仔猫の肉球

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著者 : 雨宮処凛
  • 小学館 (2015年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093884143

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仔猫の肉球の感想・レビュー・書評

  • 自慢じゃないけど、”肉球”の二文字を見つけるのが得意です(笑)

    書棚の中から、吸い寄せられるように選んだ本。
    また泣いてしまうかもしれないのに、
    手に取らずにはいられない猫好きの性…。

    はじめましての作家さんです。
    タイトルや表紙から想像したのとはかなり違った内容でした。
    まず、”なんの役にも立たないのにおそろしく堂々と生きている猫”というまえがきに、
    「なんて表現を…」と…。
    でも読んでいくうちに、それが雨宮さんの”生きる理由”
    そう言い切れるほどの愛情に裏打ちされた表現だとわかりました。
    ”生きづらさ”を抱え、常に命というものと向き合ってこられた方なんですね。

    「ただ生きている、猫は人間のように生きる意味など問わない。」
    同感です!

    私も煮詰まりそうになったときは、日当りのいい場所で
    猫ちゃんみたいに昼寝をしてみたいです。
    ガチガチになりがちな肩の力を、ふっと緩めてくれるかな。

    あぁ”肉球”…
    あのぷにぷにした、そら豆のようなにおいがたまらなく懐かしい~。

  • 「ダイヤモンド」の書評欄で佐藤優が推薦していたので図書館で借りてみた。氏も猫好きらしいからね。 
    が、タイトルに騙された。猫の話なんぞは最初の8話だけだった。新潟日報連載をまとめたものらしいから、章ごとに話題を統一したのだろうけど、残りはまさにその連載タイトル「『生きずらさ』を生きる」の通り、そういう人に向けたメッセージが大半だ。今の自分には要らないな。

     章立てが時系列に並んでいるのかどうかは判らないが、作者自身が”生きずらさ”を克服して、今は立ち直っている様が本書を読み進めるにつれ分かるのは面白いところかもしれない。
     なので”生きずらさ”を感じ、シンパシーを感じたくて本書を手にした人が、同病相憐れむで和んでいたのに、最後は置いていかれるように感じないか、ちょっと心配(作者は立派に社会的に独り立ちしていくので)。
    それとも、そんな人たちが本書からヒントを得て、同じように社会とのつながりを見出して立ち直っていくのだろうか?

     佐藤優は書評で言う、”生きていく上で役に立つ洞察が随所で光っている”。
    確かに、著者は生きていくヒントを見出していくのだが、それは著者の洞察力であって、誰もが真似できるものではない。真似できるくらいなら、その人は”生きずら”くはないだろうから。

     難しいね、こういう本は(内容は極めて簡単なんだけど)。要は、人は”認めらたい”のだ。”個”では成り立たない社会的生物なんだ。そのために、人を信じたり信じられたり、世にアピールしたりもするんだな。

     作家AKIRA氏の言葉として「すぐれた芸術は合法犯罪」というのを紹介している。そして、

    ”ちなみに私自身も、「自分が変な形で社会に復習しないようにする」ために物書きという道を選んだ節もある。「自分」という犯罪者予備軍の暴発を、何かを表現することによって自ら抑止したことが仕事に繋がっているというワケのわからなさなのである。”

     と自分のことを評しているが、まだ考察が足りない(コラムの字数制限で書けなかったのかもしれないが、と助け船も出しておくが)。
     書いたり表現しただけでは抑止力にはならないだろう。一時の感情のはけ口にはなるだろうけど。作者はその文章や、行動、表現(けっこう奇抜な恰好で表に出るそうだから)が、世間の注目を集め、一定のポジションを築けたからだ。
     芸術も文章表現も、それを認めてくれる人がいて成り立つ。なにもそれが世間一般でなくても、1人の友人、家族でもいいのだが。そこが大事。

