好奇心ガール、いま97歳: 現役写真家が語るしあわせな長生きのヒント

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093882026

感想・レビュー・書評

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  • ただ馬齢を重ねている我が身としては、驚きの「若さ」である。
    なにしろ、関東大震災を9歳で経験、日本初の女性報道カメラマンとしてデビュー、草創期の写真界のこと、戦後日本の発展史をその眼で見てきたのである。
    しかも今もはつらつと美しい。戦後は洋服デザイナー、フラワーデザインの仕事をして、なんと70歳を過ぎてからカメラマンとして再デビューしたとか。「見たい、知りたい、表現したい」こそ、若々しく生涯現役でいきるヒケツなのですね。

  • 学べるときに学ぶこと。好奇心を捨てないこと。いくつになっても恋をする。祖母もそうだが、長生きな人はこんなところがあるんだなぁと思った。

  • 日本初の女性報道写真家、笹本恒子さんの人生を綴った本。
    笹本さんは、97歳の現在も現役の写真家です。
    大正3年生まれで女性が外で仕事をするような時代ではなかった時から、写真家として活躍されています。
    途中、戦争を体験し、生活のために写真から離れた時期もありましたが、71歳になって写真家に復帰。
    笹本さんは常に新しいことに対して好奇心旺盛で、年齢を気にせず挑戦します。
    男性と張り合う必要はない、女性らしさ・自分らしさを生かした仕事をする、という言葉は今の働く女性にとってとても大切な言葉のように思えます。また、この本を読んでいると、年齢を気にするなんて損だな・・と思えてきます。笹本さんは50歳になってインテリアの教室に通ってパースの描き方を覚えているのです。人生の先輩から背中を思いっきり押してもらえる本です。

  • 読み始めて1時間で読了、でも、100年分の人生が詰まっている。

    写真家・笹本恒子氏、1914(大正3)年生まれ。
    女学校を卒業後、画家をめざし、
    後に初の女性報道写真家として活躍。
    一時期、写真から遠ざかるも71歳にして現役復帰……
    すごい人。

    でも、できうるなら、大病の一つ、二つを
    乗り越えていおいていただきたかった。
    人間丈夫でなんぼよね……なんて、つい、ひがんでしまうから。
    もちろん、丈夫な人間が長生きして、
    皆が皆、笹本氏のようになれるわけではないのだから、
    やっぱり、すごいのだ。

    正直、おっしゃることは、耳が痛いことも多数あり。
    人生半世紀の私、一世紀にならんとする著者に教えられるばかり。

    絶対にあきらめないこと、
    生きていれば、きっといいことがあるはず。
    そう信じて、あやからせていただきたい。

  • “老いるから遊ばなくなるのではなく、遊ばないから老いるのである”という言葉を聞いた事がありますが、著者はまさに当てはまると思います。97歳とは思えない程若く見えるのは、当時の日本女性とは少し違った思考や、日本食よりもパンや肉が好物という習慣も一因かもしれません。これからも新しいことに挑戦し、いい写真を撮り続けて下さい。

  • 笹本恒子さんが写真を撮ってる人だということは、ぼんやり頭にあったが、97歳ですか!とやはり年齢を知って、驚く。そういう反応がイヤだからと、ある時期まで笹本さんは年齢をはっきり言わずにきたそうだが、1914年うまれ、いまも現役というのはやはりびっくりする。もう20年近く前に死んだ私の祖母は、笹本さんと2つ違いの1912年うまれだった(もし生きていたら、ことしは100歳だ)。10年すこし前に死んだ母は50代だったから、ひとの寿命はそれぞれとはいえ、長いこと生きはる人もおるんやなあと思う。

