イベリコ豚を買いに

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 406
感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093883658

作品紹介・あらすじ

謎だらけのイベリコ豚を追ってスペインへ!

「本当にどんぐりを食べているのか?」「イベリコという町はどこにあるのか?」「安売りセール肉は本物か?」……。
レストラン、スペインバルはもとより、今やコンビニ、回転寿司でもごく普通に売っているイベリコ豚。高級食材として知られているはずのものが、いまや日本全国で手に入るのはなぜか?そもそも、イベリコ豚はそんなに沢山いるのだろうか?
著者はそんな素朴な疑問をいだき、取材を始めた。日本人が知らないイベリコ豚の「真実」を明らかにすべくスペインを目指した著者。幾多の困難を乗り越え、現地に辿り着いた著者を待っていたのは、驚きの連続だった。……。
ローマ時代の遙か昔からスペインで幻の豚を守り育ててきた熱き男たち。そして素晴らしい生ハム作りに命を捧げる職人たちとその家族のドラマを紡ぎながら、知られざるイベリコ豚の生態、そして食肉流通事情を解き明かしていく。さらになりゆきでハム作りにも携わることになり……。
多様なジャンルをテーマに、多くの傑作ノンフィクションを世に出してきた著者がスペインと日本を舞台に描く、読み応えのある食ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 題材が“イベリコ豚”であっただけで、主な内容は仕事に向かう姿勢や志がいかに大事かと書かれた本だと感じた。
    読む目的として、私にはこれ以上ないのではないかと感じ、先人の知恵を拝借することが出来ました。

    きっと後々に自分の人生を変える本の1冊になるのでは。と。
    ただ、それはスペインの食文化に携わっている、独立起業を考えている“私”だからの感想です。

  • 第107回アワヒニビブリオバトル&全国大会予選で紹介された本です。ハイブリッド開催。@全国大会予選。チャンプ本。
    2023.12.29

  •  イベリコ豚に興味を持ってスペインまで行ったら、なんだかんだあってハムを作ることになった著者の話。内容としては個人的にスペインと日本の文化の違いが知れて面白かった、またこの時点でのTPPについての考えと現状を考える良い機会となった。さらに著者がハムづくりに取り組むうちに「仕事の本質」など様々なことを学び取る場面は興味深かった。

  • ひょんなことからイベリコ豚に関心を持った著者は、スペインまで実物のイベリコ豚を取材に行きたいと考えるが、何と言っても世界最高級のブランド豚、コネも無いままに物見遊山に訪れる訳にもいかず、「イベリコ豚を輸入したい」とオファーし、ビジネスルートでアクセスすることにする…

    巻頭グラビアページの写真だけでも一見の価値あり。
    自然の野山の中で悠然と放牧されるイベリコ豚の群れ。
    薄墨色の肌、引き締まった体躯、その姿には崇高さを感じてしまう。

    日本でイベリコ豚がその名を知られるようになったのは、2005年の秋頃からだとか。
    実は自分、まさにその2005年の秋に結婚一周年のディナーでイベリコ豚に初めて出会っている。
    が、彼らがどんな素性の豚なのか、恥ずかしながらナッツを食べて育った豚という基本的な情報すら今の今までちゃんと認識したことはなかった。
    それもそのはず、日本のよくないところで、イベリコ豚への正確な理解も無く「スペインの最高級黒豚」だとか誤解を招くような安売りがされてしまい、イベリコ豚へのイメージは本来のものとはほど遠いものになってしまっていると言う。
    ちなみに、スペインでの認証基準では、イベリア種の純血、またはデュロック種との交雑でイベリア種の血が50%以上であるものしか「イベリコ豚」を名乗ってはいけないのだとか。
    また、ナッツを食べて育つのは純イベリア種のなかでベジョータと呼ばれるごく一部の最高級豚のみで、それ以外セボと呼ばれるイベリコ豚はナッツを食べずに育てられるとのこと。

    本の中で紹介されるスペイン土着の食文化(野菜を食べない、だとか)や、スペイン人と日本人の肉食に対する文化の深さの違い(魚食についてのそれと丁度真逆になる)についての考察なども非常に興味深い。

    思いつきでイベリコ豚の輸入ビジネスに手を染めようとしたビジネス音痴の著者が、なんとも魅力的なスペインのイベリコ豚生産者や、食肉業に携わる日本人の協力者たち(精肉事業者、流通事業者、レストランシェフ・経営者)と交わるうちに、ビジネスの本質に触れて新鮮な気づきを繰り返していく様も、なんだか素朴な感じでよい。

    マルティグラ・ハム、一度注文してみたくなっちゃうな(高いけど)。


  • ノンフィクション

  • 【由来】
    ・ラジオ版学問ノススメで

    【ノート】
    ・図書館でパラパラと読んでみたが、まぁ、Podcast聞いてればそれで足りる内容だった。

  • ☆ほー。おもしろいものだな。

  • 悪くはなかった。というか、イベリコ豚の話なのかなんなのか、若干間延びしてしまってただの苦労記になっていた。
    スペインが好きな人ならそこそこ楽しく読める。あとオッサンの頑張る話が好きなモーレツ社員(死語ですね)タイプの人も共感できるのではないか。
    自分はスペインが好きなだけなので、途中は苦労したが、イベリコ豚ってなんなのか、ということは理解できたのでよかった。
    はっきり言ってサラッと読める本ではないので、いかにも好事家向け。

  • ノンフィクションの面白さがあった。とくに食べ物に執着がある身としては、楽しめる部分が多かった。本物のイベリコ豚の生ハム食べなきゃ。

  • 《教員オススメ本》
    通常の配架場所:教員おすすめ図書コーナー(1階)
    請求記号 648.2//N93
    【選書理由・おすすめコメント】
    食べることが好きな人へお勧めです。スペイン料理で最高の生ハムの原料となっているイベリコ豚への愛情豊かな育て方を垣間見てみませんか。ほんとうに美味しい本物の生ハムが食べたくなってしまいます。(医療栄養・松本明世先生)

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著者プロフィール

野地秩嘉(のじ・つねよし)
ノンフィクション作家
1957年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務を経て現職。人物ルポルタージュ、ビジネス、食、芸能、海外文化など幅広い分野で執筆。著書は『サービスの達人たち』『イベリコ豚を買いに』『トヨタ物語』『スバル―ヒコーキ野郎が作ったクルマ』『高倉健インタヴューズ』『日本一のまかないレシピ』『キャンティ物語』『一流たちの修業時代』『ヨーロッパ美食旅行』『ヤンキー社長』『新TOKYOオリンピック・パラリンピック物語』『京味物語』など多数。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。

「2022年 『伊藤忠 財閥系を超えた最強商人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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