社会の抜け道

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  • 小学館 (2013年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093882569

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社会の抜け道の感想・レビュー・書評

  • おなじみの社会学者・古市憲寿と、若手の左寄り哲学者・國分功一郎の共著、対談集。國分もlifeで知って、とても面白いしっかりした人だなという印象を持っていた。哲学者って名乗るのは結構大変だと思う。哲学の仕事って真理の探究でしょ。思想とは違う、っていうのはイメージで線引きはわからないけど、でも逆にそう名乗っているのが新鮮。

    本の内容としては、現状、日本の社会制度や流行りなんかをバシバシと批判する感じ。古市はノルウェーに、國分はフランスに、共に学生時代留学していた経験があるので、そこと日本との違いをいいところ悪いところを上げながらやり合うのは、結構面白かった。相変わらず古市は自由で現代の権化。でもこの本では多少だけど、育った家庭のスタイルとか食事の好み、運動に関してとか、古市個人のことが書かれていて関心が行った。現代の権化、というのは決めつけだけれど(個人的には好きだけど)、それにも因果と言っていいのかわからないけれど、理由はあるのだなと感じた。こういう考え方はちょっと宗教くさいでしょうか。その点國分の考えは、ちょっと自分とは違うところはあるけど、いたって理解しやすく、コンテクストとテクストが素直に結びつく。

    古市がいろいろと聞いて、國分がべらべらと考えていることをしゃべる。たぶんこの考え方、古市は納得してないよな、とかいろいろと想像もはかどる。面白かった。國分の消費と不満足あたりの着想はかなり関心がある。「暇と余暇の倫理学」今度読んでみよう。


    17.6.20

  • 哲学者と社会学者の偏屈者が、難しく物事を捉え自身の思考をお互いに主張している内容。どうしてもこの年代の評論は、外国との比較して日本はという不満や御託が多く、行動が伴わない捉えてしまう。
    ヨーロッパは老人の資本主義、アメリカは大人の資本主義、日本は小児の資本主義。既に価値を内面化している老人、前へ前へと進もうとする大人、守られた母的な安全圏の中で戯れる小児。
    日本の原発再稼働反対デモは、かつての学生運動と違い闘争性がなく整然としている。楽しくやろう、真剣と深刻は違う。ヘイトスピーチの在国朝鮮人も憎悪の対象だが原因ではない。

  • quiet maverick
    自分の習慣1つでさえ変えられないのに
    フランスへの子どもでいていいというメッセージ
    過剰サービス

  • デモや消費社会、保育園に食料問題まで幅広く現代社会について対談している。当たり前の価値観が本当に当たり前かなんて比べてみなきゃ分からないし、社会は劇的になんて変わらない。何を選択して生きていくのかを考える本。

  • 軽い雑談トークのように作られながら、結構重要なトピックがいくつか。30年前にもこの議論はあったけど今もあんまり変わってないよね〜なこともあれば、この30年でものすごく変化したこともある。(後者はもちろんネットの普及によるところが大きい。)
    どちらも、目をそむけたり都合のいい解釈をしたりせず、真っ向から受け止め適応していかなくちゃならないんだよなあ。。。

  • モノは溢れてるんだけど欲しいモノが無い

    他の家族を「自分たちはできなかったのにずるい」と羨ましがってたら

    他人の評価を変える為に「自分探し」をはじめちゃったりして自己嫌悪。

    世の中を深刻に捉えるのではなく真剣に考える

    そんな訪れない新しい何かを待っている人の為の本。

  • 【No.24】哲学者の國分功一郎さんと社会学者の古市憲寿さんの対談本。「真剣であることと、深刻であることは違う。深刻な顔をしているけど少しも真剣じゃないってことがよくある」「うまく遊べないときや楽しめないときに、人は退屈する。だから外から仕事や課題を与えられることを求めるようになる。自ら自由を捨てて、何かに従いたくなる。遊ぶことができないと、隷属したがる人間が出来上がってしまう」「自分がどういうものに向いてるとか、何を楽しいと思えるかをきちんと発見していけるといいと思う。自分がどういう体をしていて、それをどうすればうまく使えるのかとか、どういう考え方の癖を持っていて、どういうことに関心を向けるかとか、そういう自分が持っている諸条件を、少しずつ試して発見していくっていうのはすごく大切なこと。自分の心身が持っている法則を、少しずつ発見していくという発想」