    一人称「わたくし」で書かれる、1世紀近く生きてきた笹本さんの人生。

    ワインになぞらえた撮影の話に、写真家が人を撮るのは、そういうことかと思う。ただシャッターを押せば写る、というだけではない、写真家がひきだす、その人のすがた。

    ▼ワインの楽しさは、友人、知人が訪ねてきたときなど、20分、30分とおしゃべりをするうちに味が変わっていくところですね。
     これは、人間も同じ。
     撮影ではじめてお会いした人と写真を撮りながら話をしていると、その人のいろいろな面が徐々に出てきて、表情も変わってくる。わたくしは、そういうところに写真の仕事のおもしろみを感じています。ワインも人もつくづくおもしろい。だから、やめられません。(p.37)

    女学校を卒業するころ、先生が「将来は何になりたいですか」とたずねると、おおかたの女の子は「いいお嫁さんになりたいと思います」と答えた。そういう時代に、笹本さんは「絵描きになりたいです。でも、なれなければ小説家になりたいです」と答え、「それがダメでしたら、新聞記者になりたいと思います」と言ったそうだ。

    『We』176号(http://femixwe.cart.fc2.com/ca18/73/p-r18-s/)で話を聞いた田中恒子さんも、かつて絵描きになりたいと思い、美術系の大学への進学を希望するが、親にいかぬと言われている。その田中さんより30ほども年上の笹本さんも、やはり「趣味で絵を描くのはいいが、女絵描きになんてとんでもない。嫁のもらいてがなくなるし、食べてはいかれない」と大反対され、女子美への進学は許されなかった、という。

    いま、絵描きになりたいと思う女は、反対されずにいけるんかな、どうやろと考えた。

    (2/3了)

  • 97歳で現役! 凛として生きるって素敵。 自分の人生は自分のものですものね。 大切に生きましょう!

  • とても良かった。最近、年を感じることが多くなって、そう長生きはしないだろうと弱気になっていたけど、この本を読んで背筋がピシッと伸びる感じがした。
    たしかに、好奇心・独立心が旺盛でなかなかふつうの人はマネができない人生ではあるけれど、「すごいな~」という本ではなく、一人の女性が自分に正直に、時にはつらい思いもしながら、それでも一生懸命に生きてきた道筋が肩の力を抜いて語られていて、ある意味とても身近に感じられる本だと思う。もしも長生きすることがあったら、こんなふうに私も生きたい。

  • 好奇心があると 歳のことなんかわすれてしまうぐらい 充実するもんなんだとつくづく思いました。
    これからも 楽しく毎日を過ごしていただきたいな~
    そして また気付かれた事を本にまとめていただきたいと思いました♪

  • タイトルからして洒落てるけれど、とてもこの方97歳には見えません。きっと昔からハイカラな方だったんでしょうね。読んでみると無理をして周囲と違うことをしているようには感じられないのですけれども。不思議な感じです。でもあくまでもこれが彼女の自然な生き方なんでしょうね。だから長生きして、かつ元気で好きなことを続けられるのでしょう。

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著者プロフィール

日本初の女性報道写真家。日本写真家協会名誉会員。1914年9月1日生まれ。昭和15年、財団法人写真協会に入社。「社会派の写真」を手がける一方、さまざまな人物の時代の顔を、自ら口説き、撮り続け、国内外で数多くの写真展を開催。2011年、吉川英治文化賞を受賞後、一躍時の人になり、新聞、TV、雑誌などから取材が殺到。2011年、日本写真家協会賞功労賞受賞。2012年、札幌に「笹本恒子常設写真ギャラリー」誕生。2014年、「笹本恒子100歳展」写真展を全国で開催。同年、「ベストドレッサー賞」受賞。15年より、鎌倉・海辺の老人ホームに転居するも、取材、執筆活動など、元気に継続中。著書に『100歳の幸福論。』(講談社+α文庫)、『好奇心ガール、いま101歳』(小学館文庫)、『お待ちになって、元帥閣下』(毎日新聞社)、『99歳、現在進行形ね。』(小学館)、『笹本恒子の「わたくしの大好き」101』(宝島社)など多数。

「2016年 『[日めくり]笹本恒子、101歳。バラ色の人生 いつまでも楽しく生きるための毎日のヒント。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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