  • 猫は役に立たないのに堂々としている。将来を心配している猫もいない。
    P.110助けてと言ってもらうために
    P.192生きた教材
    西原さんは専業主婦願望の高まりに警鐘を鳴らす。一生夫が健康で、一生夫の会社が潰れず、一生夫が自分ことを愛してくれる、という保証のもとにしか成り立たない、非常にハイリスクな職業といっている。
    P.206成長痛
    P.218思考停止からの卒業

  • 猫ネタははじめのほうだけで、あとはラクに生きるにはどうするか、という話
    自分を消したくなったときに読もう

  • 雨宮さん、年々パワーアップしてるように思う。うれしい。本書については、タイトルから間違えて手に取ってしまったひとが多いんじゃないか。タイトルがこれで、中身はバリバリ社会派やもんなぁ。このタイトルははたして、編集者の意向なのか、雨宮さんの意向なのか。雨宮さんの本のなかでは、いちばん心に響いてきたかな。

  • タイトルと表紙から、可愛い猫との毎日を綴ったエッセイかと思っていたのにびっくりだ。

    「仔猫の肉球みたいな」「あたたかくて、柔らかくて、ふっと心がほぐれる」ようなエッセイだ、と作者はいう。
    確かに読み始めてしばらくは微笑みながら肩の力を抜いて読んでいた。雨宮処凛のイメージがかわるほど優しく微笑ましいエッセイだったのに。
    やはり雨宮処凛だった。この生きづらい世の中のやるせなさを、器用に渡り歩いて行けない人々の今の声を、恨みがましくないギリギリのところで綴っている。

    付箋を貼って時々読み返したいと思う。いろんなことに躓いて立ち止まって足踏みしている誰かを見つけたら、そっとささやいてあげるために何度も読もう。

  • 自分をもっと大事にしてほしい。

  •  章立ては、序章的な「猫が教えてくれること」に始まり、「自分と仲良くする方法」「生きづらさを生きるコツ」「3・11に思う」「生きづらい社会で考える」となっていますが、もともとは、地方紙に連載されている「生きづらさを生きる」というコラム(or エッセイ?)を編集、構成し直したもの。著者自身の取材体験などを交えて、現代人の感じている「生きづらさ」を、見開き2ページ一話としてまとめています。
     著者の社会問題に関する対談や論考とは異なり、「生きづらさ」を解消する対策を書き出すのではなく、表現がソフトです。生きづらさを感じて生きている人に対しては、一人ひとりができること、気が楽になる、心が軽くなる処方箋を提案しているといえます。また、生きづらさを感じる人に対して、どういう視点で接していったらよいか、ということにも気づかされると思います。時にはユーモアも見られますが、そういうユーモアもなければ、生きづらいに違いないでしょう。
     「どうかすべての人が、無理せず笑えるような社会になりますように。」という一文もありました。気持ちが沈んで、今のままじゃ、ちょっとヤバイかな、と思った時、読んでみると少しだけ気が楽になるかも。

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仔猫の肉球の作品紹介

読んで心が軽くなる、処方箋エッセイ

「空気が読めない」「コミュ障」「役に立たない自分」……。本書は、そんな「生きづらさ」を抱える人たちへ贈る、処方箋エッセイです。
中学時代にいじめを受けて以来「生きづらさ」を抱え続けること二十数年、いまや「生きづらさ上級者」を自称する雨宮処凛さん。日々の中で編み出した「生きづらさに効く対処法」の数々を伝授します。「いかに人に嫌われるかを実践する」「子どもには、自分のダメぶりを積極的に見せる」「『効率』『スピード』『正確さ』は日本でしか通用しないローカルルール」などなど、厳しい毎日の中でこわばっていた心と体がふっと楽になるコツや言葉が満載。
白眉は、二匹の飼い猫たちと著者のエピソードの数々。誰の役に立たなくても、何の生産性がなくても、当たり前の顔で堂々と生きている猫たちの姿に衝撃を受ける著者。一方、大切な人を失って泣いている時に猫が救ってくれたことも。
読んで心がじんわりと温かく軽くなる、珠玉のエッセイ集です。

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