  • 前に読んだ「絶望の国の・・・」の著者古市氏と、哲学者の國分氏の対談。消費社会・子育て・食糧問題・デモ等について、哲学者らしい分析をしてくれる。消費社会では日本という物質が溢れかえった国に何も欲しいものが売っていない状況をイケアとコストコのあるショッピングモールから考察する。因みにイケアは日本では北欧テイストのおしゃれ家具イメージだが、現地ではいわゆるユニクロ的な下流感があるようだ。デモについての考察では、社会や世の中にはなかなか革新的な変化は起こらないが、徐々にかわっていくものだとの考えを示し、戦法として違う意見を理解する、その人と話し合えるか、また説得できなければ更に勉強するという学者らしい考え方と共に、反対と叫んでいても、自民党にも敵を作らない。世の中は皆で変える必要が有るからだそうだ。自分にはなかなか出来ないかな。それと反対活動に50年携わってきた人の、「俺たちは年をとったが、あんたがた(役人)は年が変わらないな」という発言が沁みる。役人側の責任者は3年くらいで交代してしまう。それと交渉してもまた変わる。結局日本では何かを変えるのは相当エネルギーが要るということだ。しかし石破が官邸デモをテロと表現したように、体制側はそのような国民運動をテロとして弾圧したいという本音が現れて来た。逆に言えば相当参っているということであり、國分氏は批判していたが、更に押し捲ることも必要なのではないかと感じた。

  • 資料ID:21401203
    請求記号:304||F
    配架場所:普通図書室

  • 読みやすいけど、これを出発点に考えを深める可能性がありそうな一冊。ショッピングモール、保育園、など題材は身近。だからなんだ、といいたくなるような個人の感想的な部分もあるけど、それすら裏付け部分に厚みがあるために興味ひかれた。

    興味深かったのは、社会的な運動をする際、それ自体を楽しむのか、変革を目的として啓蒙をするのかという二つのタイプについての話。前者は波及力は少ない代わりに永続的、後者は無理が生じて破綻しやすい。。など。

    確かに、周りをかえよう!という運動ってどこかしんどい。多分本人も、まわりも。割合の問題と思うけど、自分はこれが楽しい!という割合が高いほど長続きしやすいだろな。

  • 84年生まれゆとり世代代表(?)と75年生まれ就職氷河期世代の、新旧社会学者の対談集。

    消費社会のありかた、農業やデモ活動の理想(日本のデモは礼儀正しいらしい)、保育園と女性の就労問題、食料危機と住民運動などなど。幅広く論じていくおもしろい逸書。

    シングルファーザー経験もあり食通でもある國分功一郎に、負けないぐらい、豊富な知識と的をついた意見で攻める古市憲寿の対談をうまく構成。たまに古市のちょっとドラスティックな切り返しに國分が答えないまま章が終わってしまうのが残念だが、日本の各地を見学しながら社会問題を論じていくというスタイルに感動。

    フランスは理性の国でオトナになれという外圧が酷いから、反動で日本の幼稚なアニメや漫画が人気を集めているという説には納得。専業主婦のピークは1975年で、すでに過去のものになりつつある、日本の商業施設は功利主義に反するように、余白をつくっているなど、おもしろい切り口で諸相を語る。

    「抜け道」とあるように、現代社会の王道をはずれても生きていけるよ、と示唆するような提言の書ではない。ただ雑学として読むとおもしろい。

  • 読みやすい。対談のなかで色々話が飛ぶのでおもしろい。
    デモの話、保育園の話。

  • 第二章 「暮らしの実験室」の幸福論…の「契約派」と「農場派」の分裂から見えてくるもの、組織は必ず分裂するという新左翼運動の轍、「ダウンシフター」か「静かなる異端者」か、フーコーの権力批判と「新自由主義」…が特にお気に入り‼︎

    見田宗介さんと大澤真幸さんの対談集『二千年紀の社会と思想』を読みはじめたけど、この周辺の話しが堪らなく面白い(o^^o)


    國分さんの『来るべき民主主義』、『暇と退屈の倫理学』を読んでからの『社会の抜け道』でした。既に購入済みの『ドゥルーズの哲学原理』に挑戦してみようと思う。

  • 数ある対談本の中でも1,2を争う面白さ。

    思想や哲学を生活に結びつけるということはきっとこういうことを言うのだろう。ショッピングモール、保育園、食など、誰もが身近に接するものから見える問題。そしてその問題との向き合い方のヒント。

    今を代表する論者である國分功一郎氏と古市憲寿氏との対談はそれぞれの問題へのスタンスを明らかにする。國分氏は熱く、古市氏はクール。きっと大きな意見の隔たりもあるに違いないが、互いのリスペクトが対談を対立ではなく、協調へと導く。

