野村の実践「論語」

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093881517

作品紹介・あらすじ

野村監督の名言を論語と重ね読む、人生の指南書

野村語録とも称されるように、野球の現場で、あるいは解説の場で、講演先で、野村監督は多数の名言を残してきました。含蓄あるその言葉の数々はもちろん自らの体験に基づくものですが、昨今ブームとなっている論語と重ね合わせてみると、その「教え」の根底にあるものが驚くほど似ていることに気づきます。人間として生きる道、あるいはリーダーとしてどうあるべきか、礼節を知り、徳を磨くにはどうすべきか、そして強い組織をつくるにはどうあるべきか--時空を超えて、それらを考え抜いた両者の言葉を比較するこの本は、野球ファンだけでなく、論語愛読者にも新鮮で興味深く読める、人生の指南書ともいえる一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 読もうと思った理由
    著者が論語をもとに指導・監督されていたので興味があったため

    気づき
    ・困難を超え無形の力を自分のものとしてこそ、人は真
     理へ向かう
    ・一流の人物になれるかどうかは基本的な目的意識を持
     っているか否かによって決まっていく
    ・敵は己のなかにある
    ・失敗を生かせるものはそれを放置するものに勝る
    ・組織の上に立つものはどっしりと構えて物事に動じな
     い人物でなければならない。才覚だけの人間がリーダ
     ーとなった組織は早晩滅びる
    ・原理原則をもたない人間は組織のなかで信頼されず、
     受け入れられることもない
    ・リーダーたるものは自らの身を正して人をつくり、何
     かを気づかせそれが組織に反映されるのを待つしかな
     い
    ・人を育てるということは自信をつけさせるということ
     だ
    ・甘やかされた組織は自己中心的な人間の巣窟となる
    ・利益や効率のよさばかり追ってはいけない
    ・控えめな生き方を忘れてはいけない
    ・心配や恐れを繊細かつ大胆にコントロ-ルせよ
    ・なるべく教えるな。考えさせろ。教える前にやらせて
     みよ
    ・芽が出る種がなければいくら水をやっても花は咲かな
     い
    ・人間はみな使命をもって存在している
    ・データをもとに上司と部下の価値観を共有し、上司と
     部下の思考を一致させよ


    著者の選手・監督として輝かしい実績を上げてこられた反面、そうではない時期もあった勝負の世界を経験されてこられた中での言葉は思いものがあり、かつ昔から人間への洞察が深かった論語にも敬意を表したい

  • 数千年前から伝承されてきた論語の教えを、野球界の頭脳である野村さん独自の解釈で学べる一冊だった。目標は到達点ではなく通過点であるから、人はいつまでも勉強する必要がる。そして何より、野村監督の「人生」に対する4つのステージの考え方が頭から離れない。

    ①人として生まれる(運命)
    ②人として生きる(使命と責任)
    ③人を生かす(チーム力)
    ④人を生む(繁栄、継承)

  • 論語から引用された言葉と、ノムさんが生み出した言葉をうまく紐付け、
    ノムさんの見解が書かれており、特に野球好きの僕にとっては理解しやすく、
    勉強になる言葉も多かった。
    僕もリーダー的な立場に立つことも多くなっており、ノムさんの監督視点での見解については、覚えておきたいと思った。

    ただ、本としては、もう少し内容を絞ったほうが読みやすいかな。

  • 野村克也氏が孔子の「論語」を元に自らの経験、考えを述べた本。「論語」自体はまず手にとって読むことはないだろう本ではあるが、野村氏が自らの経験を踏まえ噛み砕いて説明をする感じでなるほどと思えるものが多かった。仕事や人生の糧になる考え方もあり、参考になった。

