ごめんなさいといえる

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著者 : 三浦綾子
  • 小学館 (2014年4月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093883665

ごめんなさいといえるの感想・レビュー・書評

  • 着ぶくれて吾が前を行く姿だにしみじみ愛し吾が妻なれば 
     三浦光世

     掲出歌への思い出など、三浦綾子の単行本未収録エッセー41編を収めた「ごめんなさいといえる」が、昨年刊行された。

     すでに20巻の全集(主婦の友社)も刊行済みとはいえ、雑誌・新聞等に寄せた小文で、まだ単行本に収録されていないものも多数残されていると聞く。

     そんな本書の最大の読みどころは、夫の三浦光世の日記が、「本邦初公開」として、部分的に公開されていることである。

     周知のとおり、綾子は1964年、朝日新聞「1千万円懸賞小説」に長編「氷点」で入選し、作家デビューを果たした。

     執筆当時、綾子は旭川市内で雑貨店を開業しており、店じまいをしてから、ほぼ1年かけて大作に挑戦したのだった。

     まだ原稿用紙に手書き、かつ、コピー機もない時代である。綾子が書いた原稿を、勤務先から帰宅した夫の光世が、疲れを吐露しつつも、浄書を担当したのだった。
    その浄書作業の中で、光世はしだいに気が付いていった―〈妻は、ものすごい小説を書いている〉という事実に。

     ほぼ完成に近づいた1963年12月17日の、光世の日記「よくぞ綾子書いたのう。いや~いや~いや~、書かせていただいたのだ。忘れてはならんぞ」。

     小説の才能に恵まれた妻に向け、よく書いたが、それは大きな力によって「書かせていただいたのだ」。そのことを忘れず、謙虚に精進していきなさい、というアドバイスであろう。三浦光世日記の全貌も、いつか目にできることを願ってやまない。

    (2015年6月7日掲載)

  • 三浦綾子さんの単行本未収録エッセイをまとめた新刊。「氷点」執筆時の夫・光世さんの日記は本邦初公開!

    「妻の如く想ふと吾を抱きくれし君よ 君よ還り来よ天の国より」
    亡き恋人を悼んだこの歌に心を打たれ、綾子さんを深く愛するようになった光世さん・・・読み返すほどに心に染み入るような歌。

    全編を通して、信仰に基づいた溢れんばかりの愛が感じられる。 

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ごめんなさいといえるの作品紹介

愛と許しを書き続けた作家の初収録エッセイ

今年は、『氷点』が朝日新聞の1千万円の懸賞小説に当選して50年目を迎えます。その記念の年に、三浦綾子の単行本未収録エッセイをまとめた待望の新刊です。本書は2章からなっており、1章は『氷点』にまつわるもの、2章は『泥流地帯』をはじめとする他の作品や、短歌、忘れ得ぬ人々のことを綴ったものとなっています。また今回は、本邦初公開となる夫・光世さんの日記を公開。日記と光世さんへのインタビューにより、『氷点』原稿完成までの経緯や、懸賞小説発表までの三浦夫妻の心境を明らかした解説原稿を付けました。
今も読み継がれる名作の数々を生んだ作者の、信仰に基づいた、温かないたわりに満ちたエッセイ集。

【編集担当からのおすすめ情報】
本書は、三浦綾子文学館が行う“『氷点』50年記念事業”の中の、『氷点』記念出版の1冊として刊行します。森下辰衛・著『「氷点」解凍』と同じ発売日(三浦綾子さんの誕生日である4月25日:奥付表記)です。

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