    対談自体もそうだが、批判の応酬からは問題の解決の糸口は見つからない。対談は最後は「反革命」というキーワードん出すが、まさにその通りで社会はマクロ視点からの批判では変わらない。現場でひとつひとつ変えてゆくしかないのである。

    それは決して悲観するものではなく、地に足がついているが故に私には面白いものに思える。この対談自体がそうであるように。

  • 思ってたより面白かった。随分前にぱらぱら冒頭を読んでいたときは、ざっくばらんであると同時に雑多な会話の集積という印象だった。けれど、今回ふと通読してみると、なかなかどうして面白い。視点が共有されていると同時に違うことで、話が面白く転がっている。
    気になるのが、國分さんの加筆・修正部分。取ってつけたような感じだし、とっちらかった印象は加筆のせいでもあるはず。
    とはいえ、「消費と浪費」、「暇と退屈」の話を引き継いでいるものとして、『暇と退屈の倫理学』の修正点も聞けたのが収穫。

  • 多様な領域へのたくさんの情報がちりばめられている、かつ読みやすくまとまった対談。これを足掛かりにして、注釈に書かれている文献に手を出すとかなり深められるのかと思う

  • テンポがよく読みやすい対談本。

    途中途中に出てくる哲学、思想系の作家へのきっかけにはとてもいいだろう。特にポストモダン以降の思想

  • 学生時代は社会学に全然興味がなかったんだけど、この二人の対談は、するする頭に入ってきて、世の諸問題への関心が高まっていく。
    國分さんの単著も読んだことなかったんだけど、この本のおかげで大分関心が高まりました。
    そしてシャルル・フーリエがなぜここ最近見直されているのか謎。妙に波がきてる感じがするよね。

  • 対談形式なので読みやすい。もっと雑然とした内容かと思っていたがそうではなく、しっかりまとまっているのは構成が速水健朗さんだからか。IKEAやコストコに行ってみたことで消費論について語ったり、これからの農業について、コミュニティについて語ったり、食や保育、政治参加にまで話が及ぶ。こうして読むと哲学というのは無用のものでいて、世間にどう相対して解釈するかの基準を作ってくれるのだなあと思う。
    國分さんは著書を読んだ時、人としての感情がないくらいに超絶頭が良さそうに思ったが、実際はドライながらもかなり暖かそうな人のようだ。
    とにかく頭が良い人同士の対談。面白かった。

  • 対談形式なので読みやすい

    注釈で紹介されている本のなかに興味深いものが多々あったので、それらも合わせて読んでみたいと思った

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:304//F93

  • 対話形式ですらすら読めるが頭に残りにくいため、☆四つ。ただ情報量はものすごく、改めてこの二人は本当にすごいと感じた。少しは紹介された興味ある文献に当たってみたい。

  • 古市 社員旅行に参加する年配社員の意識も変わってきているんだと思います。苦手な社員に酒を強要したりする昭和的圧力は駆逐されつつあります。小説家の朝井リョウさんは、社員旅行先でずっと小説を書いていたらしいです。だったら、行かなきゃいいと思うんだけど(笑)

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社会の抜け道の作品紹介

私たちの日常の中にある「抜け道」を探して

“怒る”哲学者・國分功一郎と“煽る”社会学者・古市憲寿が、ショッピングモール、自給自足のコミューン、保育園など「社会の現場」に行って、考えて、とことん語り合う! 1年以上に及ぶ、ふたりの思考の軌跡。

◎IKEAやコストコなどショッピングモールになぜ人は引きつけられるのか
◎自分の心の悩みや不満を醸成する装置としてのネトウヨ的デモ
◎選挙に行っても選択肢がないと感じるのはなぜか
◎自給自足生活のコミューンに「リアル」はあるのか
◎シングルファザーとしての経験から「保育園」を語る
◎これからのブームは、リタイア組の「自分探し」
◎ガラッと変わる世の中はいびつ。半径1メートルの革命でいい

ダウンシフターズ(減速生活者)、消費社会、新自由主義、デモ、ネトウヨ、脱原発、専業主婦志望、ワークライフバランス、イクメンと保育園、少子化、水戦争、食欲と性欲、インターネットとソーシャルメディア、住民投票――
こんなにも豊かなのに、閉塞感がたちこめるこの現代を私たちはどう生きていくのか、生きるって何か楽しいのか、楽しむためには何が必要なのか。様々なキーワードから、私たちの日常の中にある「抜け道」をふたりの論客が探る。

社会の抜け道のKindle版

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