるのではないかと思った。また、本は全て面白く、つまらないところがあるのも面白いと言い切る角田さんが好き。

  • 本を愛し、本がある世界の幸福を噛みしめる作者の読書感想文集。もうこの世にいない作者の本は、新しい作品が読めなくなるのが怖いから少しずつ読んでいく、というところに角田さんの可愛さ、本への深い愛を感じた。

    そしてあとがき。新人賞をもらったとき老編集者に言われた言葉を胸に、先の見えない途方もない世界を生きるために、どんな本も読み、感想をしたためる、という悲愴な決意をした。本の海はとてつもなく広くて深くて、限りない。その世界を泳ぎ続けることの難しさというのを、あとがきから感じた。

  • 角田さんが勧める本ならば、と次に読みたいなと思う本がたくさん見つかった。物書きの人の綴る書評(感想文)の言葉遣いにうまいなぁーと唸らされる。

  • 読みたい本が増えた。人生、人と人との関係の複雑さ、生きるということ、時間…、雑多に集められた「感想文」を読んでいると、角田光代さん自身も見えてくる。読みたくなる。
    『なのに不思議なのは、おもしろい本に出くわすたび、「こんなにおもしろいなんて!」と、ぶったまげてしまうことだ。…それは本というものがつねに、自分の「おもしろい」と感じる狭小な枠を、小気味よく壊してくれるからだろう。』

  • 好きな作家の方が、自分も好きな他の作家を好きだと、
    なんだかとても嬉しい。

  • さすがにプロの作家です。読書感想文はかくのごとくあるべしという感じです。紹介されている本がすべて魅力的に思えてくる。読書力の違いを如実に感じさせられました。深いです。

  • 後書きで作者が書いているように、この本は書評集ではなく、感想文だから私にとって面白く読めたのだと思う。
    しかも著者は角田光代さんとくれば、選書にも信頼性が俄然出てくる。
    既読の本もけっこうあったけど、ここに紹介されている本はぜひ制覇して、角田さんの感想と比べっこしてみたい。2013/5/27

  • 角田さんは本当に本が好きなんだなあ、と嬉しくなってしまう一冊
    読みたくなる本にいっぱい出会いました

  •  おもしろそうな本が、たくさん紹介されていて、読みたい本がキログラム単位で増えました。

  • 読んでみたくなる本があまりなかった。

  • 書評まとめ。ちょこちょこ読んでる作品があったり、知らない作品でも書評を読んだら気になったりした。

  • もったいないのでちびちび読んでましたが、とうとう読み終わってしまいました。古書店カフェに集うミステリー好きの常連たちとマスターのゆったりとした時間が心地よいです。日常に潜むちょっとした謎解き、ミステリーの薀蓄、そして乾くるみさんらしい最後には仕掛けがちゃんとあって、大好きな本になりました。

  • とても参考になります。
    そして、やっぱり作家さんの感性で読んだ感想はとても面白いです。

  • やっぱり私は角田光代好きだなあとしみじみ感じたのが、このブックレビュー本。
    この類のレビュー本は数多くあるが、それを読んだだけで何となく原本を読んだような気になってしまうものも多いような・・・。
    だけど、角田さんの本は、読みながら今すぐにでも原本を手に取って、確かめたくなる、本の世界を感じたくなる衝動に何度も駆られた。
    例えば、安岡章太郎『カーライルの家』では、“『カーライルの家』にはまったく不思議な心地よさがある。読んでいて気持ちのよくなる文章、というのはめずらしい。透明に澄んでいて、雑味やとんがったにおいがない、のどが渇いたときの水のようにするすると体に入る。”とある。「気持ちのよくなる文章」が「水のようにするすると体に入る」本なんて、是非読んでみたいじゃないか。
    もう一つ、テス・ギャラガー『ふくろう女の美容室』は“いい短編小説というのは、私にとって、最後の一文を読み終えたあと、ぱあっといきなり未知の世界が開けるような小説だ。言い換えればそれは深い余韻ということになる。”そうだ。そして“この短編集にはあきらかにそういう種類の小説ばかりが詰まっている”と書かれちゃあ、その深い余韻とやらを感じてみたいと思うもの。
    本人いわく、この本は「感想文集」なのだそうだが、角田さんの「本」に対する愛情が伝わってくる。

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