  • 野村監督は野球の現場で、
    多数の名言を残してきました。

    一方、論語というのは、
    古代中国の孔子の言行を弟子達が記録した書物。
    約2000年の間、学問の主要科目になったものです。

    論語と野村監督の明言を重ね合わせてみると、
    共通することがあることに気づきます。


    本日ご紹介する本は、

    論語と野村監督の明言を比較し、
    論語を解りやすく説明すると共に、
    野村監督の考えが学べる1冊。

    ポイントは
    「自力本願」

    敵は、自分の外にあるのではなく
    自分自身であると言います。

    自分以外のところに意識を向けて
    「他力本願」になってしまっては、
    成長できません。


    「監督の役目」

    野村監督は、監督の役目は、監督自身が人間として多くを学び、
    より成長していく努力を続けることが何より重要。
    といいます。

    そして、選手のミスは、指揮官である自分の資質に
    原因があると考えるべきである。
    ともいいます。

    すべて、自分起点で考えることが、
    よりよい結果につながるのだろうと思いました。


    「努力に即効性なし」

    理系の考え方だと、なにかをインプットしたら
    インプットに応じたアウトプットがあるのが
    あたりまえだと考えてしまいがちです。

    しかし、努力というのは、インプットし続けて
    だいぶ経過してからアウトプットが出てくるもの。

    何事も、努力は結果がでなくても
    続けることが大事だと思いました。


    「人間的成長なくして技術的進歩はない」

    技術的なスキルと人間性が
    なにか関係があるのかと思います。

    技術的に絶えず向上していくためには、
    些細な違いも敏感に感じ、
    どうしたら改善できるかよく考え、
    工夫し、実践することが重要です。

    つまり、”感じる力”と”考える力”を
    養っていかなければなりません。

    そのためには、人間的成長が重要だといいます。

    なるほどと思いました。

    ぜひ、読んでみてください。



    ◆本から得た気づき◆
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    努力に即効性なし=自分の夢をかなえた人の中で天才型と呼ばれる人物はほんの一握り
    人間的成長なくして技術的進歩はない=感じる力、考える力を養うこと
    「小事が大事を生む」=いきなり大きいことを目指すのではなく、小さいことを積み重ねてこそ大きな目標が達成できる
    「敵は他力本願に走ってしまう自分自身」=敵を自分のなかに見いだしてこそ、成長への道は開ける
    失敗と書いて「せいちょう」と読む=失敗を活かせる者はそれを放置する者に勝る
    依頼心が強すぎると、人間の思考力は著しく衰える
    ”考えること”を怠った者から脱落していく
    データをもとに、上司と部下の価値観を共有し、上司と部下の思考を一致させよ
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆目次◆
    まえがき 「阪神の謎」
    第1章 絶え間なき自己研鑽が人間力を育てていく
    第2章 リーダーとしての力を身につけよう
    第3章 自分を導く本物の師の見つけ方
    第4章 礼節を知り、徳を磨く生き方を学ぼう
    第5章 逆境にも負けない強い組織をつくる知恵
    あとがきに代えて 「孔子の生涯」
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆マインドマップ◆
    http://image02.wiki.livedoor.jp/f/2/fujiit0202/94a1fe1cad0d67bf.png
     

  • 野球のことはよくわからないけど、自分の環境に置き換えて
    読んでみても、前向きに頑張ろうっていう考えにさせられました。
    反省する点、思い当たる点、でてくる、でてくる。読んで満足では
    なく、変わらなきゃね。

  • 野村氏の実体験から論語を語る(逆かも)著書。
    論語と関連させることで、野村氏の教訓が、野球だけでなく汎用性的な教訓であると思うことはできました。
    とはいえ、野村氏の著書を過去に読んでいる方からすれば、大概は既視感のあるエピソードなので、初めて野村氏の本を読む方にはお勧めかもしれません。

  • 野村氏が書き下ろした論語の解説本。この方は現役引退後にかなり勉強されたという。野球ばかではなかった。本書は野球エピソードを絡め論語の精神を説いている本。

  • 野村監督自らが野球の指導で体験した切り口で論語を解説する。
    監督自らが体験したこと持ち出すことで、論語が現代においても、仕事や人との関わりかたにも通ずるところがあることを教えてくれる一冊。

  • 論語をスタートするには最適な本。


    また野球好きな方にもおすすめ。

    色々人生考えることができる本です。


    手帳に書きたくなる言葉も多いです。

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著者プロフィール

京都府立峰山高校を卒業し、1954年にテスト生として南海ホークスに入団。3年目の1956年からレギュラーに定着すると、現役27年間にわたり球界を代表する捕手として活躍。歴代2位の通算657本塁打、戦後初の三冠王などその強打で数々の記録を打ち立て、 不動の正捕手として南海の黄金時代を支えた。また、70年の南海でのプレイングマネージャー就任以降、延べ4球団で監督を歴任。他球団で挫折した選手を見事に立ち直らせ、チームの中心選手に育て上げる手腕は、「野村再生工場」と呼ばれ、 ヤクルトでは「ID野球」で黄金期を築き、楽天では球団初のクライマックスシリーズ出場を果たすなど輝かしい功績を残した。現在は野球解説者としても活躍。

「2016年 『最強の組織をつくる 野村メソッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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